米航空宇宙局(NASA)は3日、米航空宇宙機器大手ボーイングと米宇宙関連企業スペースXが開発した宇宙船に最初に搭乗する宇宙飛行士9人を発表した。2011年のスペースシャトル計画終了後初の米国発の有人宇宙飛行を行う。
過去7年間、NASAの宇宙飛行士は、ロシアの宇宙船「ソユーズ」に乗って宇宙軌道に送られてきたが、米国はこれに対し、1人あたり約8,000万ドル(約89兆円)の費用をロシアに支払ってきた経緯にある。
米国はこうした中、自国の民間宇宙船により、自国の領土から宇宙飛行士を国際宇宙ステーション(ISS)に送る有人飛行の実現を目指している。9人は、NASAが開発を委託したボーイング社製の「CST-100スターライナー」と、イーロンマスク氏のスペースX社製の「クルードラゴン」に搭乗することになる。...
全部読む
過去7年間、NASAの宇宙飛行士は、ロシアの宇宙船「ソユーズ」に乗って宇宙軌道に送られてきたが、米国はこれに対し、1人あたり約8,000万ドル(約89兆円)の費用をロシアに支払ってきた経緯にある。
米国はこうした中、自国の民間宇宙船により、自国の領土から宇宙飛行士を国際宇宙ステーション(ISS)に送る有人飛行の実現を目指している。9人は、NASAが開発を委託したボーイング社製の「CST-100スターライナー」と、イーロンマスク氏のスペースX社製の「クルードラゴン」に搭乗することになる。
NASAの発表によると、ボーイングについては、無人試験飛行が年内に、最初の有人試験飛行が2019年の半ばに予定されており、スペースXについては、無人のデモ飛行が今年の11月、最初の有人試験飛行は2019年4月に計画されている。両社とも有人試験飛行については少し予定が遅れており、当初のスケジュールでは、2018年に行う予定だった。
有人試験飛行が成功すれば、その後両社は実際の任務へと進むことになる。NASAは6回の任務について宇宙飛行士と契約済みだが、両社それぞれの1回の任務あたり最大4人が参加する。3日に発表された9人の飛行士は、有人試験飛行の5人と最初の任務を実行する4人であり、いずれも軍の出身だ。その内女性は2人で、3人が初飛行であるという。スペースシャトルに搭乗したベテラン飛行士も含まれる。
NASAは2014年に、商用有人飛行計画の一部として、ボーイングとスペースXの2社と契約した。その目的は、「地球とISS間を往復するための、安全で信頼できる、コスト効率の良い移動手段を持った上で、他の潜在的な地球低軌道の目的地への商用移動手段を開発すること」と説明している。
NASAはまた、今後10年の間に人類を再び月に送るためのロケットと宇宙船の開発に取り組んでおり、月や火星などさらに遠方の宇宙への任務について、米国が持続的な存在感を維持することや、それに対して民間の宇宙計画の果たす役割の重要性を強調している。
閉じる