注目されるG20が開幕(12月1日)
(G20が開幕・焦点は米中首脳会談)
アルゼンチンでG20が開幕した。先日行われたAPECでは米中の対立によって首脳宣言が出せないという異例の事態になったが、今回も宣言をとりまとめられるかどうかについては微妙な状況である。全てはトランプ大統領と習近平国家主席の米中首脳会談の行方が大きく鍵を握っているといえる。トランプ大統領は「米中首脳会談が不調なら来月にも中国からの全輸入品に追加関税を課す」と公言しており、このまま両国が我慢比べをしていけば米中共倒れとなり、その場合には世界経済に与える影響は計り知れないほど大きなものになる。...
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(G20が開幕・焦点は米中首脳会談)
アルゼンチンでG20が開幕した。先日行われたAPECでは米中の対立によって首脳宣言が出せないという異例の事態になったが、今回も宣言をとりまとめられるかどうかについては微妙な状況である。全てはトランプ大統領と習近平国家主席の米中首脳会談の行方が大きく鍵を握っているといえる。トランプ大統領は「米中首脳会談が不調なら来月にも中国からの全輸入品に追加関税を課す」と公言しており、このまま両国が我慢比べをしていけば米中共倒れとなり、その場合には世界経済に与える影響は計り知れないほど大きなものになる。一方で米中両政府は貿易問題に関する新たな協議の枠組みを検討しているとも言われており、その行方からは目が離せない。
(米中首脳会談の行方)
トランプ大統領は今回の米中首脳会談が不調に終わった場合、2000億ドル分の関税の税率を10%から25%に上げ、2500億ドルを超える残りの中国製品全部にも追加関税を課すと脅しをかけてきている。米中の合意は困難との悲観的な見方がある一方で、米中貿易戦争の泥沼化を避ける追加関税の発動を猶予する「枠組み合意案」を作る動きもあると言われている。最大の焦点は「人工知能、量子コンピューター、5G」など先端技術で、中国が米国の知財を奪い軍事に直結するAIや5Gなどの分野で優位に立とうとしているとの強い懸念が共和党、民主党など党派を問わず共有されており、この懸念を解決することがない限り米中貿易戦争の根本的な解決は難しいだろう。
(各国の外交の思惑が渦巻くG20)
今回のG20では「保護主義VS自由貿易」や「地球温暖化問題」で米国が孤立する場面も考えられる。さらにはロシアの警備艇がウクライナ艦艇を拿捕した問題においてはロシアが国際的な批判にさらされており、この流れに国内のロシア疑惑問題も絡んで米ロ首脳会談が中止となった経緯がある。そうした中で北方領土返還を視界に入れ、親ロシア路線に走る日本の立ち位置が微妙な状況になりそうだ。さらにはフランスのマクロン大統領はカルロスゴーンショックで揺れるルノー・日産・三菱自動車の3社連合を維持するよう安倍総理に働きかけを行いたいという思惑を持ってG20に臨んでいる。各国の外交の思惑が渦巻くG20で米中がどう動き、その間で日本はどう動くのか。今後の世界の形を決めると言っても過言ではない。
(日米首脳会談、日中首脳会談)
今回のG20で険悪な米中の関係を仲介する動きが期待されていた安倍首相は、1日未明、トランプ大統領と会談し、中国に対し「経済や安全保障で建設的な役割を果たすよう促す」ことで緊密に連携していくことを確認した。会談の冒頭、トランプ大統領は先ず1兆円に及ぶF35などの購入に感謝の意を示した上で、「日本との貿易赤字は巨額だが、速やかに不均衡を是正したい」と貿易問題で日本に対して釘を刺すことも忘れてはいなかった。この後、安倍首相は中国・習近平国家主席と会談し、「米中首脳会談で有益な議論を行い、G20サミットで両国が建設的な貢献を果たす」よう期待感を示し、国有企業への補助金等、米国側の懸念に対して具体的な対応を示すことで米中貿易戦争の根本的な解決を促した。
(北朝鮮問題関連)
日米首脳会談では朝鮮半島の完全な非核化に向け、引き続き「国連安保理決議の完全な履行が重要」との認識で一致し、北朝鮮が海上で物資を積み替える「瀬取り」への対策で緊密に連携していくことなどを確認し合った。さらにトランプ大統領は韓国の文大統領とも米韓首脳会談を行い、2度目の米朝首脳会談の開催に改めて意欲を示した。北朝鮮の非核化をめぐる米朝協議が難航する中、米国は韓国に対し南北関係の改善ばかりを先行させないよう釘をさしていたが、今回は制裁による圧力の維持で足並みを揃えた形だ。
(日仏首脳接触)
安倍首相はフランスのマクロン大統領と短時間の接触をおこない、日産自動車とルノー、三菱自動車の行方について話し合った。3社連合をめぐっては世耕経済産業大臣とルメール経済財務大臣との間で見解の相違が浮き彫りとなるなど日仏関係に暗雲が漂い始めている。ルノーの株主でもある仏政府はこの問題に介入する姿勢を強めているが、日本政府は「政府が口を出すべきではない」とする立場であり、両国の間で神経戦が繰り広げられている。
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トランプ大統領・G20サミットへ・米ロ首脳会談の中止表明(11月30日)
米国・トランプ大統領はアルゼンチンで行われるG20サミットに参加するため、ワシントンを出発した。
予定されていたロシア・プーチン大統領との会談について中止すると表明し、両国間の関係は不透明感を増している。
トランプ大統領はツイッターでロシアがウクライナ海軍の艦船を拿捕した事件で“艦船や兵士がウクライナ側に戻されていない”と投稿した。
トランプ大統領は今回の訪問で中国・習近平国家主席との首脳会談に臨む予定である。
G20財務相会議開幕・米中貿易摩擦が焦点(11月30日)
G20財務相会議が開幕する。
日本からは麻生副総理兼財務大臣が出席する。焦点は世界経済の減速が高まる中、最大のリスクとなっている米中の貿易摩擦の対応する。
G20の米中貿易摩擦は各国が繰り返し強い懸念を示すことになる。
こうした国際協調の枠組みの中では解決の糸口が見いだせずにいる。
さらに米国は28日、中国が米国の自動車に40%の高関税は問題だとしてあらゆる対抗措置検討するという声明を発表するなど中国に圧力を強めている。...
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G20財務相会議が開幕する。
日本からは麻生副総理兼財務大臣が出席する。焦点は世界経済の減速が高まる中、最大のリスクとなっている米中の貿易摩擦の対応する。
G20の米中貿易摩擦は各国が繰り返し強い懸念を示すことになる。
こうした国際協調の枠組みの中では解決の糸口が見いだせずにいる。
さらに米国は28日、中国が米国の自動車に40%の高関税は問題だとしてあらゆる対抗措置検討するという声明を発表するなど中国に圧力を強めている。
財務相会議の直後には米国・トランプ大統領や中国・習近平国家主席も出席するサミットが開かれ、米中首脳会談も行われる。
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安倍首相・G20サミットへきょう出発(11月29日)
G20サミットに出席するため、安倍首相はきょうアルゼンチンに向けて出発。米中の貿易摩擦が激しさを増す中で開かれる今回のG20サミットで、安倍首相は来年議長を務めることも踏まえ、世界経済の持続的な成長に向け一致したメッセージを発出できるよう議論を主導したい考えである。
これに合わせて米国・トランプ大統領、中国・習近平国家主席と個別に会談し、世界経済への影響を考慮して冷静な対応を促すほか、貿易慣行の是正の重要性などを訴える。...
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G20サミットに出席するため、安倍首相はきょうアルゼンチンに向けて出発。米中の貿易摩擦が激しさを増す中で開かれる今回のG20サミットで、安倍首相は来年議長を務めることも踏まえ、世界経済の持続的な成長に向け一致したメッセージを発出できるよう議論を主導したい考えである。
これに合わせて米国・トランプ大統領、中国・習近平国家主席と個別に会談し、世界経済への影響を考慮して冷静な対応を促すほか、貿易慣行の是正の重要性などを訴える。
またインド・モディ首相との日米印首脳会談に臨む予定である。
さらに、ロシア・プーチン大統領とも会談し、1956年の日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速するとした合意を踏まえ、交渉を進めるための具体的枠組みなどで合意したい考えだ。
G20サミット後には、日本の首相として南米のウルグアイとパラグアイを初訪問。両国首脳と経済協力などをめぐり意見交換をする。
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あさってからG20サミット・安倍首相“世界経済の成長へ議論主導” (11月28日)
主要20カ国が出席するG20サミットがあさってから2日間、アルゼンチンで開催される。
出席する安倍首相はあす日本を出発する。
世界経済、貿易などをテーマに討議が行われる予定で、安倍首相は、世界経済の持続的成長に向けて一致したメッセージを発出できるよう議論を主導したい考えだ。
また議長を務める来年のG20サミットで、循環型社会の構築を討議のテーマに設定する方針を決めたことを踏まえ、海洋汚染が懸念されるプラスチックごみ問題に積極的に取り組む考えを表明することにしている。...
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主要20カ国が出席するG20サミットがあさってから2日間、アルゼンチンで開催される。
出席する安倍首相はあす日本を出発する。
世界経済、貿易などをテーマに討議が行われる予定で、安倍首相は、世界経済の持続的成長に向けて一致したメッセージを発出できるよう議論を主導したい考えだ。
また議長を務める来年のG20サミットで、循環型社会の構築を討議のテーマに設定する方針を決めたことを踏まえ、海洋汚染が懸念されるプラスチックごみ問題に積極的に取り組む考えを表明することにしている。
ただ米中の貿易摩擦は激しさをましており、APEC首脳会議では首脳宣言が発表できない異例の事態となった。各国の協調姿勢が示せるかは予断を許さない状況である。
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