米大統領候補第1回テレビ討論会(2016/09/28)
米民主党ヒラリー・クリントン前国務長官と共和党ドナルド・トランプ氏の初の直接対決となる第1回テレビ討論会が行われた。視聴者数は過去最多の8400万人となった。討論会では候補者の表情や態度も視調査が判断の材料とするため、周到に準備をして臨むとされる。今回、トランプ氏は抑えめの表現で、暴言には至らなかった。クリントン陣営はトランプ氏の暴言に対する反論を周到に準備したとされる。クリントン氏のスタミナのなさへの言及にも余裕のある受け答えを態度で示した。ただ、次回来月の討論会では、もともとの作戦の一部にもあったのか、今回抑えた暴言がさく裂するとの見方もある。トランプ氏が雇用を奪っていると批判する中国では同氏が勝つだろうとの見方も大きいという。今回の討論会の途中分析結果では、クリントン氏が優勢であるとの報道が多いが、暴言の封印も策略の一つという見方もあり、次回の両者の攻防に注目が集まる。
9月27日付
『ロイター通信』は次のように報道している。
・民主党クリントン候補との討論会で守りに回った共和党大統領候補トランプ氏は、討論終了後クリントン氏は90分間現状維持を語り「過去にこだわる」人で、自身が雇用、安全、繁栄をもたらす変革者だとした。
・トランプ氏の支持者からは、クリントン氏の雇用創出公約が失敗したことをもっと追及すべきだったと落胆する声が聞かれた。
同日付英国
『タイム』は「ドナルドトランプは中国に多数言及、中国の反応」との見出しで以下のように報道している。...
全部読む
9月27日付
『ロイター通信』は次のように報道している。
・民主党クリントン候補との討論会で守りに回った共和党大統領候補トランプ氏は、討論終了後クリントン氏は90分間現状維持を語り「過去にこだわる」人で、自身が雇用、安全、繁栄をもたらす変革者だとした。
・トランプ氏の支持者からは、クリントン氏の雇用創出公約が失敗したことをもっと追及すべきだったと落胆する声が聞かれた。
同日付英国
『タイム』は「ドナルドトランプは中国に多数言及、中国の反応」との見出しで以下のように報道している。
・中国の国民は米大統領選に投票しない(しかも中国国内でも代表選出権はない)が、 討論会に関して、中国では、共和党候補がより話題の中心にのぼった。
・トランプ氏は、中国の国家がらみのサイバー攻撃により貨幣価値が減り米国の雇用を奪っていると非難。中国は核実験を行った北朝鮮の抑制に力を注ぐべきとした。綺麗な新空港を建設したインフラと比較し米国は第三国になってしまったと述べた。一方のクリントン氏は国務長官時代に中国への輸出は50%増加したと反論。
・中国では両候補に関する世論調査はないが、国営メディア「グローバルタイムズ」は、「多くの中国人がトランプ氏をより好んでいる」とする。今年5月の同誌関連サイト調べの調査によると、8千人の回答者のうち83%がトランプ候補が勝つと思う」と回答。だが、トランプ支持者は、ビジネスマンで米政治への新風を期待する、同氏の愛国主義により米政治の腐敗が見えたという。トランプ氏はこれまでにも何度も「雇用を奪っている」とし、中国との経済関係を攻撃の矛先に上げた。中国でも孤立主義と大衆迎合主義は大変危険であると危惧する。
・クリントン氏は中国と密接な外交歴があり、1995年国連会議で演説し、中国の家族政策を非難している。アジア重視のオバマ政策を推進。クリントン氏は人権その他で常に中国に対し強硬姿勢、中国政府は警戒。
同日付英
『BBC』は「トランプ対クリントンの大統領選討論会で記録更新」との見出しで次の様に報道している。
・1980年のジミーカーター対ロナルドレーガンの討論会では8060万人がTV視聴。討論会を生中継した「チャンネル13」由来の統計のため実際の視聴者数は拡大するものとみられる。オンラインでストリーミングを見た人やバー等で視聴した人もいるとみられる。
・トランプ氏はインタビューで、多くの視聴者がいると予測したが、深呼吸して家族に話すように心がけたと述べた。クリントン氏は、「彼の振る舞い、気質、態度を見た視聴者が結論をだすだろう」とし、今回の討論会で両者の重要な相違点に焦点が当たったと述べた。
閉じる
世界が見るAIIBをめぐる攻防(2)(2015/03/27)
韓国が中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)への参加を決めた。韓国に対し参加への働きかけを強めていた中国に対して、これに参加させないよう米国が働きかけてきたが、結果的に韓国は経済的実利をとった格好だ。この他、トルコも参加を表明するなど、各国が続々とAIIBに参加表明を行っている。オーストラリアは参加を検討中だが、「フェアファックス」(オーストラリア)によると、すでにオーストラリア政府はAIIB参加に関する覚書への署名を承認したという。ADB(アジア開発銀行)を主導する日米は、AIIBへの参加に慎重な姿勢を崩していないが、今のところ中国の攻勢に防戦一方であるかのような印象だ。各国は、AIIBをめぐる攻防について以下のように報じた。
3月26日付
『ロイター通信』(英国)は、「オーストラリアとしてはAIIBに参加を決める前に、中国がどのくらい影響力を行使するのかということを見極めたい」、とのトニーアボット首相の発言を紹介した上で、「中国外務省の華春瑩報道官が、新たな加盟国の声が組織に反映されるように、AIIBにおける各国の出資比率を抑えることを明らかにした」と報じた。
3月26日付
『台視新聞』(台湾)は、「AIIBは中国が、アジアのインフラプロジェクトに資金を提供するための新しい開発銀行であるが、何十年もの間、アジアに資金援助し、アジア開発銀行を主導してきた日本に対して大きな課題を突きつけており、脅威となっている」と報じた。...
全部読む
3月26日付
『ロイター通信』(英国)は、「オーストラリアとしてはAIIBに参加を決める前に、中国がどのくらい影響力を行使するのかということを見極めたい」、とのトニーアボット首相の発言を紹介した上で、「中国外務省の華春瑩報道官が、新たな加盟国の声が組織に反映されるように、AIIBにおける各国の出資比率を抑えることを明らかにした」と報じた。
3月26日付
『台視新聞』(台湾)は、「AIIBは中国が、アジアのインフラプロジェクトに資金を提供するための新しい開発銀行であるが、何十年もの間、アジアに資金援助し、アジア開発銀行を主導してきた日本に対して大きな課題を突きつけており、脅威となっている」と報じた。また「中国当局は、AIIBとADBの業務が重なることははないとしているが、ADBのカーティス・チン理事は”(AIIBはADBの)非常に大きな競争相手になるだろう”としているが、日本の麻生財務大臣は、”2つの開発銀行の間でゼロサムゲームになることはない”としている」とAIIBに対する対照的な反応を伝えた。
3月26日付
『グローバルタイムズ』(中国)は、「AIIBは、オープンな多国間開発機関であり、興味を持つすべての国を歓迎している。 何よりも欧州主要先進国が参加していることが、AIIBが中国の影響力拡大のためのツールではないことを示している」と伝えた上で、「開発の機会を増やすAIIBに日本が加盟しないことは合理的な選択とは言えない。 AIIBに米国と日本が異議を唱えていることは、国際協力における米日のリーダーシップを損ねるものだ」と報じた。
閉じる
その他の最新記事