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中国を念頭にしたインド太平洋戦略・鍵となる国はインド(12月16日)
中国がアジアで影響力を強める中で、米国はインドとの協力関係を強化する考えだ。トランプ政権はアジアにおける中国の影響力増大に対抗するための重要なパートナーとして、インドとの関係を「劇的に深める」ことを望んでいる。そのために米国はインド太平洋戦略を進めている。この中で今のところ軍事的なコアとなっているのは米印関係だ。グローバルファイアパワーによる世界軍事力ランキング2017において当然のことながら米国は1位だが、インドは4位である。...
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中国がアジアで影響力を強める中で、米国はインドとの協力関係を強化する考えだ。トランプ政権はアジアにおける中国の影響力増大に対抗するための重要なパートナーとして、インドとの関係を「劇的に深める」ことを望んでいる。そのために米国はインド太平洋戦略を進めている。この中で今のところ軍事的なコアとなっているのは米印関係だ。グローバルファイアパワーによる世界軍事力ランキング2017において当然のことながら米国は1位だが、インドは4位である。ちなみに中国は3位でロシアは2位だ。日本は7位で豪州は22位。この結果から見ても、インド太平洋戦略において米国がインドの軍事力をあてにしていることがよくわかる。米国にとってインドは市場としても価値があり、インドのGDPは2029年には、中国、米国に次ぐ世界3位となるとされている(現在は7位)。さらに人口は中国を抜いて東京五輪の4年後である2024年には世界一になると言われ、労働人口は2050年まで増え続けると言われている。米国にとって仲良くしない手はない。この米印関係について専門家の意見がデフェンスニュース(12/15)に掲載されたので取り上げる。
米国とインドの二国間戦略的パートナーシップを強化する非営利団体・米国・インド戦略パートナーシップフォーラムのキースウェブスター氏は、「米国とインドとのパートナーシップは1990年代初頭以降、目覚ましい進展をみせている。米国がこれまでインドとの防衛協力に焦点を当ててきた理由は、両国の間に横たわる2つの共通の懸念に根差したものだ。すなわちインド洋における航行の安全と国際的な対テロ対策という理由だ。特に中国の脅威が増す昨今、米印の防衛協力は不可欠なもので、理想的なものというよりは現実的なものとなっている。ただ、この海域の安全を保障するためには、インドの軍隊を近代化し、米軍とインド軍の間である程度の相互運用性を確保する必要がある。米国政府は、まだまだ課題も多いがインド政府を最も近い同盟国の一つと位置づけており、法的にインドを主要な防衛パートナーとして認定するための技術移転政策を改定している」と述べた。米国が「米印関係はインド太平洋の礎だ」と発言する日も近いかもしれない。
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中国、米軍艦が台湾寄港すれば”侵略”と見做すと威嚇(12月13日)
既報どおり、北朝鮮問題に関しては、米中両国は表向き協調路線を貫いている。
しかし、中国としては、東・南シナ海領有権問題はもとより、台湾を中国の一部とする“一つの中国”原則については、米国の如何なる横槍・注文について看過するつもりはない。
そしてこの程中国は、米議会が成立させた、米台両海軍戦艦のそれぞれの寄港案も含む「2018年国防大綱」に基づき、もし米軍艦が台湾に寄港する場合、中国領土への“侵略”と見做すと宣言した。...
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既報どおり、北朝鮮問題に関しては、米中両国は表向き協調路線を貫いている。
しかし、中国としては、東・南シナ海領有権問題はもとより、台湾を中国の一部とする“一つの中国”原則については、米国の如何なる横槍・注文について看過するつもりはない。
そしてこの程中国は、米議会が成立させた、米台両海軍戦艦のそれぞれの寄港案も含む「2018年国防大綱」に基づき、もし米軍艦が台湾に寄港する場合、中国領土への“侵略”と見做すと宣言した。
更に中国空軍が、台湾海峡を含めた台湾周辺の戦闘機等による監視飛行を常態化している。
Globali:
中国、米軍艦が台湾寄港すれば”侵略”と見做すと威嚇【米・英国メディア】より
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中国空軍、東シナ海周辺で洋上軍事訓練実施(12月13日)
中国空軍報道官は、12月12日「中国空軍は体系化した遠洋訓練を実施し、爆撃機や偵察機等が編隊を組んで東シナ海の島々を周回したり、巡航を行ない中国の国家主権と領土の保全に向けた防衛能力を一段と高めた。」とする声明を発表した。
軍事訓練に参加した主な戦闘機は、H-6K(中国のステルス双発爆撃機)やSU(スホイ)30(SU27UBを進化させた複座多用途長距離爆撃機)、J11(中国空軍の最新戦闘機ロシアのSU27を輸入等した機体)等である。...
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中国空軍報道官は、12月12日「中国空軍は体系化した遠洋訓練を実施し、爆撃機や偵察機等が編隊を組んで東シナ海の島々を周回したり、巡航を行ない中国の国家主権と領土の保全に向けた防衛能力を一段と高めた。」とする声明を発表した。
軍事訓練に参加した主な戦闘機は、H-6K(中国のステルス双発爆撃機)やSU(スホイ)30(SU27UBを進化させた複座多用途長距離爆撃機)、J11(中国空軍の最新戦闘機ロシアのSU27を輸入等した機体)等である。
中国空軍幹部は、「今回の洋上訓練は、戦闘機や哨戒機、燃料補給機等による多様な機体の編成を試して、より効果的な編隊を構成することが狙いである。有事の際の紛争危機をコントロールする能力を高め、戦争を抑止し迅速に作戦展開できるようにする。」と述べた。
今回の空軍による軍事訓練は、中国の軍事力を周辺諸国に対して誇示することが目的の1つであったものと考えられる。
2017年2月の報告書によると、中国の軍事力は米国、ロシアに次いで3番目とされている。
また、英国のシンクタンクである国際戦略研究所(IISS)によると、中国の空軍力は欧米と対等に戦えるレベルに近づいているとしている。
背景には、莫大な国防費を使って、中国独自の兵器の研究や開発、製造を急ピッチで進めていることがある。
中国の脅威は日に日に増すばかりである。
Globali:
中国空軍、東シナ海周辺で洋上軍事訓練実施より
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米国・ティラーソン国務長官“前提条件なしで北朝鮮と対話も可能”(12月13日)
米国・ティラーソン国務長官は、北朝鮮の核保有は認めないと改めて強調する一方、前提条件なしで対話に入ることも可能だという考えを示し、北朝鮮がまず非核化の意志を示さなければ対話には応じないという従来の方針を転換したとも受け止められる。
ただ、北朝鮮が挑発行為を行う中で対話をするのは難しいとして、弾道ミサイルの発射などを自制し対話の意志を示すよう促した。
今回の発言は、外交による解決を重視するティラーソン国務長官の強い意志がにじむものだ。...
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米国・ティラーソン国務長官は、北朝鮮の核保有は認めないと改めて強調する一方、前提条件なしで対話に入ることも可能だという考えを示し、北朝鮮がまず非核化の意志を示さなければ対話には応じないという従来の方針を転換したとも受け止められる。
ただ、北朝鮮が挑発行為を行う中で対話をするのは難しいとして、弾道ミサイルの発射などを自制し対話の意志を示すよう促した。
今回の発言は、外交による解決を重視するティラーソン国務長官の強い意志がにじむものだ。
一方、北朝鮮の国営メディア・朝鮮労働党機関紙「労働党新聞」は、キムジョンウン朝鮮労働党委員長が軍需工業分野の大会で演説したと伝えた。
演説でキム委員長は「国家各武力完成の偉業を成し遂げたことは、歴史的な勝利だ」と述べ、核ミサイル開発にいっそう拍車をかける立場を強調した。
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朝鮮半島危機・米国と中国はまるで他人事・冷静ではいられない韓国(12月9日)
朝鮮半島の緊張が高まる中、米朝が戦火をまみえた場合、一番被害を受けるのは韓国だと言われている。これを韓国がどのようにとらえているのかをオンラインビジネスメディア・クオーツ(米国)の記事から読み取っていきたい。記事からは韓国の、主に米国と中国に対する憤りが伝わってくる。
最近、朝鮮半島での危機が本格的な戦争にまで拡大すれば、死傷者のほとんどは朝鮮半島の人々になり、米国と中国に被害は及ばないとの記事や発言が相次いで出ており、この結果は多くの韓国人にとっては当然、愉快なものではない。...
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朝鮮半島の緊張が高まる中、米朝が戦火をまみえた場合、一番被害を受けるのは韓国だと言われている。これを韓国がどのようにとらえているのかをオンラインビジネスメディア・クオーツ(米国)の記事から読み取っていきたい。記事からは韓国の、主に米国と中国に対する憤りが伝わってくる。
最近、朝鮮半島での危機が本格的な戦争にまで拡大すれば、死傷者のほとんどは朝鮮半島の人々になり、米国と中国に被害は及ばないとの記事や発言が相次いで出ており、この結果は多くの韓国人にとっては当然、愉快なものではない。
12月6日に発行されたグローバルタイムズ(中国)に、「仮に米朝戦争が起こったとしても、北朝鮮の優先的な攻撃目標になるのはアジア太平洋における米国の拠点である韓国と日本の米軍基地であり、米国や北朝鮮が、中国へ根拠のない軍事攻撃を行う可能性はきわめて低い。 中国は強力な核保有国として、毅然と構えていればよい」との記事が掲載された。また、「冬特有の風の流れにより放射能雲は北朝鮮に隣接する吉林省にではなく、韓国の方に流れる」と記事には書かれていた(※中国吉林省では現在、北朝鮮難民の一時収容施設の設置が検討されているとの情報もある)。翌日、この記事について韓国・文大統領のスポークスマンが「朝鮮半島の状況に関する仮説的シナリオを用いて、不必要な誤解を与えたり、平和と安全の脅威となるような表現は控えるべきだ」とグローバルタイムズに抗議文を掲載した。
一方の米国でも8月に、米国共和党の上院議員、リンゼー・グラム氏の「戦争が米朝で起きた場合、何千人も死ぬことになるが、米国ではそんなに死ぬことはない」との米国のテレビ番組での発言が韓国で広く報道され、韓国人の怒りに火をつけたのだという。それまで大体の韓国人は米国トランプ政権の方針に従うだろうとみられていたが、今や韓国人は軍事攻撃による解決は無意味であり、軍事攻撃によるシナリオは意味のないスローガンであると思うようになってきている。
もちろん、中国・グローバルタイムズのコラムは中国人読者に対する記事であり、米国のグラハム氏のコメントは米国人視聴者に向けられたものであることを考慮しなければならないが、現在のメディアは世界規模で瞬時に伝わってしまう環境であることを忘れてはならない。
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