英国の教育専門誌
『タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE、注後記)』が9月26日、「2019年世界大学ランキング」を発表した。
それによると、トップ10は昨年に続き、英国3大学・米7大学で占められた。
評価対象となったのは、全世界の1,258大学で、1国でランクインした大学数では、日本は103校と、米国の172校に次ぐ順位となっている。
しかし、アジアにおいては近年、シンガポール・中国・香港・韓国の大学の上位進出はすさまじく、今回、アジア最上位は中国の清華大(全体の22位)、2位はシンガポール国立大(同23位)と続いた。...
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英国の教育専門誌
『タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE、注後記)』が9月26日、「2019年世界大学ランキング」を発表した。
それによると、トップ10は昨年に続き、英国3大学・米7大学で占められた。
評価対象となったのは、全世界の1,258大学で、1国でランクインした大学数では、日本は103校と、米国の172校に次ぐ順位となっている。
しかし、アジアにおいては近年、シンガポール・中国・香港・韓国の大学の上位進出はすさまじく、今回、アジア最上位は中国の清華大(全体の22位)、2位はシンガポール国立大(同23位)と続いた。
更に、3位に北京大(同31位)、4位に香港大(同36位)であり、東京大(同42位)はアジアの5位に甘んじている。
そして、アジア他国の躍進の証しとして、全体の上位200位に入ったのは、中国7大学、
香港5大学、韓国4大学、シンガポール2大学であったが、日本は京都大(同65位)と合
せて僅か2校に留まった。
日本の大学の競争力低下のひとつの大きな要因として、経済協力開発機構(OECD)が今
年9月初めに公表した「加盟各国の国内総生産(GDP)に占める教育機関への公的支出割
合(2015年データ)」において、日本のそれは僅か2.9%と2年連続最下位に甘んじてい
ることが挙げられよう。
因みに、OECD平均は4.2%で、トップ3はノルウェー(6.3%)、フィンランド(5.6%)、
アイスランド(5.5%)であった。
THEのフィル・ベティ編集ディレクターが発言した、“アジアでの競争が激化する中、日本の高等教育機関の大半は衰退、または停滞している。競争力のある教育大国としての地位
を強化したいなら、政府支援も含めた遥かに大きな投資と国際化が必要になる”とのコメ
ントが正に正鵠を射ていると言えよう。
(注)THE:英国の『タイムズ』が新聞の付録冊子として毎年秋に発行している高等教育情報誌。2004年から「世界大学ランキング」を公表。①教育力、②研究力、③研究の影響力、④国際性、⑤産業界からの収入―の各分野を設けて大学の実績を調べたり、世界の研究者にアケート調査をしたりして順位を決定。順位付けの基準は、研究や大学院教育を重視しているため、学部教育が中心の大学や人文社会系の大学より、大学院の規模が大きい大学や医学系の学部をもつ大学が上位に入りやすい傾向。
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