(国連安保理に北朝鮮が異例の出席)
北朝鮮が出席した異例の国連安保理で、米国・ティラーソン国務長官は「対話を始める前に北朝鮮は挑発行為を一定期間停止しなくてはいけない。米国は意思疎通のチャンネルも開き続けていく」と北朝鮮に対話を呼びかけたのに対し、北朝鮮・チャソンナム大使は「世界中には核大国が複数あるが、米国のように自身の核兵器を武器に他国に対して公に脅迫する国は他にない」と米国を批判した。...
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(国連安保理に北朝鮮が異例の出席)
北朝鮮が出席した異例の国連安保理で、米国・ティラーソン国務長官は「対話を始める前に北朝鮮は挑発行為を一定期間停止しなくてはいけない。米国は意思疎通のチャンネルも開き続けていく」と北朝鮮に対話を呼びかけたのに対し、北朝鮮・チャソンナム大使は「世界中には核大国が複数あるが、米国のように自身の核兵器を武器に他国に対して公に脅迫する国は他にない」と米国を批判した。その後のメディアとのインタビューでチャソンナム大使は、「国連と米国独自の制裁を受けていたら対話の場に出るわけにはいかない」と述べ、対話のテーブルにつくにはまず国連と米国の制裁を解除することが大前提であると述べた。金正恩からは核保有国であることを前提に外交を展開せよという指令が出ている模様で、さらにその先には米国が4000発の核兵器を減らさない限り、核放棄には応じられないという方針が見え隠れしている。強気の姿勢を崩さない北朝鮮だが、対話姿勢に転じたのは制裁が効いてきているからと見ることも可能だ。
(年末も北朝鮮に要警戒)
北朝鮮は来年、建国70年を迎え、新年の辞で金正恩は「今年中に核大国の仲間入りをし、経済・ミサイル開発併進路線を成功させる」と宣言するものとみられている。今回、北朝鮮は国連安保理に大使を派遣し、こうしたスタンスを改めて鮮明にした格好だ。これによって対話の機運どころか、北朝鮮の核保有を絶対に認めない米国との対立構造がますます露わになったともいえる。北朝鮮の出方を伺っていたトランプ大統領にとっては、北朝鮮との対話路線に見切りをつける契機となるのかもしれない。今後、米国は北朝鮮を先制攻撃しそうな空気をますます強めていくだろう。その手始めとして対話推進派のティラーソン国務長官の更迭にも手をつけることになるかもしれない。そうした緊張感の中で危惧されるのは金正日の命日である12月17日前後、27日の憲法記念日前後までに、今年最後のミサイル実験を行うかどうかだ。ロフテッド軌道を採用する可能性が高いが、仮に正常軌道でグアムやハワイ方面に飛んだ場合には米国がなんらかの措置を行うことも考えられなくもない。
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中国空軍、東シナ海周辺で洋上軍事訓練実施(12月13日)
中国空軍報道官は、12月12日「中国空軍は体系化した遠洋訓練を実施し、爆撃機や偵察機等が編隊を組んで東シナ海の島々を周回したり、巡航を行ない中国の国家主権と領土の保全に向けた防衛能力を一段と高めた。」とする声明を発表した。
軍事訓練に参加した主な戦闘機は、H-6K(中国のステルス双発爆撃機)やSU(スホイ)30(SU27UBを進化させた複座多用途長距離爆撃機)、J11(中国空軍の最新戦闘機ロシアのSU27を輸入等した機体)等である。...
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中国空軍報道官は、12月12日「中国空軍は体系化した遠洋訓練を実施し、爆撃機や偵察機等が編隊を組んで東シナ海の島々を周回したり、巡航を行ない中国の国家主権と領土の保全に向けた防衛能力を一段と高めた。」とする声明を発表した。
軍事訓練に参加した主な戦闘機は、H-6K(中国のステルス双発爆撃機)やSU(スホイ)30(SU27UBを進化させた複座多用途長距離爆撃機)、J11(中国空軍の最新戦闘機ロシアのSU27を輸入等した機体)等である。
中国空軍幹部は、「今回の洋上訓練は、戦闘機や哨戒機、燃料補給機等による多様な機体の編成を試して、より効果的な編隊を構成することが狙いである。有事の際の紛争危機をコントロールする能力を高め、戦争を抑止し迅速に作戦展開できるようにする。」と述べた。
今回の空軍による軍事訓練は、中国の軍事力を周辺諸国に対して誇示することが目的の1つであったものと考えられる。
2017年2月の報告書によると、中国の軍事力は米国、ロシアに次いで3番目とされている。
また、英国のシンクタンクである国際戦略研究所(IISS)によると、中国の空軍力は欧米と対等に戦えるレベルに近づいているとしている。
背景には、莫大な国防費を使って、中国独自の兵器の研究や開発、製造を急ピッチで進めていることがある。
中国の脅威は日に日に増すばかりである。
Globali:
中国空軍、東シナ海周辺で洋上軍事訓練実施より
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米国・ティラーソン国務長官“前提条件なしで北朝鮮と対話も可能”(12月13日)
米国・ティラーソン国務長官は、北朝鮮の核保有は認めないと改めて強調する一方、前提条件なしで対話に入ることも可能だという考えを示し、北朝鮮がまず非核化の意志を示さなければ対話には応じないという従来の方針を転換したとも受け止められる。
ただ、北朝鮮が挑発行為を行う中で対話をするのは難しいとして、弾道ミサイルの発射などを自制し対話の意志を示すよう促した。
今回の発言は、外交による解決を重視するティラーソン国務長官の強い意志がにじむものだ。...
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米国・ティラーソン国務長官は、北朝鮮の核保有は認めないと改めて強調する一方、前提条件なしで対話に入ることも可能だという考えを示し、北朝鮮がまず非核化の意志を示さなければ対話には応じないという従来の方針を転換したとも受け止められる。
ただ、北朝鮮が挑発行為を行う中で対話をするのは難しいとして、弾道ミサイルの発射などを自制し対話の意志を示すよう促した。
今回の発言は、外交による解決を重視するティラーソン国務長官の強い意志がにじむものだ。
一方、北朝鮮の国営メディア・朝鮮労働党機関紙「労働党新聞」は、キムジョンウン朝鮮労働党委員長が軍需工業分野の大会で演説したと伝えた。
演説でキム委員長は「国家各武力完成の偉業を成し遂げたことは、歴史的な勝利だ」と述べ、核ミサイル開発にいっそう拍車をかける立場を強調した。
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(3月までに米国が北朝鮮を先制攻撃?)
12月4日から始まった過去最大規模の米韓合同軍事演習「ビジラントエース」が8日に終了した。米国国務省のアダムス報道官は「今は対話の時ではない。米国は通常兵器と核兵器など、ありとあらゆる能力を総動員し、同盟国である韓国と日本を防衛する」とVOAのインタビュー上で発言した。トランプ大統領に近いボルトン元米国国連大使によれば、CIA首脳部がトランプ大統領に北朝鮮のICBM開発を中止させられるリミットまであと3カ月しか残されていないと伝えているという。...
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(3月までに米国が北朝鮮を先制攻撃?)
12月4日から始まった過去最大規模の米韓合同軍事演習「ビジラントエース」が8日に終了した。米国国務省のアダムス報道官は「今は対話の時ではない。米国は通常兵器と核兵器など、ありとあらゆる能力を総動員し、同盟国である韓国と日本を防衛する」とVOAのインタビュー上で発言した。トランプ大統領に近いボルトン元米国国連大使によれば、CIA首脳部がトランプ大統領に北朝鮮のICBM開発を中止させられるリミットまであと3カ月しか残されていないと伝えているという。このため北朝鮮が譲歩しない場合、来年3月までに米国が北朝鮮を先制攻撃するのではないかという見方も出てきている。もちろん北朝鮮が反撃すれば、想定される被害は甚大なものになるので軍事行動しないという選択肢もある。気になるのは北朝鮮の動きだが、金正日総書記の命日である17日から平昌五輪の開幕する来年2月にかけて、再び核・ミサイル発射実験、特に潜水艦発射弾道ミサイル実験をするのではないかという憶測が飛びかっている。こうした中、中国は「戦争になりそうだが、そうなった場合には中国のせいではない。中国は自分の国益を守るまでだ(中国関係筋)」とのスタンスだという。
(北朝鮮・対話モードの可能性)
一方で、制裁の影響とみられる動きも出始めている。12月7日、ロシア・ラブロフ外相はティラーソン国務長官とウィーンで会談し、「北朝鮮が治安面での保証を引き出すために米国との直接対話を希望していることは周知の事実であり、我々はそれを後押しする用意がある」と語ったのだ(インターファクス通信)。チキンレース(我慢くらべ)では先に音を上げた方が負けとされるが、これを北朝鮮が音を上げ始めた動きととらえることも可能だろう。時を同じくして7日に北朝鮮を訪問している国連のフェルトマン事務次長は、平壌で李容浩外相と会談を行ない、核・ミサイル問題について話し合ったようだ。成果については明らかでないが、今回の訪朝が北朝鮮側からの呼びかけによるものということを考えてみても、北朝鮮側が対話モードにシフトする可能性も見える。
(国連安保理議長国として日本ができること)
強硬姿勢の米国と対話姿勢を見せている北朝鮮だが、日本は今月、国連安保理議長国となるため、米国寄りの姿勢を取り続けるわけにもいかない(15日に閣僚級協議が行われる)。日本がリーダーシップをとって北朝鮮問題にどう道筋をつけていくのかが問われている。議長国の立場を最大限に活用し、国際協調体制とか、制裁を各国が確実に履行するよう働きかけを行っていくべきだろう。
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米韓共同軍事訓練・最大規模の230機余参加(12月4日)
米国軍と韓国軍の航空機による定例の共同軍事訓練「ビジラントエース」が、過去最大規模の230機余が参加して、今日から始まった。
弾道ミサイルの移動式発射台への攻撃などを想定した訓練も行われ、米韓両軍としては核ミサイル開発を進める北朝鮮への圧力を強めるねらいがあるとみられる。
今回の訓練には、最新鋭のステルス戦闘機「F35」と「F22」が初参加した。
領空侵犯をして敵の航空機を迎撃したり、弾道ミサイルの移動式発射台など地上の標的を攻撃する訓練も行われた。...
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米国軍と韓国軍の航空機による定例の共同軍事訓練「ビジラントエース」が、過去最大規模の230機余が参加して、今日から始まった。
弾道ミサイルの移動式発射台への攻撃などを想定した訓練も行われ、米韓両軍としては核ミサイル開発を進める北朝鮮への圧力を強めるねらいがあるとみられる。
今回の訓練には、最新鋭のステルス戦闘機「F35」と「F22」が初参加した。
領空侵犯をして敵の航空機を迎撃したり、弾道ミサイルの移動式発射台など地上の標的を攻撃する訓練も行われた。
一方、今日付けの北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、共同訓練を非難する論評を掲載した。
北朝鮮は一昨日、外務省の報道官声明を出し訓練を非難したほか、今日も韓国との窓口機関である祖国平和統一委員会が報道官談話を発表した。
米韓両軍は、北朝鮮が軍事的挑発に踏み切る可能性もあるとして、警戒と監視を強化している。
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