自民党、丸山議員の「黒人・奴隷」発言に対するメディアの反応(2016/02/19)
丸山議員が17日の参議院憲法審査会で「米国は黒人、奴隷が大統領になっている国」などと発言し、国内では物議を醸していた。この発言を海外メディアはどうみているのか。
2月18日付
『CNN』(米)は、まず、オバマ氏がアメリカ初のアフリカ系アメリカ人の大統領だが、ケニヤ出身の黒人の父と、カンザス州出身の白人の母の間に生まれ「奴隷の子孫ではない」と説明している。そのうえで、東京にあるテンプル大学准教授であるクリーブランド氏のコメントを掲載している。「黒人、奴隷といった言葉だけをとって差別的というのではなく、今回の発言には、日本の政治家特有の国粋主義が表れている」。クリーブランド氏は石原慎太郎氏を引き合いに出し、石原氏が在日中国人や韓国人を差別的用語で呼んだこと、また女性、同性愛者に対し差別的発言をしたり、南京大虐殺を「中国によるねつ造」などと発言したことに言及する。...
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2月18日付
『CNN』(米)は、まず、オバマ氏がアメリカ初のアフリカ系アメリカ人の大統領だが、ケニヤ出身の黒人の父と、カンザス州出身の白人の母の間に生まれ「奴隷の子孫ではない」と説明している。そのうえで、東京にあるテンプル大学准教授であるクリーブランド氏のコメントを掲載している。「黒人、奴隷といった言葉だけをとって差別的というのではなく、今回の発言には、日本の政治家特有の国粋主義が表れている」。クリーブランド氏は石原慎太郎氏を引き合いに出し、石原氏が在日中国人や韓国人を差別的用語で呼んだこと、また女性、同性愛者に対し差別的発言をしたり、南京大虐殺を「中国によるねつ造」などと発言したことに言及する。「このような政治家が50年近くも活動しており、これは人種問題、差別問題、民族多様性に関する日本の教育が十分でないことを表している」。
同記事は丸山氏が現在アメリカで、歯に衣着せぬ発言で注目を浴びているトランプ氏と丸山氏を比較し、「丸山氏は日本版トランプ氏なのか」とする。これについてクリーブランド氏は「丸山氏には、自身の発言により人々の注目を集めようとする意図はなく、トランプ氏とは異なる」とし、ただ単に人種問題に疎いだけだとする。
同日付
『ヤフーニュース』(米)は「AFP通信」の記事を引用し、「丸山氏は議会でアメリカ社会のダイナミックな動きを説明しようとしたものの、その不用意な発言が集中砲火を浴びている」と報じている。
また、同記事は甘利前経済再生担当大臣や宮崎前議員のスキャンダルにも触れ、今回の発言も安倍政権へのダメージとなる可能性を示唆している。
同日付
『ロシア・トゥデイ』(露)は「ジャパンタイムズ」の記事を引用し、「ブラック・トーキョー」(日本で生活するアメリカ系黒人やアフリカ系黒人むけのウェブサイト)でクリエイティブ・ディレクターを務めるロビンソン氏のコメントを載せている。「オバマ大統領はケニヤの学生とアイルランド系移民の間に生まれた息子であって、奴隷の子孫ではない。丸山氏がきちんと勉強していれば、このくらいのことは分かるはず」。
同記事は丸山氏の問題とされている発言の直前に日本がアメリカの一部に組み込まれるという、あくまでも仮定の話を出していたことに言及し、問題発言が飛び出した文脈について説明している。丸山氏は、もし日本がアメリカの51番目の州になるようなことがあれば、人口の比率からいえば日本が最多議席を獲得しうるし、日本人が大統領になることだってありうると発言している。
また、同記事は昨年2月に、安倍内閣の私的諮問機関である教育再生実行会議のメンバーだった曽野綾子氏の「日本では人種ごとに居住区を分けるべき」とする新聞でのコラムが世界からも非難を浴びた件についても触れている。
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両陛下フィリピン訪問での反応(2016/02/01)
先週5日間の日程で、天皇皇后両陛下がフィリピンを親善訪問された。第二次世界大戦中フィリピンでは日米の激戦が繰り広げられ、多くの日本兵、フィリピン兵、市民が犠牲となり負傷者も多く出た。両陛下はアキノ大統領による歓迎晩さん会に出席、日本兵戦没者の墓を訪問し慰霊した。両国親善60年の祝いと友好関係の影で、中国による領海問題へのけん制との見方や慰安婦の抗議集会の様子が海外ニュースでは取り上げられている。
1月29日付比
『PhilStar』は、「明仁天皇、フィリピンで日本の戦没者を慰霊」との見出しで次のように報じた。
・マニラ近郊の丘にある第二次大戦での日本兵戦没者墓地で、両陛下は約170人の戦没者の遺族が見守る中喪服姿で献花し深々とお辞儀をし慰霊した。天皇は式典中は発言せずアキノ大統領主催の宴会場で、先の大戦による犠牲を「我々日本は決して忘れない」と述べたとされる。
・明仁天皇は戦争による損害への後悔を何度も口にしたが、直接的な謝罪の言葉はなかった。...
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1月29日付比
『PhilStar』は、「明仁天皇、フィリピンで日本の戦没者を慰霊」との見出しで次のように報じた。
・マニラ近郊の丘にある第二次大戦での日本兵戦没者墓地で、両陛下は約170人の戦没者の遺族が見守る中喪服姿で献花し深々とお辞儀をし慰霊した。天皇は式典中は発言せずアキノ大統領主催の宴会場で、先の大戦による犠牲を「我々日本は決して忘れない」と述べたとされる。
・明仁天皇は戦争による損害への後悔を何度も口にしたが、直接的な謝罪の言葉はなかった。
・これまでの海外訪問では非難されてきた天皇だが、重要な貿易相手国、開発支援国であり、南沙諸島問題で重要な同盟国であるがゆえにフィリピンでは敬意をもって歓迎された。
1月29日付タイ
『バンコクポスト』(AFP通信引用)は次のように報じた。
・82歳の両陛下は戦没者式典後遺族らと握手を交わした。
・天皇陛下はこれまで昭和天皇の名のもとに日本兵が死闘を繰り広げた南太平洋の激戦地各地を訪問してきた。
・1945年一か月に及ぶマニラ解放で空爆と砲撃により約10万の市民も犠牲となった。
中国の領海を巡る対立が高まる中、両国の経済的、防衛関係を強化するため初めてフィリピンを訪問。
・日本の戦時賠償を問題は、中国、韓国と対立の原因となっている。しかしフィリピンは寛容な姿勢を取っており、理由の一つに多額の援助金を受けている背景がある。
・アキノ大統領は明仁天皇を大歓迎、大統領府で宴会でもてなした。大統領の報道官は「両陛下のご訪問は両国の友好関係をより強化し国交60年を記念するもの」としている。
・しかし両陛下のご訪問にあたり元従軍慰安婦の謝罪と賠償を求める抗議集会が開かれた。
同日付日本
『ジャパンタイムズ』(共同通信引用)は次のように報じた。
・8人の80代の慰安婦らは仲間の慰安婦への蝋燭をともし、両陛下が戦没者慰霊式に出席している間抗議集会を行った。「韓国の慰安婦らは政府の支援を受けており我々も支援を求める。日本政府からも謝罪してほしいと思う」と、昨年の日韓合意に言及して述べている。
同日付米系
『UPI』は「比の"慰安婦"が明仁天皇に答えを求める」との見出しで次のように報じた。
・マニラの日本大使館の前で元慰安婦らが抗議を行った。8人の慰安婦は第二次大戦中多数の日本兵に強姦されたと述べており天皇に救済を求めている。ある慰安婦は、「既に高齢だが体が弱く多くの慰安婦は既に他界した。日本政府による公式な謝罪と賠償を求めている。」としている。
・元慰安婦らはまたアキノ大統領にも正義の戦いのため見捨てないでほしいと語っている。フィリピン政府は二国間の国交が回復した1956年に日本が5億5千万ドルを支払ったため金銭と物理的賠償は済んでいるとしている。
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