スウェーデンメディアが報じる「アサンジ」周辺(2015/03/17)
スウェーデン検察が、ウィキリークス創始者のアサンジ氏の尋問を、ロンドンで行う事を発表した。突然の方向転換の背後について、スウェーデンメディアが報じる。
『ザ・ローカル紙』によると、「アサンジ氏はスウェーデン検察がロンドンに来て取り調べを行うか、テレビ電話による尋問を以前から求めていた」が、「英国外務省がこの可能性を歓迎して、スムーズな取り調べへの計らいを申し出た」にも関わらず、「ストックホルム検察は今まで通常の法的慣行ではないと主張し続けた」。この突然のスウェーデン検察の方向転換には、「アサンジ氏に対する容疑の多くの罪状が2015年8月に“出訴期限”を迎え、法的手続きが開始される」事を考慮したスウェーデン最高裁判所の決定がある。...
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『ザ・ローカル紙』によると、「アサンジ氏はスウェーデン検察がロンドンに来て取り調べを行うか、テレビ電話による尋問を以前から求めていた」が、「英国外務省がこの可能性を歓迎して、スムーズな取り調べへの計らいを申し出た」にも関わらず、「ストックホルム検察は今まで通常の法的慣行ではないと主張し続けた」。この突然のスウェーデン検察の方向転換には、「アサンジ氏に対する容疑の多くの罪状が2015年8月に“出訴期限”を迎え、法的手続きが開始される」事を考慮したスウェーデン最高裁判所の決定がある。「スウェーデン検察の発表の数日前に、スウェーデン最高裁は、アサンジ氏がスウェーデン送還に抵抗し続けるために、アサンジ氏の欧州国内での逮捕状取り下げの訴えを、審理する事に合意した」とザ・ローカル紙は報じている。
「アサンジ氏の弁護人のサミュエルソン弁護士が、この決定が今回の起訴におけるアサンジ側の勝利との見方を示した」と伝え、「理論上は最高裁決定による勝利で、アサンジ氏は逮捕の心配なくエクアドル大使館を出る事が可能になり、エクアドルへの安全な道程を認められたのも同然」とアサンジ側の一定の勝利と評するも、「実際は、英国警察はエクアドル大使館に政治亡命を求めた当時の保釈条件違反で、アサンジ氏を拘留可能」な点を指摘し、アサンジ氏の今後は以前不明と言える。
ウィキリークスも「米国の起訴が続いており、例えスウェーデン移送請求が取り下げられても、英国はアサンジ氏をいずれにせよ逮捕する」とツイッター上で述べた。
『スウェーデンラジオ』は「エクアドル大使館では、取り調べの質の低下を招く」が、「今最も重要なのは時間だが、ロンドンでの取り調べ以外に取るべき措置がないため、捜査上の欠陥を受入れる必要があると考えた」と、スウェーデン検察幹部ナイ氏の見解を引用し、苦渋の決断だった事を示すが、「将来裁判が行われれば、アサンジ氏はいずれにせよスウェーデンに滞在する必要がある」、「DNA採取をナイ検察長官が要求した」と報じるように、妥協点となったと見られる。しかしサミュエルソン弁護士によると、2010年に既に採取サンプルを提出している。
ローカル紙は、「アサンジ氏の見張りと警備費用が累積で1億2千5百万クローナ(1500万ドル)で、英国納税者となっている事は英国にとってフラストレーション」とクレッグ英副首相の言葉を報じ、費用問題の現実を示唆する。
ローカル紙は「アサンジ法律チームの陳情では、アサンジ氏は2年間大使館から一歩も外に出られず、窓によりかかる事すらできなかった事を挙げ、亡命を求めて以来アサンジ氏の自由が不当に制限された点に焦点が当てられた」と、人権大国スウェーデンの司法に対する論点を明かした。
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スウェーデンメディアが見るロシア軍事行動(2014/12/16)
バルト海近隣諸国で繰り返されるロシアの軍事行動が、スウェーデン近くでまた繰り返された。スウェーデンメディアは、「航空機ニアミス」について次の通り報じる。
『ザ・ローカル紙』は「先週金曜日スウェーデン付近でロシア軍用機が民間機とニアミスだった」と報じる。
『ラジオスウェーデン』によると「スウェーデンとデンマーク両政府はロシアの偵察機が、国際空域でスカンジナビア航空機に接近飛行した事を発表した」。ザ・ローカル紙は「ロシア防衛省は軍用機がスウェーデン南部地域にいた事を否定しなかったが、旅客機の航路から70キロ以上離れた安全な距離を取っていたと述べた」とロシアの反応を伝えるが、「当事者のパイロット達はもっと近かったと示唆した」と報じる。...
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『ザ・ローカル紙』は「先週金曜日スウェーデン付近でロシア軍用機が民間機とニアミスだった」と報じる。
『ラジオスウェーデン』によると「スウェーデンとデンマーク両政府はロシアの偵察機が、国際空域でスカンジナビア航空機に接近飛行した事を発表した」。ザ・ローカル紙は「ロシア防衛省は軍用機がスウェーデン南部地域にいた事を否定しなかったが、旅客機の航路から70キロ以上離れた安全な距離を取っていたと述べた」とロシアの反応を伝えるが、「当事者のパイロット達はもっと近かったと示唆した」と報じる。
ラジオスウェーデンは「スウェーデンとデンマークの外務大臣は共に、ロシア軍用機と民間航空機のニアミスを受けて、ストックホルムとコペンハーゲンの各ロシア大使を訪問」したと報じ、
『TT通信』は「スウェーデンはこの件を深刻に受け止め、明確な抗議を行った」とバルストロム外相の言葉を伝え、ザ・ローカル紙は「民間人の命を危険にさらすロシアのパイロットは不当」と、デンマークのリデゴー外務大臣の言葉を掲載する。
ザ・ローカル紙は「ロシア機は、自動送受信機(民間機をレーダーで認識させるための電子装置)なしで飛行し、“ニアミス”時にロシア機の姿が現れていなかった」事に触れ、「フルクビスト国防大臣が、危険極まりない行為と非難した」と報じる。
『ダーゲンスニュヒテル紙』は「この種の事故は今年2度目で、2月に134名の乗客を乗せたスカンジナビア航空機にロシア機が90メートルまで接近した」とパイロットの証言を報じる。
ザ・ローカル紙は「定期的な近隣諸国の領空侵犯と空域接近など、強まるロシアの軍事行動の予兆に、バルト海域で懸念が高まる」と評し、「ロシアは繰り返し関与を否定するが、大手を振って分離独立地域に政治的支援を行う」との見方を示す。また「世界的な防衛支出減少にも関わらず(*1)、ロシアの武器製造会社の売上げは、ロシア政府の軍用品調達への投資で拡大し、特に2013年(20%増加)の増加が目立つ」と、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)のシニア研究員ウェゼマン氏の指摘を引用する。
ザ・ローカル紙は「ロシアのクリミア併合と東ウクライナ紛争への関与によって、プーチン大統領の空軍の軍事行為によって、バルト海諸国の気力が試される事になった」と報じる。
*1)SIPRIの報告書によると、信頼できるデータが無いため中国軍需企業の販売は含まれていない。
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