中国外相・弾道ミサイル発射・北朝鮮を批判・米国念頭に単独制裁強化など反対(12月4日)
中国の王毅外相はモンゴルの外相と会談した後共同で記者会見を行った。
北朝鮮が弾道ミサイルを再び発射したことについて「朝鮮半島情勢は再び緊張に向かっており、中国が呼びかけてきたチャンスをつかめず遺憾だ」と述べ、「軍事的圧力を高めず対話を再開すべきという中国の主張は受け入れられなかった」と遺憾の意を示した。
その上で「北朝鮮が安保理決議を無視し核ミサイル開発を推進することに断固反対する。」と述べ、「安保理決議以外の措置は国際法の根拠を欠き正当性を損なうもので決議の実施にも悪影響を及ぼす」と強調し米国を念頭に単独での制裁強化や軍事力行使に反対した。
中国はなぜ全面的な禁輸措置を行わないのか(12月2日)
(米国は中国に圧力をかけさせて北朝鮮を追い詰めていく路線を転換するか)
北朝鮮が新大陸間弾道ミサイル・火星15号の実験に成功したと北朝鮮当局が発表した。ティラーソン国務長官は「我々は中国の隣国であり唯一の主要貿易国であることも考慮に入れた上で、中国に石油供給をより一層抑えることをお願いしている」と述べるなど、中国が北朝鮮に対して多くの圧力をかけ外交的努力を行っているとみていた。一方で、トランプ大統領は中国の外交努力は何の成果も生まなかったとして中国政府の外交を批判した。...
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(米国は中国に圧力をかけさせて北朝鮮を追い詰めていく路線を転換するか)
北朝鮮が新大陸間弾道ミサイル・火星15号の実験に成功したと北朝鮮当局が発表した。ティラーソン国務長官は「我々は中国の隣国であり唯一の主要貿易国であることも考慮に入れた上で、中国に石油供給をより一層抑えることをお願いしている」と述べるなど、中国が北朝鮮に対して多くの圧力をかけ外交的努力を行っているとみていた。一方で、トランプ大統領は中国の外交努力は何の成果も生まなかったとして中国政府の外交を批判した。トランプ大統領と北朝鮮問題やイラン核問題で意見が合わず、トランプ大統領を馬鹿呼ばわりしたこともあるティラーソン国務長官だが、どうやらその職務には長くはとどまれないようだ。トランプ大統領は否定しているが、ホワイトハウスはティラーソン氏の代わりに対北朝鮮強硬派のCIA長官マイクポンペオ氏を検討しているという。この人事は米国が中国に圧力をかけさせて北朝鮮を追い詰めていく路線に見切りをつけ、経済的・軍事的圧力をさらに強めていく路線に転じていくことを象徴している。ただ、マティス国防長官は外交的努力で解決する道をまだ捨ててはいないといわれている。
(中国はなぜ全面的な禁輸措置を行わないのか)
中国は北朝鮮に特使を派遣したものの、北朝鮮に新たなミサイルを撃たれ、顔に泥を塗られた格好になっている。中国の高官は「北朝鮮と対立している」とまで公明党の山口代表に語ったという。こうした言葉を中国が北朝鮮に対して使うのは極めて異例なことで、習近平国家主席が北朝鮮について話すときは怒りで顔が紅潮するという。こうしたことからもわかるように中国は北朝鮮に対し確実にいら立っている。それにも関わらず、なぜ全面的な禁輸措置を行わないかという疑問に直面する。識者によれば、1度供給を止めればパイプラインが使えなくなるという技術的問題がある他に、「突然の政権崩壊による大量の難民流入と米軍指揮下で朝鮮半島が統一対する恐れ」が中国の動きを鈍くしているという。さらに禁輸措置をとった場合、北朝鮮の怒りの矛先が中国に対して向いてしまい、逆に中国の頭越しに米朝が接近する構図になることについても警戒しているという。こうしたことを理解しつつ今後、中国がどのような形で動くのかが注目される。(RECORD CHINAより)
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トランプ大統領・習近平主席と電話会談・「中国はあらゆる手段を」(11月30日)
米国・トランプ大統領は中国・習近平国家主席と電話で会談した。
北朝鮮が更なる挑発を思いとどまり、非核化の道に戻るよう説得するため、中国はあらゆる手段を駆使する必要があると伝えた。
そしてツイッターには“今日北朝鮮に対する強力な追加制裁を科す、この状況は解決できるだろう”と書き込んだ。
中国外務省によると習主席は“米国や関係各国と引き続き連絡を取り合い、対話や交渉により朝鮮半島の核問題を平和的に解決できるよう、共に推進していきたい”と強調したとのこと。...
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米国・トランプ大統領は中国・習近平国家主席と電話で会談した。
北朝鮮が更なる挑発を思いとどまり、非核化の道に戻るよう説得するため、中国はあらゆる手段を駆使する必要があると伝えた。
そしてツイッターには“今日北朝鮮に対する強力な追加制裁を科す、この状況は解決できるだろう”と書き込んだ。
中国外務省によると習主席は“米国や関係各国と引き続き連絡を取り合い、対話や交渉により朝鮮半島の核問題を平和的に解決できるよう、共に推進していきたい”と強調したとのこと。
日本時間の午前6時半ごろから、国連安全保障理事会で緊急会合が開かれる。
北朝鮮によるこれ以上の核、ミサイル開発に歯止めをかけるため、国際社会の結束が改めて問われることになる。
フランス・ドラットル国連大使は「キーワードは既存の制裁決議の完全履行とさらなる制裁強化」と述べた。
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トランプ大統領・「中国はあらゆる手段を駆使する必要がある」(11月30日)
昨日、約2か月半ぶりに北朝鮮が発射した弾道ミサイルであるが、政府は米国全土やヨーロッパも射程に入る新型ICBM大陸間弾道ミサイルとの見方を強めている。
米国・トランプ大統領は中国・習近平国家主席と電話で会談し、中国があらゆる手段を駆使する必要があると伝えた。
北朝鮮が「火星15型」と呼ぶ昨日の弾道ミサイル。韓国の情報機関・国家情報院は北朝鮮がICBMだと主張する「火星14型」を改良したものだとみている。...
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昨日、約2か月半ぶりに北朝鮮が発射した弾道ミサイルであるが、政府は米国全土やヨーロッパも射程に入る新型ICBM大陸間弾道ミサイルとの見方を強めている。
米国・トランプ大統領は中国・習近平国家主席と電話で会談し、中国があらゆる手段を駆使する必要があると伝えた。
北朝鮮が「火星15型」と呼ぶ昨日の弾道ミサイル。韓国の情報機関・国家情報院は北朝鮮がICBMだと主張する「火星14型」を改良したものだとみている。
火星14型はこれまでに2度発射している。防衛省によると7月4日は高度2500km超飛行時間40分、2度目の7月28日は3500km超は飛行時間は45分である。
そして昨日はこれまでで最大の4000キロを大きく超える高度に達し、飛行時間も約53分間と最長。日本政府も新型ICBMとの見方を強めている。
その射程距離は1万2000~1万3000キロとみられている。
ワシントンを含む米国全土、ヨーロッパも射程に入る。
北朝鮮は5月にロフテッド軌道で火星12型を発射させた後、8月・9月に通常角度で発射した。
日本上空を越えて太平洋まで飛行した。防衛省は今後、北朝鮮が最大射程確認のため日本上空を越える形でミサイルを発射する可能性もあるとみとて、警戒と監視を強化している。
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中ロが大陸間弾道ミサイルの発射実験を頻繁に行うわけとは?(11月25日)
中国とロシアが核弾頭を搭載可能な大陸間弾道ミサイルの発射実験を活発に行っているとワシントンタイムズやニューズウィーク、環球時報、人民日報などが伝えている。中国とロシアといえば国連の常任理事国である。それなのに今なぜ発射実験なのか。その答えは11/24のデイリースター(英国)のロシア・ラブロフ外務大臣の取材記事の中から見出すことができた。
ロシア・ラブロフ外務大臣は米国がロシアと中国の鼻先にミサイルを突き付けるために日本と韓国を軍事基地に変えようとしているとして非難している。...
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中国とロシアが核弾頭を搭載可能な大陸間弾道ミサイルの発射実験を活発に行っているとワシントンタイムズやニューズウィーク、環球時報、人民日報などが伝えている。中国とロシアといえば国連の常任理事国である。それなのに今なぜ発射実験なのか。その答えは11/24のデイリースター(英国)のロシア・ラブロフ外務大臣の取材記事の中から見出すことができた。
ロシア・ラブロフ外務大臣は米国がロシアと中国の鼻先にミサイルを突き付けるために日本と韓国を軍事基地に変えようとしているとして非難している。ラブロフ大臣は、モスクワで「我々は、米国が北朝鮮問題を口実にして、実際にはロシアと中国を念頭に韓国と日本で米国のグローバルミサイル防衛システムを展開させようとしていることに深く懸念を抱いている」として米国を非難した。また北朝鮮・金委員長が70日以上もの間ミサイルを発射していないにも関わらず米国が「それでもまだ満足していない」ように見せながら、北朝鮮を「暴発」に追い込もうとしているとして非難し「まるで北朝鮮が戦争の道に突き進むことを望んでいるかのような行動をとっているが、現実にそういうオプションを選択することも可能だ」と米国を威嚇した。
中ロが大陸間弾道ミサイルの発射実験を行うわけは、もちろんその他の複合的な理由もあるに違いないが、主には北朝鮮問題を口実にして、ロシアと中国を威嚇する米国に対するけん制が理由という見方をするのが自然だろう。
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