フィンランドで、心理療法センターの患者の記録がハッキングの被害に遭い、ハッカーは、データを公表しないことと引き換えに5千万円以上を要求している。市民の間に不安が広がっている。
『BFMTV』によると、全国で約20の心理療法センターを運営するフィンランドの「ヴァスタモグループ」は、2018年から2019年にかけて、社内のコンピュータシステムにハッカーが侵入し、多くの患者の記録データが盗まれたという。ハッカーグループは、盗んだデータを公開しないことと引き換えにお金を要求している。
ハッカーグループは、個人情報を盗んだことを証明するために、すでに300人の患者の記録をダークウェブ上に公開したという。...
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『BFMTV』によると、全国で約20の心理療法センターを運営するフィンランドの「ヴァスタモグループ」は、2018年から2019年にかけて、社内のコンピュータシステムにハッカーが侵入し、多くの患者の記録データが盗まれたという。ハッカーグループは、盗んだデータを公開しないことと引き換えにお金を要求している。
ハッカーグループは、個人情報を盗んだことを証明するために、すでに300人の患者の記録をダークウェブ上に公開したという。同グループは4万件の患者の記録ファイルを手に入れたと主張しており、データを消滅させるために45万ユーロ(約5500万円)に相当する40ビットコインを要求しているという。
またハッカーグループは、患者が自分のデータを削除してもらいたい場合は、550ユーロ(約67600円)に相当する0.05ビットコインを支払うよう要求している。
『ヘルシンキタイムス』によると、犯人グループの身元はまだ明らかになっておらず、45万ユーロのビットコインが支払われるまで、1日100人の患者情報を公開し続けると脅している。
犯人グループによって流出されたデータは、患者の住所や社会保障番号などの個人情報だけでなく、私生活に関する極めて機密性の高い情報が含まれているという。
サイバーセキュリティ企業「エフセキュア」のErka Koivunen氏は、今回の恐喝は一般市民に被害を与えるものであり、遺憾であると語っている。また今回の事件は「心理療法業界全体が反面教師として捉えなければならない」と述べ、機密情報をデータベースやデータサーバーからスキャンやデータ転記で取得できる形で保存することが望ましいかどうかを再考するよう促している。
同氏は、この問題はすべての組織のデータ管理上の課題であると指摘している。
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