アフガニスタンの首都カブールの空港近くで起こった爆弾テロ。イスラム過激派組織「イスラム国(ISIS-K)」が犯行声明を出し、さらなる攻撃を予告している。ISIS-Kとはどのような組織なのか。
豪
『abc.net.au』と英
『スカイニュース』によると、「イスラム国ホラーサーン(ISIS-K)」は、かつてシリアとイラクの北部に広大な領域を保持していた、テロリスト集団「イスラム国」の分派である。この分派は、イラクとシリア以外の地域でのISISグループの勢力拡大の一環として2015年頃に初めて出現した組織で、主にホラーサーン地方と呼ばれる地域を拠点としている。ホラーサーン地方は、歴史的にはアフガニスタン、パキスタン、中央アジア、イランの一部にまたがっている。
7月に発表された国連安全保障理事会の報告書によると、ISIS-Kには数千人の戦闘員がいると推定されているが、外国軍の撤退による治安の悪化でこの数字が増える可能性もある。
オーストラリア政府によると、この組織は、暴力を奨励し異教徒を標的とする厳格なイスラム原理主義による統治を目指しているという。タリバンと敵対しており、タリバンのイスラム教解釈は柔らかすぎると考えている。
この対立は、ISIS-Kが、タリバンが外国軍と合意したカブール空港からの退避に応じる可能性が低いことを意味する。ISIS-Kは、昨年、母親と新生児を含む24人が死亡した産科病院での壊滅的な銃撃事件の犯行声明を出している。カブールでは、5月に学校の外で起きた一連の爆発事件で、女子学生を中心に少なくとも80人が死亡したほか、金曜日の礼拝中にモスクの外で爆発が起き、12人が死亡した。
米国の安全保障シンクタンクである戦略国際問題研究所(CSIS)によると、同グループは2015年から2017年の間に、アフガニスタンとパキスタンで100件の民間人への攻撃を行っている。車両や爆弾ベストを着た個人を使った自爆テロを行うことで知られているが、多くの場合、その後に銃を持った人物が発砲している。
ISIS-Kは、アフガニスタンからの外国軍撤退のきっかけとなったカタールのドーハでの話し合いを含め、タリバンが米国との交渉に積極的であることを批判している。カブール空港の攻撃に対する犯行声明では、「タリバン民兵は、長年にわたってアメリカ軍の利益のために働いていた何百人もの外国人従業員、翻訳者、スパイを退去させている」と非難している。
米『デイリー・ビースト』によると、世界のジハード主義運動では、半世紀にわたって内戦が繰り広げられており、複数の大陸、数十の国で行われているという。近年、ISIS-Kはその領土のほとんどを失っている。一部は、今は亡きアフガニスタン政府に、残りの領土はタリバンに奪われた。
しかし、テロリストグループが共通の敵と戦っている場合、攻撃対象や残虐性のレベルで互いに競い合おうとし、一方のグループが交渉して穏健な姿勢をアピールしようとすると、より弱い過激派は、注目を浴びるような攻撃を行い、テロリスト運動の主導権を奪おうとする動きが常に見られてきたという。ISIS-Kがより危険な存在であると認識されているため、パキスタンとロシアなどがタリバンと協調してISISに対抗してきたものの、今回タリバンがアフガニスタンをほぼ完全に支配していることから、ISIS-Kが行動を起こすのは必然だったと言える。
今回タリバンが、国の大部分を占領することに成功した。ISISにとっては、タリバンがまだ固めていない領土に進出し、自分たちのものにする機会でもある。彼らが成功するためには、アフガニスタンの地元住民を説得して自分たちの目的に参加させるか、タリバンやアルカイダのより過激な部隊からの離脱者を確保していく必要がある。彼らが自分の信頼性を証明するには、注目を集める攻撃を行うのが最も効果的であるため、誘拐や身代金要求などと並行して、今後テロ攻撃は増えていくと予想される。
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北朝鮮の国営メディアの報道によると、ノ・クァン・チョル将官は、トランプ大統領が握手に差し出した手を握らず敬礼をした。トランプ大統領はやや慌てて即座に敬礼のポーズをとり、その後二人は握手を交わした。金正恩委員長はその様子を笑顔で見ていた。
アメリカの大統領が軍の隊員に対して敬礼をすることは非常に珍しく、オバマ前大統領がかつてコーヒーカップを持った片手で米海軍に敬礼したことはある。しかし、米大統領が外国軍の隊員に対して敬礼することは珍しいと「NBCニュース」は指摘する。...
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北朝鮮の国営メディアの報道によると、ノ・クァン・チョル将官は、トランプ大統領が握手に差し出した手を握らず敬礼をした。トランプ大統領はやや慌てて即座に敬礼のポーズをとり、その後二人は握手を交わした。金正恩委員長はその様子を笑顔で見ていた。
アメリカの大統領が軍の隊員に対して敬礼をすることは非常に珍しく、オバマ前大統領がかつてコーヒーカップを持った片手で米海軍に敬礼したことはある。しかし、米大統領が外国軍の隊員に対して敬礼することは珍しいと「NBCニュース」は指摘する。
この出来事は、国民を強制労働収容所に送り込み、非核化への具体的な動きを示さない北朝鮮のような全体主義国家にとって、ずっと記憶されるものだろう。北朝鮮の国営メディアはこのビデオを繰返し放送した。
一部のソーシャルメディアは、北朝鮮が世界に正当性を主張する理由を与えたとしてトランプ大統領のジェスチャーを非難した。あり得る失敗だと理解を促すメディアもあった。
「誰かがあなたに向かって敬礼をしたら、本能的に返すだろう。大統領に悪意はなかった。北朝鮮にもてあそばれたのだ。北朝鮮のプロパガンダと不用意な大統領が表に出ただけである。」と「ザ・デイリー・ビースト」の保守的なコラムニスト、マット・ルイスは書いている。
ホワイトハウスのサンダース報道官は、事件を重要視せず「他政府の軍人に敬礼されればそれを返すことは、一般的な礼儀だ」と述べた。
オバマ前大統領が2009年にサウジアラビア国王にお辞儀をした際、トランプ氏は「素人だ」と当時批判したが、自身も昨年、サウジ国王に同様にお辞儀をしていた。
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