象の保護のためのNGO、「国境なき象の保護(Elephant without Borders)」が野生動物および国立公園担当省の協力を受けて、8月末にボツワナ共和国の象の生息状況を空から調査したところ、90頭以上の象の死体が発見された。
9月4日での、象の保護のためのNGO責任者のマイク・チェイス氏の発表によると、生息状況の調査は、7月10日に始めたが、日ごとに象の死体の数が増えており、ほとんどの象は、北部のオカバンゴ湿地帯の有名な動物保護地区において、大口径の銃により殺されているという。同氏は、今回の事態がアフリカでの密猟事件で最悪な部類に相当すると指摘している。
密猟が横行するようになったのは、ボツワナ政府が密猟者を取り締まる役目を持つ警備隊に武装解除させるという間違った決定を行ってから数週間後からであった。...
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9月4日での、象の保護のためのNGO責任者のマイク・チェイス氏の発表によると、生息状況の調査は、7月10日に始めたが、日ごとに象の死体の数が増えており、ほとんどの象は、北部のオカバンゴ湿地帯の有名な動物保護地区において、大口径の銃により殺されているという。同氏は、今回の事態がアフリカでの密猟事件で最悪な部類に相当すると指摘している。
密猟が横行するようになったのは、ボツワナ政府が密猟者を取り締まる役目を持つ警備隊に武装解除させるという間違った決定を行ってから数週間後からであった。
5月までは、野生動物保護の立場を取る前大統領、イアン・カーマ大統領の政策のもと、警備隊は厳重に武装しており、密猟者に対して発砲することが許可されていた。ところが、5月にマシシ大統領に政権が交代した後、新政権により何ら説明無しに警備隊の武装解除が決定された。
国際動物福祉基金(IFAW)の副代表のジェイソン・ベル氏によると、ボツワナ共和国での象の大量密猟を重く受け止めており、IFAWとして何らかの働きかけを模索している。
象の保護のためのNGO責任者のマイク・チェイス氏によると、密猟者は、ボツワナの近隣国であるアンゴラ人やザンビア人で、自国の象を密猟しつくして象がいなくなったので、ボツワナ共和国にまで密猟に来ている。
国際自然保護連合(IUCN)の推定によると、象牙の密売取引により、過去10年間でアフリカ象が30万頭以上殺されており、生息する象の数が41.5万頭から11.1万頭に減少している。これは野生動物保護の立場からすると、憂慮すべき事態と考えられる。
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