米マイクロソフトは9日(米国時間8日)、東南アジアの配車サービス大手グラブと技術提携し、同社への出資で合意したことを明らかにした。両社は、ビッグデータや人工知能(AI)などの技術プロジェクトについて協業を目指すという。ロイター通信、ブルームバーグなどが報じている。
提携期間は5年だが、出資額は公表されなかった。グラブは年末までに、約30億ドルの資金を調達する計画を示しており、既に今年20億ドルを集めている。同社は、今回のマイクロソフトとの合意前の時点で、トヨタ自動車や、マイクロソフトの共同創業者ポール・アレン氏のバルカン・キャピタルなどの金融会社から資金を調達していた。
情報筋によると、グラブは残りの資金調達については、戦略的企業や金融会社に出資を依頼する可能性が高いとされる。...
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提携期間は5年だが、出資額は公表されなかった。グラブは年末までに、約30億ドルの資金を調達する計画を示しており、既に今年20億ドルを集めている。同社は、今回のマイクロソフトとの合意前の時点で、トヨタ自動車や、マイクロソフトの共同創業者ポール・アレン氏のバルカン・キャピタルなどの金融会社から資金を調達していた。
情報筋によると、グラブは残りの資金調達については、戦略的企業や金融会社に出資を依頼する可能性が高いとされる。ロイター通信は先週、既にグラブを支援しているソフトバンク・グループが、約5億ドルを出資することで合意に近づいていると報じた。
両社が発表した声明によれば、グラブはマイクロソフトと協業し、配車サービスの向上のために、携帯端末用の顔認識や画像認識、コンピュータ・ビジョンなどの技術利用について検討していく。例えば、乗客が現在地の写真を撮影すると、それが運転手のために実際の住所情報に変換され、迎車時の利便性が高まることなどが考えられる。
両社の戦略的な提携関係には、グラブがマイクロソフトのクラウドサービス「アジュール(Azure)」を優先的なプラットフォームとして採用し、データ分析や詐欺検知サービスに活用することなども含まれる。グラブは現在、アマゾン・ウェブ・サービスなどのシステムを使用している。
シンガポールを本拠とするグラブは、過去6年間で、東南アジアの8カ国235都市に配車ビジネスを展開してきた。同社は、配車サービスの他、食品や小荷物の配達、電子送金、小口融資、モバイル決済などのサービスを提供し、消費者向け技術を主導する企業グループへの脱皮を図る。
東南アジアは6億4,000万人の人口を抱え、アリババ、テンセント、グーグル、ソフトバンクなどのIT企業が、ライドシェア、ネット決済や電子商取引の分野などでしのぎを削る地域だ。インドネシアで配車サービスを手掛けるグラブの競合会社ゴジェックも、東南アジアでビジネスを拡大しており、競争は一段と激化している。
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