米コーヒーチェーン大手のスターバックスは23日、米国内では同社初の聴覚障害者向け店舗を首都ワシントンにオープンした。同店で働く多くの従業員も聴覚に障害があり、全員が米国式の手話で顧客と意思疎通ができるという。オープニング時には、聴覚障害のあるアカデミー賞女優、マーリー・マトリン氏も姿を見せ、飲み物をオーダーした。
スターバックスの全米初となる「手話による店舗」は、首都ワシントンの北東部にある。同社が2016年にマレーシアの首都クアラルンプールにオープンした店舗をモデルとしており、開学から150年の伝統があり、世界で唯一全てのカリキュラムが聴覚障害者向けに設けられているギャローデット大学のキャンパスの近くに位置している。
同店は、一見しただけでは、ワシントンでもよく見かける他のスターバックスの店舗と余り違いはない。...
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スターバックスの全米初となる「手話による店舗」は、首都ワシントンの北東部にある。同社が2016年にマレーシアの首都クアラルンプールにオープンした店舗をモデルとしており、開学から150年の伝統があり、世界で唯一全てのカリキュラムが聴覚障害者向けに設けられているギャローデット大学のキャンパスの近くに位置している。
同店は、一見しただけでは、ワシントンでもよく見かける他のスターバックスの店舗と余り違いはない。店員は黒いシャツと同社のロゴの付いた緑色のエプロンを着用し、冷暖の飲料、ベーグルやデニッシュなどを顧客らに提供するため、カウンターの中を忙しく動き回っている。しかし、殆どの会話が手話によって行われているためか、多くの客が同店を訪れているにも関わらず、店内は驚くほど静かだ。
同店を訪れたギャローデット大学の女子学生は、「聴覚障害の学生たちが、キャンパス外で交流したり、他の聴覚障害のある人々と会って食事をしたり、聴覚障害のある店員とも出会うことができる場所を提供してくれる。」と語った。
女子学生はさらに、普通のスターバックスでは、店員に理解して欲しいと思いながら話しかけるか、携帯電話に商品名を書くなどしてオーダーしていたが、同店ではその必要はなく、注文の商品が用意できた際にも、名前がスクリーン上に表示されるため、他店のように、店員に呼ばれる声を懸命に聞き取ろうとしなくても済むと喜んだ。
同店ではスターバックスのロゴを手話の手の形で描いた表示が掲げられており、店内には聴覚障害のアーティストがデザインした壁画やマグカップが置かれ、カップは販売されている。また「今週の手話」として、「コーヒー」を表す手話の方法が示されていた。
スターバックスは、同店舗の目的は、多様化するコミュニティーを結び付けることと説明する。同社は4月、ペンシルベニア州・フィラデルフィアの店舗で知り合いを待っていた黒人男性2人が逮捕された事件で、人種差別的な対応をしたとして厳しい批判を受けた。
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