ハワイは、新型コロナウィルス(COVID-19)感染問題発生前までは、日本人旅行者が米国本土に次ぐ2位で3位のカナダのほぼ倍数と、主要訪問先となっていた。しかし、折からのコロナ禍で9割以上減少し、ハワイの主要産業である観光収入が激減した。そこで、同州のデビッド・イゲ知事(65歳、2014年就任)が訪日し、コロナ禍の事態改善に則して、日本人観光客の再拡大を目指して日本側に直談判することになった。
5月7日付
『EINプレスワイア』掲載のイゲ知事事務所リリースの声明
ハワイ州のデビッド・イゲ知事は来週初め、日本を訪れてハワイへの観光再開を直接訴える意向である。
同知事は日本で、岸田文雄首相(64歳)の他、経済産業相、外相と面談する予定である。
同知事は、“日本はハワイの観光産業にとって重要な国であるが、コロナ禍によって日本含めた多くの国の旅行者の訪問が激減している”とし、“COVID-19対策が充実しているハワイへの観光客の来訪を再拡大したい”と述べた。
更に同知事は、“日本人旅行者が、ハワイの文化・環境や歴史に敬意を払ってくれていることを我々皆が認識していることもあって、日本人の渡航の復活を心待ちにしている”とも付言した。
また、同知事は、経済開発や再生可能エネルギーについて協議するため、同分野の代表らとの面談も予定している。
同知事は、“日本は、クリーンエネルギーを含めた国連主導の「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成を約しているが、ハワイ州は米国全州の中で最初に再生可能エネルギー100%達成目標を掲げており、その実現のために双方による共同研究、対話、情報交換等を実施していきたい”とも言及した。
同知事には、マイク・マッカートニー州ビジネス・経済開発・観光産業局長(2019年就任)、ジョン・デ・フリーズ州観光局代表(2020年就任)、ジョージ・カム州観光局取締役会議長(2021年就任)及びスコット・サイキ州下院議長(2017年就任)が同行する。
なお、知事一行は5月13日に帰国予定である。
5月5日付『ホノルル・スター・アドバタイザー』紙掲載のイゲ知事インタビュー記事
イゲ知事は5月4日、本紙のインタビューに答えて、次のように発言した。
同知事は、日本訪問に当たって、“ハワイは米国内ではCOVID-19感染率が最も低く、また州内でのマスク着用率も依然高いため、日本人観光客にとって安心して訪問できる観光地である”と強調した。
その上で同知事は、“ハワイから帰国する日本人観光客に対する水際対策に関し、米国の他の地域とは異なる緩和措置を講じるよう、日本政府に求めていきたい”と付言した。
なお、同知事は日本滞在中、岸田首相の他、関係閣僚や旅行業界関係者等と面談する予定としている。
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<ハイライト>(9月28日午後9時半現在の総感染者数順の報告>
●米国:(1)連邦控訴審、一部教師の訴えていた、ワクチン接種義務化無効の請求を棄却。
(2)ハワイ州、連邦政府の一部海外渡航者受け入れ条件緩和に則って、ワクチン接種の進んだ日本等、観光客受け入れ開始目前。
●アルゼンチン(亜爾然丁):新規感染者数減少に伴い、9月27日以降ブラジル及びチリの国境開放。
●キューバ(古巴):同国産ワクチンがベトナム及びベネズエラに輸出。また、イランで生産中の2種類目の国産ワクチンも、世界保健機関(WHO)の認可取得次第輸出意向。
●プエルトリコ(波多黎各):薬局経営者、無許可で米ファイザー製ワクチンを7~11歳の子供に投与したことで訴追。
●オーストラリア(豪州):ビクトリア州、これまで最多だったニューサウスウェールズ州を上回って一日当たり最多の感染者及び死者を記録。
●ニュージーランド(NZ):首都オークランド、都市封鎖措置で新規感染者漸減により、市外への出入り制限緩和。
<米国>(感染者4,351万8,975人、死者70万1,949人、致死率1.6%)
(1)連邦控訴審は9月27日、ニューヨーク州の一部教師が訴えていた、ワクチン接種義務化無効の請求について、一審の判決を支持して控訴を棄却。原告代理人は最高裁まで争う意向。
(2)ハワイ州では、連邦政府の一部海外渡航者受け入れ条件緩和に則って、ワクチン接種の進んだ日本等、観光客受け入れ開始目前。地元紙『ホノルル・スター・アドバタイザー』によれば、COVID-19感染問題以前に比べて観光収入が▼97%も落ち込んでいる同州にとって、観光業復活に淡い期待。
<アルゼンチン>(感染者525万1,940人、死者11万4,954人、致死率2.2%)
・新規感染者数及び病床占有率減少に伴い、9月27日以降チリ及びブラジルとの一部国境を試験的に4日間開放。近隣諸国での往来緩和政策に追随するもの。
・ワインの産地(チリ東端・同国西端沿い)、及び著名観光地イグアスの滝(同国北東端・ブラジル南西端沿い)は、COVID-19感染問題以前は毎日数千人が往来。
・但し、入国者にワクチン接種、もしくは陰性証明書提出、更に入国時の検査義務化。もし7日以上滞在する場合、再検査義務化。
<キューバ>(感染者86万799人、死者7,279人、致死率0.8%)
・同国産ワクチン“アブダラ”がベトナム及びベネズエラに輸出。ミゲル・ディアス=カネル大統領(61歳、2021年就任)が9月26日、同ワクチンは週末にベトナムに到着したとツイート。また、製造元のバイオテクノロジー・センターが、今週末にベネズエラ向けワクチン配送予定と発表。
・これに先立つ9月19日、ベトナムのグエン・スアン・フック国家主席(67歳、2021年就任)がキューバを訪問の上、少なくとも500万回分の同ワクチンの購入契約を締結。
・また、ベネズエラのデルシー・ロドリゲス副大統領(52歳、2018年就任)が今年6月、キューバ製ワクチン1,200万ドル(約13億2千万円)を購入することで合意済みと発表。
・更にキューバは、目下イランで生産中の2種類目の国産ワクチンも、世界保健機関(WHO、1948年設立)から認可を取得次第、他国向けに輸出していく意向。
<プエルトリコ自治連邦区>(感染者21万4,335人、死者3,133人、致死率1.5%)
・米連邦検事は9月27日、同連邦区在ファーマシア・ガブリエラ薬局のリズ・アン・バンチス代表が、無許可で米ファイザー製ワクチンを7~11歳の子供に投与するよう指示していた容疑で起訴したと発表。
・同薬局は、今年5月下旬から6月下旬の間に二十数名の子供に投薬。
・同代表は、最長5年の懲役及び最大25万ドル(約2,750万円)の罰金が科される可能性。
・ファイザー製ワクチンは、目下12歳以上へのワクチン投与は認められていて、同社は先週、接種量を少なくした上で5~11歳に投与した場合の安全性・有効性を確認中で、問題ない場合、早急に米当局に認可申請を行うと発表。
<オーストラリア>(感染者9万9,082人、死者1,245人、致死率1.3%)
・ビクトリア州は9月28日、新規感染者867人、死者4人と、これまでの最多記録を更新したと発表。これまで最多記録は9月25日の847人。
・この数値は、これまで同国最多だったニューサウスウェールズ州を上回るもので、同州の9月28日の記録はそれぞれ863人・7人。
・なお、シドニーは6月26日から、また、メルボルンは8月5日からそれぞれ都市封鎖措置継続中。
<ニュージーランド>(感染者4,204人、死者27人、致死率0.6%)
・首都オークランドでは、都市封鎖措置で新規感染者漸減により、9月27日から市外への出入り制限緩和。但し、引っ越しや介護のための出入りの人が対象で、移動1週間前までに検査が必須。
・同国のジャシンダ・アーダーン首相(41歳、2017年就任)は、目下継続中の新感染症対策が“奏功しつつある”とし、更に制限緩和を行う意向と表明。
・オークランドは、シドニーから戻った同国人の感染が確認されてすぐ、8月17日から都市封鎖措置を断行。なお、同市の9月28日の新規感染者は8人。
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