米IT大手企業の4~6月期決算が発表され、各社の収益は予想を上回る増益となっている。コロナ禍でリモートワークやリモート学習が活発になり、インターネットで商品を購入するための検索が増加したことや、ワクチン接種により需要拡大が見込まれ、企業のオンライン広告費が急増したことも要因となっている。
7月27日付
『AP通信』は「IT大手3社を合わせた収益は50億ドル超」との見出しで以下のように報道している。
人々の生活様式を変える、他に類を見ない影響力と成功を背景に、4~6月のIT大手3社を合わせた収益は50億ドルとなった。利益につながるサービスは違っているが、IT企業の躍進が、政府の規制強化の原因ともなっていることも浮き彫りに。市場価格は6.4兆ドルでコロナ禍が始まった16か月前より、総額にして2倍以上となっている。...
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7月27日付
『AP通信』は「IT大手3社を合わせた収益は50億ドル超」との見出しで以下のように報道している。
人々の生活様式を変える、他に類を見ない影響力と成功を背景に、4~6月のIT大手3社を合わせた収益は50億ドルとなった。利益につながるサービスは違っているが、IT企業の躍進が、政府の規制強化の原因ともなっていることも浮き彫りに。市場価格は6.4兆ドルでコロナ禍が始まった16か月前より、総額にして2倍以上となっている。先日テスラも記録的な収益を発表しており、IT大手の増収は今後Facebook やアマゾンでも続くとみられる。
アップル社は、5Gワイヤレス接続が可能な最初のiPhoneモデルにより勢いを増し、昨年3期連続で2桁の成長、今期21億ドルでIT企業の中で最高収益となった。グーグルの親会社アルファベットは、18億ドル超の増収。昨年比でほぼ3倍の増加となった。グーグルの広告収入は、個人や企業のオンライン活動の「波に乗り」(サンダー・ピチャイCEOの言葉)昨年比69%増となった。旅行やエンタメ広告同様、小売りも、増収の一因となった。
マイクロソフトは16億ドル超の増益、昨年同期47%増となった。コロナ禍では、リモートワークやリモート学習のため、ソフトやクラウドサービスにおいて常に需要があり、ドキュメントやメールなど事務作業の効率化ツールも好調だった。一方、PC部門は9%の伸びに留まった。6年ぶりにアップグレードされる次世代型Windows11の発売が今年後半に控えている。
7月27日付英国『ガーディアン』は「グーグル、アップル、マイクロソフトで記録的増収」との見出しで以下のように報道している。
グーグル、アップル、マイクロソフトの四半期決算は、大幅な増益を記録した。IT企業にとって大きな追い風となったコロナ禍で収益増が続いている。
アップルは、6月までの3か月で四半期としては45年ぶりに最高となる21億ドル。アイフォーン12の売り上げやサービス部門が堅調。グーグルの親会社アルファベットは、今期18億ドルの収益、昨年同期比で2倍以上となった。広告収入は昨年比69%増となった。マイクロソフトも期待以上で、46億ドル超の収益、昨年同期21%増となった。
エコノミストは、これらはコロナ禍で最も経済的に成功した業種だとする。世界的なロックダウンにより、ITサービスが利用されており、コロナ禍以前から既に10年で最高となっていたところにパンデミックが重なり、「完璧な追い風」が吹いたのである。
モーガンスタンレーの アナリストは、ロックダウン中に、人々がオンラインで購入する商品をリサーチするとき最初に使うのがグーグルだったことが増収に繋がったとする。調査によると、グーグル検索は以前の50%から54%に上昇。
Facebookのマイク・ザッカーバーグCEOは、インターネットは今後ますます人々の日常で大きな役割を果たし、携帯に代わって、バーチャルリアリティーのヘッドセットが主流となると考えている。Facebookはソーシャルメディアのプラットフォームから、人々がバーチャル環境で、仕事やゲームやコミュニケーションを取る「メタバース(3次元空間)企業」となるとしている。
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