ベトナム漁業協会、南シナ海で漁妨害をする中国の海底油田探査船を追い出すようベトナム政府に要求【米・ベトナムメディア】(2019/07/31)
7月31日付Globali「
米国務長官、ASEAN地域安保フォーラム外相会議の主要議題は北朝鮮及び南シナ海問題と明言」の中で触れたとおり、ベトナムは先週、南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島周辺で中国公船による一方的な天然資源探査活動を非難している。ベトナムと中国間の睨み合いは3週間以上も続いており、8月2日からバンコク(タイ)で開催される、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域安保フォーラム外相会議において、正に米国が中国に対して、南シナ海における一方的な海洋進出を問題視する格好の話題となるものとみられる。
7月30日付米
『ロイター通信』:「ベトナム漁民、中国に対して具体的行動を取るよう政府に要求」
ベトナム漁業協会は7月29日、南シナ海において勝手に海底油田探査を続ける中国船を追い出すべく、もっと毅然とした対応を取るようベトナム政府に求める声明を発表した。
同協会は、ウェブサイトに掲載しただけでなく、ベトナム外務省にも当該声明を送付し、中国による漁妨害行為を直ちに止めさせるよう、具体的行動を要求している。...
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7月30日付米
『ロイター通信』:「ベトナム漁民、中国に対して具体的行動を取るよう政府に要求」
ベトナム漁業協会は7月29日、南シナ海において勝手に海底油田探査を続ける中国船を追い出すべく、もっと毅然とした対応を取るようベトナム政府に求める声明を発表した。
同協会は、ウェブサイトに掲載しただけでなく、ベトナム外務省にも当該声明を送付し、中国による漁妨害行為を直ちに止めさせるよう、具体的行動を要求している。
ベトナム側によれば、中国の地質調査船“海洋地質(ハイヤン・ジーチ)8号”及び警護に当たる中国海警武装船が7月初め以降、ベトナムの排他的経済水域(EEZ)及び大陸棚海域に侵入して、勝手に海底油田探査を続けているため、速やかに退去するよう求めている。
しかし、中国側は、“中国領有権を尊重せよ”として同船による探査を継続させている。
一方、7月20日には、米国務省も、中国によるベトナム領海内での一方的探査活動について懸念する旨表明している。
ただ、中国外交部(省に相当)はこれに対しても、根拠のない中傷だと非難した。
7月29日付ベトナム『ベトナム・ピクトリアル』紙:「ベトナム、従来より平和的方法で領海監視活動を徹底」
南シナ海南沙諸島内の最西端にあるトゥ・チン礁(英名バンガード礁)は、ベトナムのEEZ内にあることから、1982年制定の「海洋法に関する国連条約」(1982 UNCLOS、注後記)に基づき、ベトナムに属することは明らかである。
しかしながら、中国の地質探査船“海洋地質8号”は当該礁海域で勝手な探査活動を実施している。
そこで、ベトナム外務省は様々な外交ルートを通じて、ベトナムの主権を尊重して、可及的速やかに領海から立ち去るよう求めているが、一向に聞き入れようとしない。
ベトナム政府としては、これまで同様、平和的な方法で領海監視活動を継続する方針であるので、国際平和と地域安定を築き上げていくため、他国に対して改めて、1982 UNCLOSを含めた国際法に準拠しての責任ある活動を望む。
(注)1982 UNCLOS:海洋法に関する包括的・一般的な秩序の確立を目指して1982年4月30日に第3次国連海洋法会議にて採択され、同年12月10日に署名開放、1994年11月16日に発効した条約。通称は「国際海洋法条約」。国際海洋法において、最も普遍的・包括的な条約であり、基本条約であるため、別名「海の憲法」とも呼ばれる。
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ベトナム国家主席急逝に米国務省も早速哀悼の意を表明【米・フランス・ベトナムメディア】(2018/09/23)
ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席(61歳)が9月21日、病気のために死去した。国家主席はベトナム憲法上の元首で、同国共産党書記長(グエン・フー・チョン氏)に次ぐ権力序列2位である。米国務省も、現職の政治指導者の突然の死を悼み、哀悼の意を表明するプレス・リリースをしている。また、国連総会開催初日に、参加全193ヵ国代表によって黙祷が捧げられた。
9月22日付米
『米国務省プレス・リリース』:「ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席が急逝」
私たちは、ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席の急逝の報に接し、深く哀悼の意を捧げます。
同国家主席は、米国・ベトナム両国間の友好関係維持・強化に邁進され、かつ、インド太平洋地域における平和、相互協力、繁栄、安全保障促進に当り大いなる貢献をしてくださった。
私たちは、同国家主席の功績を称える一方、ご家族やベトナム同胞の方々とともに、深い悲しみに沈んでいます。...
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9月22日付米
『米国務省プレス・リリース』:「ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席が急逝」
私たちは、ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席の急逝の報に接し、深く哀悼の意を捧げます。
同国家主席は、米国・ベトナム両国間の友好関係維持・強化に邁進され、かつ、インド太平洋地域における平和、相互協力、繁栄、安全保障促進に当り大いなる貢献をしてくださった。
私たちは、同国家主席の功績を称える一方、ご家族やベトナム同胞の方々とともに、深い悲しみに沈んでいます。
9月21日付フランス『AFP通信』:「ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席逝去、享年61歳」
ベトナム国営メディアは9月21日、クアン国家主席が逝去した旨報道した。
グエン・クオック・チュウ保健相は同メディアに対して、同国家主席が1年程前から日本での治療を検討していたが、容体が急変して9月20日に緊急入院した後、逝去したと語った。
同相によると、同国家主席は“稀少なウィルス”に侵されていたという。
同国家主席は2016年4月から現職で、国家元首として主に国家的行事を司っていたが、それ以前の40年余り、公安相として強硬派の政治家と呼ばれていた。
しかし、病魔に侵されていたためか、先日インドネシアのジョコ・ウィドド大統領をハノイで出迎えた際は、痩せて顔色も悪く、また足元も覚束ない状態であった。
なお、ベトナムにおける政治の実権は共産党書記長(グエン・フー・チョン氏)に握られているため、現職の国家主席の逝去ではあるものの、同国の政治局面に大きく影響を与えることはないとみられる。
また、9月23日付ベトナム『ベトナム・ピクトリアル』紙:「国連総会で、急逝したチャン・ダイ・クアン国家主席を悼んで黙祷」
9月23日に開会した国連総会において、総会議長を務めるマリーア・フェルナンダ・エスピノーサ=ガルーサ国連大使(エクアドル)が同国家主席の逝去について、同総会参加193ヵ国代表に告げた。
そして、同議長の提案に従って、同国家主席の逝去を悼み、全参加者が1分間の黙祷を捧げた。
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