トランプ米大統領の弾劾を支持する米有権者が半数近くに増加、世論調査(2019/09/30)
米国で先週までに公表された各種の世論調査によると、トランプ米大統領がバイデン前副大統領とその息子についての調査を行うようウクライナの大統領に圧力をかけたとの疑惑報道を受けて、野党・民主党が大統領の弾劾に向けた調査の開始を発表した後、トランプ氏の弾劾手続きを支持する人が米有権者の半数近くに増加したことが判明した。
米政治紙
『ザ・ヒル』や一般紙
『ニューヨーク・ポスト』などのメディアが報じた。ザ・ヒルが27日に発表した自社などによる世論調査結果によると、トランプ氏の弾劾を支持すると回答した人は47%、支持しないと答えた人は42%、分からないとした人は11%だった。同調査は、民主党のペロシ下院議長が24日、弾劾訴追に向けた審議の実施を正式に表明した直後の9月26~27日、1,001人の有権者を対象に実施されている。...
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米政治紙
『ザ・ヒル』や一般紙
『ニューヨーク・ポスト』などのメディアが報じた。ザ・ヒルが27日に発表した自社などによる世論調査結果によると、トランプ氏の弾劾を支持すると回答した人は47%、支持しないと答えた人は42%、分からないとした人は11%だった。同調査は、民主党のペロシ下院議長が24日、弾劾訴追に向けた審議の実施を正式に表明した直後の9月26~27日、1,001人の有権者を対象に実施されている。
今回弾劾手続きを支持した人の割合47%は、6月に公表された前回の同様の調査から12ポイントも上昇した。前回調査は、民主党が弾劾手続きを開始すべきか否かを主に訪ねたものである。一方、不支持の割合42%は前回から3ポイント低下した。
弾劾を支持する人は、民主・共和両党の支持層と無党派層の全てで増加している。民主党支持者では前回の59%から今回の78%に、共和党支持者では同5%から18%にそれぞれ増加し、無党派層では今回41%へと倍増した。
他の調査でも弾劾支持者が増加し、25日に実施された米公共ラジオ局NPRや公共放送サービスPBSなどの調査では、49%が支持、46%が不支持だった。4月の調査から10ポイント支持が増え、同様の傾向を示している。政治メディアのポリティコなどが26日に公表した調査結果でも、弾劾支持が不支持と同率の43%となり、支持は前週末から7ポイント急上昇した。ザ・ヒル以外の調査では、支持の増加は民主党支持者で著しかった。
ある世論調査の責任者は、「トランプ氏の行動をめぐり、国民は深刻な懸念を抱いている。弾劾を支持する人はモラー特別検査官のロシア疑惑調査中よりも多く、殆どの人が大統領の行為は弾劾に値しないとしても不適切であると見なしている。」と指摘した。
ポリティコなどの調査とNPRなどの調査では、有権者の大半がニュースを注視していることを強調したが、他の調査では、トランプ氏への疑惑についての主張が十分に信用できるかを確信するほど、ウクライナ大統領との電話会談について詳しくないと回答する人も多く、有権者は今後、疑惑に対する調査の成り行き次第で態度を変える可能性がある。
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米主要企業のCEOの報酬は一般労働者の361倍と格差が拡大、AFL-CIO調査(2018/05/25)
米国の労働組合の中央組織である米労働総同盟産別会議(AFL-CIO)が22日に公表したデータによれば、米主要企業の最高経営責任者(CEO)の報酬の平均は、2017年には約6%増加して1,394万ドル(約15億2,700万円)となった。これは一般労働者の給与収入の361倍となり、格差が拡大していることが判明した。
AFL-CIOの「企業幹部の報酬監視(Executive Paywatch)」によれば、「S&P500」株価指数を構成する米主要企業のCEOの年間報酬の中央値は、昨年1,394万ドル(約15億2,700万円)に上った一方、生産部門で非管理職の従業員の年収の中央値は、約3万8,613ドル(約423万円)だった。企業のCEOと一般労働者との所得格差は1950年代には20倍程度だったが、これが昨年には約361倍に広がっていたことが明らかになった。...
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AFL-CIOの「企業幹部の報酬監視(Executive Paywatch)」によれば、「S&P500」株価指数を構成する米主要企業のCEOの年間報酬の中央値は、昨年1,394万ドル(約15億2,700万円)に上った一方、生産部門で非管理職の従業員の年収の中央値は、約3万8,613ドル(約423万円)だった。企業のCEOと一般労働者との所得格差は1950年代には20倍程度だったが、これが昨年には約361倍に広がっていたことが明らかになった。
S&P500企業の内、CEOと一般従業員との所得格差が最も大きかったのは、カリフォルニア州に本拠を置く玩具メーカー大手のマテルだった。マレーシア製造部門の従業員の年収が一般従業員の中央値で、6,271ドル(約68万7,000円)だったのに対し、同社CEOの年収は、その4,987倍だった。
一方、著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイのCEOと、同社一般従業員との所得格差は、全てのS&P500企業の中で最低の約2倍だった。こうしたことが、バフェット氏の根強い人気を物語っているのかも知れない。
一般労働者の平均賃金は、物価上昇分を調整すると、この50年間殆ど停滞しており、企業の増収の恩恵を殆ど受けていないことがわかる。AFL-CIOは、賃金停滞の理由として、国内の高賃金職種のアウトソーシングが増加していることを挙げている。
AFL-CIOのリズ・シュラー財務書記は、「今年の報告書は、米国の所得格差が危機状態にあることを改めて示すものとなった。」と指摘した。シュラー氏はさらに「我が国の経済は、消費者が使う金を持っている時に最もよく機能する。つまり労働者のために賃上げを行い、手に負えない役員報酬を抑制するということだ。」と説明している。
米公共放送PBSの番組が、CEOと従業員の大幅な所得格差は、企業に対する興味を失わせると報じた。ある調査によれば、米国の消費者は、タオルからテレビまでどんな製品であっても、所得格差がより小さい会社の製品を、たとえ高くても買う傾向にあるという。
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