フランスを代表する観光地域である、首都パリを含むイル・ド・フランス地域圏は、新型コロナウイルスの影響により深刻な影響を受けている。イル・ド・フランス地域圏観光委員会の暫定報告によると、昨年のパリとその周辺地域への訪問者数は1,750万人となり、2019年と比較して65.4%減少した。これは90年代以前の水準にあたる。
フランスの首都パリに関するニュースサイト
『アクテュ・パリ』によると、新型コロナウイルスによる、パリをはじめとするイル・ド・フランス地域圏では観光客が激減した。2020年だけで、この地域の観光収入は155億ユーロ(約2兆円)も減少した。イル・ド・フランス地域観光委員会の最新の報告によると、昨年の観光客数はフランス人観光客1,260万人を含む1,750万人にとどまり、前年比で3,300万人も減少した。...
全部読む
フランスの首都パリに関するニュースサイト
『アクテュ・パリ』によると、新型コロナウイルスによる、パリをはじめとするイル・ド・フランス地域圏では観光客が激減した。2020年だけで、この地域の観光収入は155億ユーロ(約2兆円)も減少した。イル・ド・フランス地域観光委員会の最新の報告によると、昨年の観光客数はフランス人観光客1,260万人を含む1,750万人にとどまり、前年比で3,300万人も減少した。
フランスでは、昨年の3月中旬から5月中旬まで続いた第1回目のロックダウンが終わってから第2回目のロックダウンが始まる10月31日までの期間、観光客の動きが回復していた。この間イル・ド・フランス地域圏の観光は、国内またはヨーロッパからの観光客に支えられた。しかし、ロックダウンによる観光収入への被害は大きく、穴埋めするには不十分だった。
このような状況の中で、特に宿泊施設が、ビジネスや海外からの宿泊客がいなくなったことで、大きな代償を払うことになった。首都パリのホテルでは、最高級ホテルを含めて、通常の年であればこうした客層が、収益の70%を占めているという。しかし、昨年は多くのホテルが、3月中旬から5月末まで、そして10月末からロックダウン措置による営業停止を余儀なくされた。 最終的に、宿泊日数は68%減少し、季節限定の賃貸は55%減少した。
なお、今も閉鎖を余儀なくされている美術館や博物館も、ロックダウンによって大きな打撃を受けている。 たとえば、ルーブル美術館の入場者数は72%減少しており、ベルサイユ宮殿では76%減少している。
経済ニュースサイト『ブルソラマ』によると、パリ観光・会議局会長のジャン・フランソワ・リアル氏は、「企業活動については、もう少し時間がかかるだろうが、2022年、パリの観光客数は2019年の時の数字に戻ると思う」と述べている。同氏は、パリ地域は2020年に外国人観光客の歴史的な減少のため、155億ユーロの収入減を記録したものの、「観光客数の回復についてはあまり心配していない。かなり早い段階で2019年と同等の水準に戻るだろう。2025年から2027年頃までは回復しないというような終末論的な予測はまったく信じていない。」と主張した。
フランスの旅行会社ボヤージュ・ドゥ・モンドの社長でもあるリアル氏は、新型コロナウイルスが収束し始めた6月と12月に、旅行客がものすごい勢いで回復し、アメリカでも国内の観光がすでに2019年のレベルに戻り始めていることを根拠としている。
また、「病気にかかったことがあるかどうか、抗体を持っているかどうか、ワクチン接種を受けているかどうか、PCR検査を受けているかどうかなど、すべての健康データをまとめた」コロナパスポートの導入を訴えた。
そして、「パリ観光局の課題は、観光客を呼び戻すことではない。観光客は自ら戻ってくる。問題はむしろ、2019年の時の観光客数を超えても、住民や環境に悪影響を及ぼすことなく旅行者を迎えることかできるかどうかだ」と述べた。
閉じる