最近は街中で電気自動車を見かけることが随分と多くなった。電気自動車を購入したいと考えている方も多いだろう。電気自動車を購入する際に頭をよぎるのは充電の問題である。もし、移動中に電気の残量が少なくなったらとの懸念はもっともである。そんな中、日産自動車が日本国内の充電ステーションの数が世界のトップであることを発表した。自動運転も話題を呼んでいるが、電気自動車は今後急激な販売台数の伸びを見せるのか、各メディアは次のように報じている。
5月9日付
『フォーブス』(米)は日本の電気自動車のインフラ整備が全速力で広がっているとして、日本国内の電気自動車用の充電ステーションの数が急速に増えていると報じる。日産の発表によれば、日本国内には3万4000のガソリンスタンドがあるが、これに対して充電ステーションは4万か所あるのだという。
ただ、この数字に対して違和感を覚える方も居られるだろう。街中で見かけるのはガソリンスタンドの方が多い気がする。...
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5月9日付
『フォーブス』(米)は日本の電気自動車のインフラ整備が全速力で広がっているとして、日本国内の電気自動車用の充電ステーションの数が急速に増えていると報じる。日産の発表によれば、日本国内には3万4000のガソリンスタンドがあるが、これに対して充電ステーションは4万か所あるのだという。
ただ、この数字に対して違和感を覚える方も居られるだろう。街中で見かけるのはガソリンスタンドの方が多い気がする。同記事もこの点に関して言及しており、今回発表された4万という数には、不特定多数が利用できる充電ステーションに加えて、個人宅にある充電ステーションの数も含まれているとする。また、ガソリンスタンドには、複数の給油設備があり、充電ステーションに比べて多数の車に給油することができる点も看過されているとの指摘もなされている。
しかしながら、同記事は「ジャパンタイムズ」の記事を引用し、エアーbnb(世界的に展開されている民泊や空き部屋のシェアなどにより、格安で滞在するビジネス)を充電ステーションに導入したり、将来的に個人所有の受電ステーションを複数人でシェアすることにより、現在よりも充電の利便性は増すだろうとする。
5月10日付
『ザ・ガーディアン』(英)では、日本の充電ステーションの充実ぶりに比べてアメリカには、11万4,500のガソリンスタンドがある一方で公共の充電ステーションは9000しかないと報じられている。また、同記事は日本政府が、電気自動車をはじめとしたハイブリッド車や低燃費車の購入に対して補助金を支給していることも、日本国内の充電ステーションの数の増加に一役買っているとする。さらに同記事は日本には6469のチャデモの設備があり、他国を大きく引き離しているとする(ヨーロッパ全体ではチャデモの数は3028、アメリカでは1686)。チャデモは電気自動車の直流を用いた急速充電方法で、コネクターや充電方法を協議会で統一しており、交流圧の異なる世界各国で使用可能という利点がある。このチャデモに、低電力充電ステーションを加えると、日本国内の充電ステーションの数は4万になるのだという。
このような日本での電気自動車の躍進の可能性を参考に、世界では充電ステーションの数の充実を図る動きが活発化している。電気自動車の売上げも急速な伸びが期待されており、2040年には世界で4100万台の売上げが見込まれ、これは4台に1台が電気自動車という計算になるとの予測もある。
アメリカのテスラモーターズ(電気自動車を製造、販売)はアメリカをはじめ中国や日本、ヨーロッパでも独自の充電ステーションの設置を行っており、BMWほか2社もアメリカで最大100の急速充電ステーションの設置計画を発表している。
5月9日付
『we forum』(世界経済フォーラム発表)には大手自動車メーカーのコメントが掲載されている。日産の最高財務責任者であるピーター氏は今後の電気自動車産業の継続的な発展には、充電ステーションの設置が不可欠だとする。また、ゼネラルモーターズの最高経営責任者であるバラ氏は電気自動車を、今後自動車産業界が採るべき方向性の一つとする。同氏はまた、電気自動車はこの先、空前のスピードで普及するだろうと予測する。
同記事も、日本は電気自動車に関する道しるべであり、政府による補助金の支給やバッテリー性能の向上、充電ステーションの拡充により、電気自動車が当たり前のように街を走る日が意外に早くやってくるかもしれないとする。
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