マティス米国防長官辞任への懸念(2018/12/21)
ジェームズ・マティス米国防長官が来年2月末での辞任する。米軍のシリア撤退など同盟関係を巡る見解の相違が理由とされており、米国を巡る国際情勢に懸念が広がっている。
12月21日付米国
『CNN』は「ジェームズ・マティスから米国への警告」との見出しで以下のように報道している。
トランプ大統領が同盟国や国内の国家安全顧問との十分な協議もないままシリア撤退を発表した今、米国の外交政策が非常に緊迫した状況下において、マティス国防長官の辞任発表。マティス長官は、政権幹部を去る最後の“大人”となった。
今、米国と同盟国にとり最も危険な時期となる。内政は混乱、民主党は下院与党となり、大統領は深刻な疑惑を含み数々の調査を受けている。...
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12月21日付米国
『CNN』は「ジェームズ・マティスから米国への警告」との見出しで以下のように報道している。
トランプ大統領が同盟国や国内の国家安全顧問との十分な協議もないままシリア撤退を発表した今、米国の外交政策が非常に緊迫した状況下において、マティス国防長官の辞任発表。マティス長官は、政権幹部を去る最後の“大人”となった。
今、米国と同盟国にとり最も危険な時期となる。内政は混乱、民主党は下院与党となり、大統領は深刻な疑惑を含み数々の調査を受けている。外交では短絡的な決定をし、支持率は依然低いままで、共和党からの支持は保っているものの、大統領は窮地に立たされている。トランプ擁護者は外交政策は心配ない、大統領はただ張ったりを言っているだけだ、と国民に言ってきた。しかし、マティス長官の辞表の手紙には、トランプ大統領と同路線の別の誰かが適任だろうと書かれており、2つの警告をしている。
米国の国家としての強さは、「同盟やパートナーシップという唯一無二で包括的な概念」と「緊密に結びついている」”これなくして、米国は自国も他国も守れない、と述べている。
また、強く警告しているのが、大統領は、権威主義的な政治モデルを築こうとしている(中国やロシアなど)戦略的利益が対立しつつある国へのアプローチを断固かつ明確なものとしておく必要がある」と述べている。
この手紙はトランプへの警告ではない、彼は側近として接し大統領が変わらないこと理解しているおり、トランプを軌道修正しようという概念が愚鈍だと分かっているのだ。この手紙は、2年間沈黙を保ってきた他の共和党議員らや保守的な国家戦略部に、向けられたものであり、外交史に造詣のある人々にむけられた手紙なのである。
12月20日付米国『VOX』は「トランプ政権の最後の“大人”ジェームズ・マティスが国防長官を辞任」との見出しで以下のように報道している。
辞任の手紙でマティス氏は、米国の同盟やパートナーシップ、特にNATOに関する「信念」を綴っている。中国やロシアなど敵対してくる国への断固たる明確性を示しており、同盟国に敬意を払い、悪意に満ちた者や戦略的な競争相手に注意を払うべきだという考えを述べている。また、安全保障や繁栄、価値観に最も資する国際秩序を推進するためにできることは全てやるべきで、同盟という結束により強くなると述べている。
このマティスの口調は、手紙の公表直後にトランプ氏による辞任発表とはニュアンスが異なる。ツイッターで「国防長官として2年仕えたマティスが、名誉の辞任となった」とし、政権内での活躍と軍事装備購入や、同盟国他への軍事負担増強での支援を賞賛した。
海兵隊大将だったマティス氏は、政権内の国家安全保障政策でトランプのブレーキ役として、重要な側近とみなされてきた。だが辞任により、ボルトン大統領補佐やポンぺイオ国務長官ら、対北朝鮮・イラン他でタカ派の意見が強まるとの懸念がある。
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北朝鮮が米国の制裁を批判;非核化が危うくなる(2018/12/17)
米朝会談以降、非核化プロセスが順調だとしてきたトランプ米大統領だが、米政府は北朝鮮への制裁を強化してきた。金正恩氏の側近がブラックリスト化されたのを機に、16日、北朝鮮外務省は声明を出し、米国による制裁を批判。外交圧力や人権侵害への介入が続けば、「皆が望む朝鮮半島の非核化への努力が永久に損なわれるかもしれない」と警告している。
12月16日付米国
『VOX』は「北朝鮮、米国の制裁継続により非核化が危うくなる」との見出しで以下のように報道している。
日曜、米国による制裁継続を好ましく思わない北朝鮮は、外交圧力や人権侵害への介入が続けば、非核化への努力が永久に損なわれる、との声明を出した。北朝鮮外務省は、「制裁強化により、核兵器開発を辞めさせるようとする方法は、大きな誤算である。実際には、朝鮮半島の非核化が永遠に息づまるという誰も望まない結果となるものである」とし、北朝鮮は国務省に対し、人権記録に基づく制裁(米国が人権詐欺と呼ぶ)の停止を求め、砲撃戦を求むとした。...
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12月16日付米国
『VOX』は「北朝鮮、米国の制裁継続により非核化が危うくなる」との見出しで以下のように報道している。
日曜、米国による制裁継続を好ましく思わない北朝鮮は、外交圧力や人権侵害への介入が続けば、非核化への努力が永久に損なわれる、との声明を出した。北朝鮮外務省は、「制裁強化により、核兵器開発を辞めさせるようとする方法は、大きな誤算である。実際には、朝鮮半島の非核化が永遠に息づまるという誰も望まない結果となるものである」とし、北朝鮮は国務省に対し、人権記録に基づく制裁(米国が人権詐欺と呼ぶ)の停止を求め、砲撃戦を求むとした。これは6月シンガポールで行われた米朝会談で非核化に合意した、金正恩とトランプ大統領との関係の薄さを示すものとなった。
この背景としては複数考えられる。非核化の定義に相違がある点、朝鮮戦争終結宣言の確約を米大統領が取れなかった事、米国が楽観視する一方で北朝鮮は、ミサイル製造を継続している点などである。トランプと金は相思相愛だとしても、政権同士は別問題なのである。トランプは過去の大統領より個人的な関係構築は上手くいったが、 シンガポール会談以降、米政府は経済・外交上の圧力をかけ続けた。
北朝鮮外務省は 8月、トランプ政権内の人物がトランプ大統領と異なる意図で動いていると批判しており、財務省が金氏の側近3名を人権侵害や検閲問題でブラックリスト化した後に、今回の声明が発表された。
北朝鮮では、8~13万人が政治犯として強制収容所で拘束されており、十数年の間に数百人、数千人が死亡、即決処刑や組織的な性的暴行も日常茶飯事である。
同日付米国『ニューヨーク・タイムズ』は「米国の強硬策では非核化への道が阻害されると北朝鮮が警告」との見出しで以下のように報道している。
日曜北朝鮮が、米国の制裁や人権キャンペーンは、非核化の機会を永久に無くしてしまうだろうと警告。トランプ大統領は非核化プロセスが順調だとしている一方で、米国は最大級の経済、外交圧力を北に与えている。
米朝会談後の数カ月間、米国は北朝鮮の企業、個人、船舶に対し、マネーロンダリング、サイバー攻撃、燃料の密輸などで制裁をかしている。
先週、財務省が北の側近3名を人権侵害や検閲問題でブラックリスト化したことで、北朝鮮は米国の対応への鬱憤を示した形となった。日曜、北の外務省は声明で、「米国務省その他の高官が北への制裁強化や前例のないレベルの人権詐欺で核兵器開発を辞めさせられると考えるなら、それは“大きな誤算”である。これは皆が望む非核化への道を永久に閉ざすものである。」としている。声明は、北朝鮮の米国研究所、政策研究所長から出され、朝鮮中央通信社から報じられた。
今回の声明は、危機は概ね解決済としていたトランプ大統領の姿勢と異なるもの。北朝鮮は米国の交渉に対し徐々に怒りをためていた。
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