日中両政府・習近平主席の来日延期を正式に発表(3月5日)
日中両政府は5日、4月に予定していた中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席の国賓としての来日を当面延期すると正式に発表した。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、準備を円滑には進められないと判断した。
感染症の収束状況や両国の政治、外交日程を見極めて時期を再調整する。
再調整は7~9月の東京五輪・パラリンピック後の秋以降が有力との見方がある。
習主席の訪日・延期含め慎重に調整へ(3月2日)
政府は去年6月の日中首脳会談で、習近平国家主席の国賓としての日本訪問を要請し、来月上旬の予定で準備を進めてきた。
こうした中、新型コロナウイルスの感染が広がり、中国は全人代(全国人民代表大会)を延期したほか、日本では政府が大規模イベントの自粛や小中学校や高校の臨時休校を要請するなどの対応に追われている。
安倍総理大臣はおとといの記者会見で、習主席の日本訪問について、「現時点では予定に変更はないものの、中国の国家主席の訪日は10年に1度のことであり、十分な成果をあげることができるものにする必要がある」と述べた。...
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政府は去年6月の日中首脳会談で、習近平国家主席の国賓としての日本訪問を要請し、来月上旬の予定で準備を進めてきた。
こうした中、新型コロナウイルスの感染が広がり、中国は全人代(全国人民代表大会)を延期したほか、日本では政府が大規模イベントの自粛や小中学校や高校の臨時休校を要請するなどの対応に追われている。
安倍総理大臣はおとといの記者会見で、習主席の日本訪問について、「現時点では予定に変更はないものの、中国の国家主席の訪日は10年に1度のことであり、十分な成果をあげることができるものにする必要がある」と述べた。
中国側にも、こうした認識を伝えていて、来月の訪問を延期も含めて慎重に調整が進められる見通しである。
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安倍総理・中国外交トップ・感染対策で連携確認(2月29日)
安倍総理は中国・楊潔チ政治局員と会談し新型コロナウイルスへの対応をめぐり具体的な対策実施に向け連携していくことを確認した。
また4月に予定される習近平国家主席の訪日について「両国関係にとって極めて重要であり、十分な成果を上げるため入念な準備を行わなければならない」と述べた。
これに対し楊政治局員は「習主席が日本を国賓として訪問することは非常に重要な意義がある」と応じ、習主席の訪日成功のため意思疎通で一致した。...
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安倍総理は中国・楊潔チ政治局員と会談し新型コロナウイルスへの対応をめぐり具体的な対策実施に向け連携していくことを確認した。
また4月に予定される習近平国家主席の訪日について「両国関係にとって極めて重要であり、十分な成果を上げるため入念な準備を行わなければならない」と述べた。
これに対し楊政治局員は「習主席が日本を国賓として訪問することは非常に重要な意義がある」と応じ、習主席の訪日成功のため意思疎通で一致した。
また中国として東京五輪パラリンピックの開催を支持する立場を伝えた。
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電話会談・日中外相“習主席訪日で成果・引き続き緊密に意思疎通を”(2月27日)
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、茂木外務大臣は中国の王毅外相と電話で会談し、4月に予定される習近平国家主席の日本訪問を成果が上がるものにするため。引き続き、緊密に意思疎通していくことで一致した。
電話会談は中国側の申し出で昨夜9時半ごろからおよそ40分間行われた。
この中で感染拡大による影響が懸念されている4月の習近平国家主席の国賓としての日本訪問について意見を交わし、しっかりと成果の上がる訪問にする必要があるとして、引き続き、緊密に意思疎通していくことで一致した。...
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新型コロナウイルスの感染が拡大する中、茂木外務大臣は中国の王毅外相と電話で会談し、4月に予定される習近平国家主席の日本訪問を成果が上がるものにするため。引き続き、緊密に意思疎通していくことで一致した。
電話会談は中国側の申し出で昨夜9時半ごろからおよそ40分間行われた。
この中で感染拡大による影響が懸念されている4月の習近平国家主席の国賓としての日本訪問について意見を交わし、しっかりと成果の上がる訪問にする必要があるとして、引き続き、緊密に意思疎通していくことで一致した。
また、王毅外相が中国の最新の感染状況を説明し、経済的な影響は一時的で中国経済の基礎がしっかりしていると述べたという。
これに対し茂木外務大臣は「感染の拡大防止に向け、中国が国を挙げて取り組んでいることを理解している。早期の沈静化を期待している」と述べた。
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日本を取り巻くこれからの状況(2月22日)
1.新型コロナウイルス
日本は新型コロナウイルスの初期対応に失敗し、すでに市中感染の爆発的蔓延を防ぐという段階に入っている。この新型コロナウイルスは感染力が強く、空気感染まではいかないものの、飛沫感染よりも強いエアロゾル感染を引き起こす点において厄介である。現在、新型インフルエンザ治療薬のアビガンの有効性が認められており、どこまでそういった治療薬で対処できるかがカギを握っているといえる。感染爆発を防ぐためにはこの1、2週間が勝負となると見られている。...
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1.新型コロナウイルス
日本は新型コロナウイルスの初期対応に失敗し、すでに市中感染の爆発的蔓延を防ぐという段階に入っている。この新型コロナウイルスは感染力が強く、空気感染まではいかないものの、飛沫感染よりも強いエアロゾル感染を引き起こす点において厄介である。現在、新型インフルエンザ治療薬のアビガンの有効性が認められており、どこまでそういった治療薬で対処できるかがカギを握っているといえる。感染爆発を防ぐためにはこの1、2週間が勝負となると見られている。今回の新型コロナウイルスの問題、特にダイアモンドプリンセス号の検疫の問題では「感染症患者が上船する外国船籍客船」の扱いに関する法律が未整備で、早急に対応する必要があることを痛感させた。今後、地球温暖化の影響や、五輪など大型国際イベントの開催によって日本に多くの外国人観光客が来日することが考えられるが、今後も新型ウイルスやインフルエンザなどが猛威を振るう事態も容易に想定される。日本には早急に米国の米国疾病予防管理センター(CDC)のような組織を立ち上げることが求められている。
2.中国との対応
日本と中国が経済的にも一蓮托生であることを今回の新型コロナウイルス感染拡大は日本人にまざまざと思い知らせた。新宿や銀座、浅草には中国人観光客の姿はほとんどみられなくなった。改めて観光立国・日本を支えていたのは中国人観光客だったことを痛感させられた。沖縄では、千人単位の中国人観光客の予約がキャンセルとなり、お店から悲鳴が上がっている。普段、何気なく我々が手に取るお菓子も中国人の存在なしには成り立たないことがよくわかった。中国人観光客が減少した余波を受け、北海道の菓子メーカー「石屋製菓」は看板商品「白い恋人」の営業を停止した。中国の工場がストップし、日本で使う材料や部品が中国から届かずに生産できなかったり、縫製工場が稼働せずに日本で売る衣料品の供給が滞ったりする可能性も出てきている。一方、米国の会社だが我々に身近なiPhoneにも影響が出ている。中国の工場がストップしiPhoneの生産もストップした。アップルは「2020年第2四半期の売上高予想を達成できない」と発表。数字だけで影響を予想するのではなく実際に中国人が来なかったり、中国の工場が操業停止することで出てくる影響を今回肌で感じることができた。こうしたことを踏まえた上で中国との現実的な付き合いを今後展開していくべきであろう。
3.五輪
当然のことだが、新型コロナウイルスの感染が拡大すれば五輪の開催が中止ないしは縮小に追い込まれることも織り込んでおく必要がある。常に最悪のリスクを想定してスピーディに対処していくべきである。五輪が開催される場合にはダイアモンドプリンセス号に対する対応のまずさによって悪くなった日本の印象を元通りに回復できるかというところにも注目が集まる。より良い印象を与えるかのカギとなるのは適切な海外への情報発信などがホスト国としてのふるまいであろう。
4.日本の財政
東京五輪が終わると、GDPの2倍を超える日本の財政が問題になってくるとみられる。令和最初の予算案は一般会計の総額が過去最大の102.6兆円にも及んでいる。社会保障費が膨らみ、借金頼みの状況が続いている。日本人からの借金だから安全だなどという識者もいるが、バランスが崩れた場合には一大事となる。今後、さらなる増税や厳しい歳出削減など国民にさらなる痛みを求めることになる可能性が高い。信用が揺らいでいる政府系の機関ではなく、独立財政機関(IFI)を設置した上で、客観的な見通しと根拠を示しつつ国民レベルで定期的にこうした問題について議論していく場を設けていくことも必要なのではないか。
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