フランス通信大手、アフリカで最も手ごろな4Gスマホを販売開始(2020/10/06)
フランス大手通信会社オランジュは、アフリカで、米Googleと共同開発した4Gスマートフォン「Sanza Touch」の販売を開始した。約30ドルで販売されるこのスマートフォンは、アフリカ市場で最も手ごろな格安スマホの一つになる。
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『レゼコー』によると、フランスの通信会社オランジュは、アフリカ大陸での格安スマホの中国独占に対抗するために、10月から格安の4Gスマートフォンを販売し始めた。
同社は、1年前からアフリカ市場で2Gおよび3G携帯を販売していたが、新しい4G「Sanza Touch」は、Googleと共同開発したもので、30ドル(約3169円)で、通話、テキストメッセージ、インターネットを利用することが出来る。...
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『レゼコー』によると、フランスの通信会社オランジュは、アフリカ大陸での格安スマホの中国独占に対抗するために、10月から格安の4Gスマートフォンを販売し始めた。
同社は、1年前からアフリカ市場で2Gおよび3G携帯を販売していたが、新しい4G「Sanza Touch」は、Googleと共同開発したもので、30ドル(約3169円)で、通話、テキストメッセージ、インターネットを利用することが出来る。オランジュ社は、アフリカ市場で「最も手頃な価格」のスマートフォンだと説明している。
「Sanza Touch」は当初、ギニアビサウ、コートジボワール、マダガスカルで販売されるが、その後、他の国にも販売が拡大される予定だ。
オランジュ社はアフリカと中東の18カ国に拠点を設けており、合計1億2,400万人の顧客を持っており、この地域がグループの成長の柱となっている。第 1 四半期には、同地域の売上高は 3.8%増(フランス国内は 1.6%増)となり、金利・税金・償却前利益の成長も 7.2%増と爆発的に伸びている。
しかし、アフリカでのオランジュの将来は、4Gが展開される中で、アフリカの顧客の手にスマートフォンを置くことができるかどうかにかかってくる。モバイル業界のロビー団体であるGSMAによると、2017年にはサハラ以南のアフリカは27%が4Gで カバーされていたが、現在は34%に上がっている。
しかしデータの価格は下がっている一方で、スマホの価格が高騰しているという。GSMAによると、2018年もエントリーレベルのスマホが平均収入の68%以上を占め、昨年の58%から上昇しているという。その結果、アフリカではスマホの所有率はわずか45%にとどまっている。
アフリカニュース専門サイト『アンフォ アフリ-ク』も、アフリカではいまだにエントリーレベルのスマホの平均価格が平均月収の6割を超えているため、大多数の人にとって手の届かないものとなっていると報じている。
オランジュ社の中近東・アフリカ地域責任者であるAlioune Ndiaye氏は『アンフォ アフリーク』のインタビューで、アフリカ大陸でのネット接続を加速させるために、インターネット利用の障壁となっていた「価格」を下げ、初心者にとって使い勝手の良いタッチケータイである4G「Sanza Touch」の販売を始めたと説明している。
Googleアンドロイドのアフリカ担当であるMariam Abdullahi氏も、「私たちは、学習の機会、経済的な機会、デジタルアクセシビリティの観点から、この新しいスマートフォンが提供する無限の可能性に興奮している。このユニークで非常に手頃な価格のアンドロイド(Go版)デバイスの目標は、公平に、すべての人にコンピュータサイエンスの力をもたらすことだ」と述べている。
現在、世界の人口の90%がモバイル・ブロードバンドでカバーされているが、カバーされている地域に住む33億人の人々は、価格、識字率の低さ、デジタル・スキルの低さのために、未だに接続されていない状況にあるという。
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アフリカ、新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大は見られず(2020/05/13)
医療体制の脆弱なアフリカで、新型コロナウイルスの大流行を懸念する専門家が多い。しかし、2月14日に最初の患者が報告されて以降、欧米諸国が経験しているような大きな波は来ておらず、懸念とは反対にアフリカの多くの国で重傷者や死亡者の増加も抑えられている。その理由は何か。
2月14日にエジプトで中国人が最初の新型コロナウイルス感染症例となって以来、ウイルスはアフリカ大陸のほぼ全域に広がった。
しかし『アフリカニュース』によると、5月12日時点で、約12億人が住むアフリカ大陸で新型コロナウイルスの陽性者数は 66,319人、死亡者数が 2,344人、回復者数は23,143人、感染者のいない国が1国(レソト)となっている。
最初の感染症例が発生してから、2か月以上が経った今も、欧米諸国で起こっているような最悪の事態が起こっていない。...
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2月14日にエジプトで中国人が最初の新型コロナウイルス感染症例となって以来、ウイルスはアフリカ大陸のほぼ全域に広がった。
しかし『アフリカニュース』によると、5月12日時点で、約12億人が住むアフリカ大陸で新型コロナウイルスの陽性者数は 66,319人、死亡者数が 2,344人、回復者数は23,143人、感染者のいない国が1国(レソト)となっている。
最初の感染症例が発生してから、2か月以上が経った今も、欧米諸国で起こっているような最悪の事態が起こっていない。
『フランスアンフォ』は、数字上でもこのことが確認できると報じている。世界人口の17%が集まるアフリカ大陸は、全世界の感染者のわずか1.4%の感染者しかかかえておらず、死者数も0.7%しか占めていない。 これまでに約2,340人が亡くなっているアフリカは、パンデミックを免れていると言える。
感染症の専門家であるタノン教授は、国境の閉鎖と公共の場所の消毒のおかげだと説明している。専門家たちは、アフリカ諸国はヨーロッパよりも1カ月早くウイルスの感染拡大防止対策を実行した点を挙げている。
『フュチュラ・サイエンス』によると、アフリカ疾病予防センター所長のジョン・ンケンガソン氏は、検査数の少なさやデータ不足を考慮すると感染者数は間違いなく大幅に過小評価されているとAFPに対し認めている。しかし、多くの感染者が見逃されていることは考えにくいとも説明している。そうであれば「病院は患者で溢れてかえっているはずだが、それが起こっていない」と言う。
感染の拡大が抑えられていることにいくつかの要因が考えられる。
まず、ウイルスはヨーロッパの数週間後にアフリカに広がったため、アフリカ大陸では前もって予防策を講じることができた。ルワンダでは感染者が出る前から衛生面での対策が取られ、南アフリカ、チュニジア、モロッコ、アルジェリアでは、感染が拡大する前に都市封鎖や外出禁止令が課された。
1平方キロメートルあたりの人口が43人のアフリカは、西ヨーロッパの181人、東南アジアの154人と比較すると、人口密度の低い大陸だということも分かる。また多くの地域で、人々は依然としてほぼ自給自足の孤立した生活を送っている。そのため、感染の拡がりは自ずと制限される。人口密度の高い都市もあるが、そうした都市は早々に都市封鎖の措置が取られたため、人同士の濃厚接触を制限することが出来た。
更に、アフリカはまだ観光客が少なく、世界で最も利用者の多い50の空港のうち、アフリカ大陸からはヨハネスブルグの空港1つしかランクインしていない。アフリカには海外在住の留学生もまだ限られており、中国やインドのように感染が拡がっている海外の国から帰国する学生の帰国に対応する必要性に直面していない。
何よりもアフリカの人口の約60%が25歳未満という、若い大陸であることが挙げられる。コロナウイルスは特に高齢者が重症化しやすいことが分かっているが、あるアフリカの作家は新聞のコラムに、アフリカにはウイルスによって殺される高齢者がそもそも生存していない、と皮肉を込めてコメントしている。
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