韓国統計庁が6日に公表した社会調査の結果によると、同国で「結婚すべき」と考える人が初めて半数を下回った。一方で「結婚しなくても同居できる」との回答は初めて半数を超え、結婚に関する意識の変化が明らかになった。
同調査は、全国の13歳以上の男女約3万9,000人を対象に、今年の5~6月に行われた。この結果によると、「結婚すべき」と回答した人は48.1%で、初めて50%を割り込んだ。「結婚すべき」とする人の割合は2010年には64.7%だったが、12年には62.7%、14年が56.8%、16年が51.9%と、年々減少傾向にある。今回の結果を男女別に見ると、「結婚すべき」と回答した男性は52.8%だったのに対し、女性は43.5%と少なかった。...
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同調査は、全国の13歳以上の男女約3万9,000人を対象に、今年の5~6月に行われた。この結果によると、「結婚すべき」と回答した人は48.1%で、初めて50%を割り込んだ。「結婚すべき」とする人の割合は2010年には64.7%だったが、12年には62.7%、14年が56.8%、16年が51.9%と、年々減少傾向にある。今回の結果を男女別に見ると、「結婚すべき」と回答した男性は52.8%だったのに対し、女性は43.5%と少なかった。
一方、56.4%の人が、「結婚しなくてもカップルが同居できる」と回答し、同棲や事実婚などを認めていることが明らかになった。この項目については、2010年の40.5%、12年の45.9%、14年の46.6%、16年の48%から大きく増加し、初めて半数を超えた。結婚に関する価値観は大きく変化している。
また、「結婚しなくても子供を持って良い」と考える人は30.3%で、「結婚してから子供を持つべき」とする人は69.6%だった。後者については、男性が72.6%だったのに対し、女性が66.6%と、これについても男女の差が表れた。
韓国では、厳しい競争社会の中で就業し、キャリアアップを求めて継続して働く女性が増えており、男女間で「家事を公平に分担すべき」と考える人は約59%と、10年前の約32%からほぼ倍増するなど、家庭生活に関する意識にも変化がみられる。今回の調査結果は、こうした傾向に沿ったものとなっている。
そうした中で晩婚化が加速し、以前より高齢での出産も一般化している。韓国の女性の初産の平均年齢は32.6歳で、2016年の32.4歳から上昇した。2017年に第1子が生まれた女性の内、約29.4%が35歳以上だったが、この割合も16年の26.4%から増加した。
韓国では出生率の低下傾向が言われて久しい。経済協力開発機構(OECE)の2016年のデータによれば、韓国の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の数)は、OECD加盟国の中で最低の1.17で、少子化が顕著だ。ちなみに日本は1.44で、加盟国の全体平均は、2015年現在で1.68である。
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