8月2日付で出版されたニューイングランド医学誌(NEJM)に、マラソン大会で心臓発作を起こしたランナーの救命実績に関する日本人研究者の興味深いデータが発表された。
これによると、マラソン大会で、マラソンランナーの救護設備、特に心臓発作に備えた心臓マッサージやAEDなどの蘇生設備が整っていれば、突然死につながる心臓発作を起こしたランナーを100%の確率で救命できたとのことである。
さらに、心臓発作から回復したランナーは、いずれも何ら後遺症を残していないと報告している。
日本では、12年前から、マラソン大会では、マラソンランナーの万が一の心臓発作に備えた心臓マッサージやAEDなどの蘇生設備をマラソンコース内各所に整備している。...
全部読む
これによると、マラソン大会で、マラソンランナーの救護設備、特に心臓発作に備えた心臓マッサージやAEDなどの蘇生設備が整っていれば、突然死につながる心臓発作を起こしたランナーを100%の確率で救命できたとのことである。
さらに、心臓発作から回復したランナーは、いずれも何ら後遺症を残していないと報告している。
日本では、12年前から、マラソン大会では、マラソンランナーの万が一の心臓発作に備えた心臓マッサージやAEDなどの蘇生設備をマラソンコース内各所に整備している。
日本での過去12年間の統計結果によると、10kmから42.2kmの距離の251回のマラソン大会で30件の心臓発作がマラソンランナーに起こったが、28件ではマラソンランナーは蘇生設備のおかげで、その場で蘇生し、その後、脳、神経系統に何ら障害が残らなかったという結果を得ている。
蘇生作業時間を平均すると、患者の心臓マッサージを1分以内で開始し、AEDによる最初のショックを2.2分後に与えていた。
最近の日本での大きなマラソン大会では、コース内にAEDを携帯した救護班が徒歩か、自転車に乗ってマラソンランナーを巡回している光景も見られるようになった。
マラソン人口の増加に伴い、他の国のマラソン大会でも、日本での心臓発作患者の救命実績を見習って、同様の救命設備の整備が行われることが望まれる。
閉じる