ミャンマーで東南アジア最大規模の薬物押収
ミャンマーでは、3カ月に渡る捜査により、東南アジア最大規模の合成麻薬を押収。新型コロナウィルス感染拡大に世界が揺れる中でも、生産や取引に影響がなかったという。この地域では犯罪組織が拡大しつつあり、ヘロインなど広大な土地や天候に左右される植物由来の薬物から、より安価で容易に製造できる合成物質に変わりつつあるという。
5月19日付米国
『CNN』は「ミャンマー警察がメタンフェタミン2億錠押収、数十年でアジア最大規模」との見出しで以下のように報道している。
ミャンマー警察当局と国連薬物犯罪事務所(UNODC)による合同声明によると、ミャンマーでアジア最大の麻薬摘発により、前代未聞の数百万ドル相当のメタンフェタミン錠剤(覚せい剤合成に使われる)を押収。メタンフェタミン約2億錠、結晶メタンフェタミン500キロ以上、液体メチルフェンタニル(フェンタニルのような強い合成オピオイド製造に使われる)約3,750リットル、違法薬物の原料として使われる化学物質などが押収された。...
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5月19日付米国
『CNN』は「ミャンマー警察がメタンフェタミン2億錠押収、数十年でアジア最大規模」との見出しで以下のように報道している。
ミャンマー警察当局と国連薬物犯罪事務所(UNODC)による合同声明によると、ミャンマーでアジア最大の麻薬摘発により、前代未聞の数百万ドル相当のメタンフェタミン錠剤(覚せい剤合成に使われる)を押収。メタンフェタミン約2億錠、結晶メタンフェタミン500キロ以上、液体メチルフェンタニル(フェンタニルのような強い合成オピオイド製造に使われる)約3,750リットル、違法薬物の原料として使われる化学物質などが押収された。同国北部シャン州クカイ郡の村を中心に、3カ月に渡る作戦が行われた。
UNODCによると、この押収規模は前例がなく、フェタニルや類似薬物の大量の押収は東南アジアで初となる。
米国の様なオピオイド危機はそれほどなかった地域なのだが、専門家はアジアの薬物製造者がヘロインなどのアヘンに似た合成麻薬が出回る可能性を指摘していた。アジアのメタンフェタミン流行は世界最大の麻薬危機。大きな犯罪組織により拡大しつつあり、ヘロインなど広大な土地や天候に左右される植物由来の薬物から、より安価で容易に製造できる合成物質に変わりつつある。
ミャンマー、タイ、ラオスの国境が接するゴールデン・トライアングルは、長年世界の最大ヘロイン生産地帯だった。特に軍や地方軍が支配するミャンマー側は、今なお無法地帯である。東アジアや東南アジアのメタンフェタミン市場は、年間614億ドルといわれ、新型コロナウィルス感染拡大があってさえ、この合成麻薬生産や取引に影響がないという。世界でコロナ蔓延に注目が行く影で、この地域の麻薬生産取引きが記録的レベルになっていたのだという。
5月18日付英国『BBC』は「ミャンマー警察が最大規模の合成麻薬押収」との見出しで以下のように報道している。
ミャンマー警察が東南アジア最大規模の合成麻薬を押収。2月から4月シャン州でに行われた家宅捜索では、メタンフェタミン2億錠剤、透明メタンフェタミン500Kg、ヘロイン300Kgが押収され、33人が逮捕された。ミャンマーはメタンフェタミンの最大生産地といわれている。容疑者らは、薬物は国内や隣国での販売目的で所有していたと供述している。フェンタニル製造に使われるメチルフェンタニルも3700L押収された。フェンタニルはヘロインの50倍、モルヒネの100倍以上といわれる強い薬物で、米国ではオピオイド危機で問題となっている。米国疾病管理予防センター(CDC)によると、米国ではオピオイド過剰摂取で一日あたり130人が死亡しているという。
国連薬物犯罪事務所(UNODC)東南アジア・太平洋担当Jeremy Douglasによると、今回の押収は、合成麻薬の製造が予想以上に大規模に行われていたことを示すものだという。ミャンマーはアフガニスタンに次いで、世界第2位の麻薬生産国。
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家庭用遺伝子検査キットの使用に専門家が警鐘
遺伝情報や病気リスクが調べられる市販の遺伝子検査が人気だが、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルによると、拡大解釈や誤った結果が出る場合も多く、今後の健康に関して明確な情報が欲しくて使用する気持ちは理解できるとしながらも専門家は警鐘を鳴らしている。
10月16日付英国
『BBC』は「遺伝子検査:専門家が家庭用検査キットに警鐘」との見出しで以下のように報道している。
サウザンプトン大学のチームがブリティッシュ・メディカル・ジャーナルに寄稿した調査論文によると、家庭で行う遺伝子検査の結果は信頼できるものではなく、結果により治療を決めてはいけないと遺伝子学者は警鐘をならしている。検査が誤った認識や間違った不安につながるという。
この調査は、NHSによる遺伝的審査や親族の病歴や健康上のリスク要因の検査でなく、いわゆる消費者直販の遺伝子検査に関してである。...
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10月16日付英国
『BBC』は「遺伝子検査:専門家が家庭用検査キットに警鐘」との見出しで以下のように報道している。
サウザンプトン大学のチームがブリティッシュ・メディカル・ジャーナルに寄稿した調査論文によると、家庭で行う遺伝子検査の結果は信頼できるものではなく、結果により治療を決めてはいけないと遺伝子学者は警鐘をならしている。検査が誤った認識や間違った不安につながるという。
この調査は、NHSによる遺伝的審査や親族の病歴や健康上のリスク要因の検査でなく、いわゆる消費者直販の遺伝子検査に関してである。
調査を行ったイギリス遺伝子医学会長のAnneke Lucassen教授は、ネットや店頭で販売される遺伝子検査で健康状態を判断し、治療や精密検査の判断材料にしてはいけないと述べる。ガンのリスクに繋がる欠陥遺伝子を持っているという誤った検査結果が出て、受診した患者を診てきたのだという。多くの場合 詳細よりも広範囲を重視した結果を出すようになっている。
一方、検査キットを販売する「23andMe」は、検査により多くの場合、患者の精密検査や予防治療に効果が挙がっているとする。検査プロセスは、非常に正確だと主張。
乳がんや卵巣がんのリスクの確率は数千ケースある。ある特定の遺伝的変異体を調べる場合、非常に高い確率で言い当てるという。これは医療機関との連携をサポートするもの。結果を持って医者に行き、確認検査を処方され、予防的治療に繋がった多くの実例があるという。
しかし専門家は、患者の好奇心だけで進めるべきでないという。多くの医者のもとへ、市販の検査結果を持って患者が受診し、「この検査結果をどういう意味にとればよいか」と質問するのだという。販売会社の中には、自分たちで必要なアドバイスやフィードバックをせずに、こうして医者に聞くようにアドバイスする所もある。医者に医者に時間を取らせ、NHSのリソースを使う。検査で利益を得ている企業の責任で行うべき。DNA情報を民間企業に渡すのも、個人や家族のプライバシー問題への懸念を高めるだろう。
10月17日付アイルランド『Irish News』(Independent)は「市販遺伝子検査に専門家が警鐘」との見出しで以下のように報道している。
市販の遺伝子検査は間違いである事があると専門家は警鐘を鳴らす。遺伝子検査では、自分の祖先(アイルランド系の血が入っているか)や病気にかかるリスク(ガンなど)、パーソナリティに関する情報、身体的能力、子どもの才能などが調べられるという。
ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルで専門家は、はっきりした結果を知りたいと検査キットを購入する人へ、データは複雑でケースバイケースだと指摘する。「偽陽性(誤検出)が発生する可能性があり、全く心配のない場合でも誤検出をする場合もあり、陽性の結果が出た人が、関連の病気を発症しないケースが殆どだ。遺伝子データは複雑で、容易に誤った解釈に繋がりやすい。」という。遺伝子検査キットを買う人は、はっきりした結果が出るのを見ることを期待している。この期待から市場やメディア報道が過熱し、使用者が検査結果を拡大解釈するリスクが生じているのだという。
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