7日、マンション居住者のトッド・ブラッスナー氏(67歳)が病院で死亡したことが確認された。米国の建築基準法は州ごとに制定されるが、1983年の同ビル開業時には住宅部分へのスプリンクラー設置義務はなかった。
その後商業用高層ビルはスプリンクラーを遡及的に設置するよう法律は改定されたが、古い住宅用高層ビルの所有者は、建物の大規模修繕行われない限り、設置義務はなかった。
ニューヨークでは1998年にマンハッタンとブルックリンで致命的な火災が発生し、1999年に新たに住宅用高層ビルにスプリンクラー設置を必要とする法案が提出された。...
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7日、マンション居住者のトッド・ブラッスナー氏(67歳)が病院で死亡したことが確認された。米国の建築基準法は州ごとに制定されるが、1983年の同ビル開業時には住宅部分へのスプリンクラー設置義務はなかった。
その後商業用高層ビルはスプリンクラーを遡及的に設置するよう法律は改定されたが、古い住宅用高層ビルの所有者は、建物の大規模修繕行われない限り、設置義務はなかった。
ニューヨークでは1998年にマンハッタンとブルックリンで致命的な火災が発生し、1999年に新たに住宅用高層ビルにスプリンクラー設置を必要とする法案が提出された。火災安全を支持する者は、古い住宅にもスプリンクラー設置を義務付ける要件を盛り込むよう強く求めたが、当時のジュリアーニ市長下の役人は、高価過ぎるとの見解であった。
トランプ大統領は、当時、スプリンクラー備付けは不必要かつ高価として必要がないと訴えたうちの一人であった。1平方フィート(1フィート=約0.3メートル)あたり4ドルのコストがかかり、ビル全体に設置するには高価過ぎると主張した。
法案は結局、トランプタワーのような、既存のビルへのスプリンクラー設置適用を除外して施行された。72階建てのトランプワールドタワーのように、すでに建築許可を申請したビルも適用対象外とされた。しかしトランプ氏はスプリンクラー不要との見解を一転、結局300万ドルを費やし、国連本部近くのトランプワールドタワーについては、350戸すべてにスプリンクラーを設置することを決めた、とニューヨークタイムズ紙が報じている。
タイムズ誌によると、「人々はスプリンクラーがあればより安全だと感じる」と、トランプ氏は1999年に述べている。「しかし、法案の問題点は、スプリンクラーが最も必要な建物に対処していないという点だ。ニューヨークの火災による死亡を見ると、ほぼすべてが1世帯または2世帯用の家屋で発生している。」
ニューヨークの建物局(Department of Building)は、火災発生時トランプタワーに配線で接続された煙探知器が作動中であり、消防署は建物の暖房換気システムの検出器により火災を最初に知ったという。火災の原因はまだ明らかになっていない。
記録によれば、ブラスナー氏は1996年にマンションを購入、アンディ・ウォーホル氏と親交のあった美術品コレクターだった。彼はウォーホル氏の死後出版された日記で何度か言及されている。ウォーホル氏は少なくても1点の作品にサインをし、ブラスナー氏に捧げている。しかし、近年、ブラスナー氏は経済的な問題を抱え、破産手続を経験した。手続き文書によると、彼の家族は2014年末に美術品売買を手伝うのを辞め、数年後には「病気衰弱に悩まされていた」ため、「生きていくことが難しかった。」
ニューヨーク市消防局のダニエル・ニグロ長官は、消防隊員が到着したときにはマンションは「事実上全体が燃えていた」と話している。
死亡者の報道以前に、ワシントンDCにいたトランプ大統領はツイッターに次のように投稿した。「トランプタワーは消火した。被害は限定的だった(よく建てられた建物)。 消防士達が素晴らしい仕事をした。ありがとう。」しかし、ブラスナー氏の死についてはその後ツイートしていない。
火災発生時、大統領の家族は不在だった。家族は58階建の建物の最上階数階を住まいとしているが、大統領就任以来ここではほとんど時間を過ごしていない。大統領の不動産資産を管理するトランプ・オーガニゼーションの本部は26階にある。
トランプタワーでは、今年1月にも暖房システムのトラブルにより屋上付近で煙が立ち上り、3人が負傷する火災があった。
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