中国は6日、広東省珠海で開幕した中国国際航空宇宙博覧会で、同国初となる有人宇宙ステーション「天宮」の模型を公開した。天宮は2022年の完成を目指しており、各国が共同で運用している国際宇宙ステーション(ISS)の後継となるとみられている。
同博覧会は隔年で偶数年に開催される中国で最大級の航空宇宙博で、今回が12回目である。国内外から150機超の軍用機や民間機が出展され、展示規模は過去最大となった。屋外では、中国軍の戦闘機「殲10(J-10)」と最新鋭のステルス戦闘機「殲20(J-20)」が公開飛行し、見物客を驚かせた。会場内には、多くのドローンや軍事用の機械設備などが展示されている。
『AFP通信』『スプートニク』などの報道によると、今回の博覧会には、22年の完成を目指す宇宙ステーション「天宮」の模型が展示されている。...
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同博覧会は隔年で偶数年に開催される中国で最大級の航空宇宙博で、今回が12回目である。国内外から150機超の軍用機や民間機が出展され、展示規模は過去最大となった。屋外では、中国軍の戦闘機「殲10(J-10)」と最新鋭のステルス戦闘機「殲20(J-20)」が公開飛行し、見物客を驚かせた。会場内には、多くのドローンや軍事用の機械設備などが展示されている。
『AFP通信』『スプートニク』などの報道によると、今回の博覧会には、22年の完成を目指す宇宙ステーション「天宮」の模型が展示されている。公開された全長17メートルのコアモジュールは展示物の目玉の1つであり、中国の宇宙開発への野心を象徴している。
天宮は重量が60トンで、3人の宇宙飛行士が常駐し、生物学的な研究や無重力環境での研究を実施する。宇宙ステーションとしての寿命は約10年とされる。天宮で飛行士が居住し、作業を行う空間となる円筒形モジュールの周辺には来場者の人垣ができていた。この他に科学実験用の2つのモジュールがあり、太陽光パネルも装備される。
米国、ロシア、カナダ、欧州、日本の5カ国が共同運用する国際宇宙ステーション(ISS)は、1998年から稼働しているが、2024年に引退する。その後は天宮が唯一の宇宙ステーションとなるが、重量400トンでサッカー場のピッチと同じ位広いISSよりかなり規模が小さくなる。
中国は5月、新たな宇宙ステーションは、科学実験を行うために全ての国に開放されると発表した。中国国営メディアによれば、研究機関、大学、公営および民間企業などに、プロジェクトの提案を依頼し、27の国と地域から40ほどの案が出されたという。欧州宇宙機関(ESA)は、宇宙飛行士を中国に派遣し、打ち上げ後にステーションで任務が果たせるよう訓練を受けさせており、国際的な協力関係が構築されつつある。
中国は宇宙の軍事利用に多額の資金を投入し、近い将来、人間を月に送ることを計画している。こうした中国の脅威に対し、トランプ米大統領は、宇宙空間における米国の優越性を示すため、「宇宙軍」の創設計画を立ち上げた。
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