イタリアでは、憲法に新たに環境保護に関する項目が追加されるという。尚、イタリア共和国憲法は、1947年の制定以来16回改正されており、今回変更が加えられたのは、「風景の保護」に関する記述や、経済社会活動に関する項目とみられる。
2月9日付
『Reuters』:「イタリア憲法改正、環境保護の記載追加へ」:
今月8日イタリア議会は、将来的に重要になるとみられる環境保護に関する項目を共和国憲法に盛り込む法案を可決した。
憲法では、国は「未来の世代の利益のために」環境、生物多様性、エコシステムを保護する必要があり、私的利益に基づく経済活動により、健康被害や環境への損害があってはならないとしている。
ロベルト・シンゴラニ環境移行相は声明で、「EUのポストコロナ経済回復機構のもと、より環境に配慮した経済変革に向かうイタリアにとり、非常に重要な出来事で記念すべき日だ」としている。...
全部読む
2月9日付
『Reuters』:「イタリア憲法改正、環境保護の記載追加へ」:
今月8日イタリア議会は、将来的に重要になるとみられる環境保護に関する項目を共和国憲法に盛り込む法案を可決した。
憲法では、国は「未来の世代の利益のために」環境、生物多様性、エコシステムを保護する必要があり、私的利益に基づく経済活動により、健康被害や環境への損害があってはならないとしている。
ロベルト・シンゴラニ環境移行相は声明で、「EUのポストコロナ経済回復機構のもと、より環境に配慮した経済変革に向かうイタリアにとり、非常に重要な出来事で記念すべき日だ」としている。また、世界自然保護基金(WWF)イタリアは、環境問題が現行法に適用されるよう期待しているとし、ドナテッラ・ビアンキ代表は声明で、「遂に環境保護が基本理念に加わったことで、今後の法律にも影響を与えるだろう」と述べている。
2月8日付『Today24News』:「イタリア憲法に環境と動物保護が盛り込まれる」:
昨年11月に上院を通過していた憲法第9条と第41条の改正を求める憲法改正法案が、賛成468反対1で可決した。この憲法改正を「重要な前進」だと環境協会も賛同するが、具体策についての課題は未だ山積みだ。
改正点では、動物の保護の方法や体制を規定しており、トレントやボルツァーノ自治区の動物保護に関する特別制定法に影響する項目が加わったことや、憲法第9条に風景、歴史的かつ美術的遺産の保護を謳う新たな章が加わった点が挙げられる。
また憲法第41条では、経済的イニシアチブにおいて人類の自由のみならず尊厳も考慮されなければならないと定められている。あらゆる計画や規制は、健康と環境を考慮し、「公共および私的な経済活動は、社会や環境の目的に沿って行われなければない」と定めている。つまりは、下水道を川に流すのも、憲法違反となる。
閉じる