【Globali】
昨年の世界の大気中CO2濃度が過去最高となるなど温暖化傾向が顕著、米政府機関報告(2018/08/04)
米気象学会と海洋大気局が1日に公表した世界の気象状況に関する年次報告書によると、2017年は大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が過去最高を更新し、世界の平均気温も観測史上2~3番目の高さとなった。北極圏などの氷の溶ける量やこれに伴う海水面の上昇も記録的であったことが明らかになり、様々な指標により、地球温暖化がかつてないペースで進行していることが改めて示された。
同報告書は300頁以上にわたり、60以上の国や地域の450人超の科学者から提供されたデータなどをまとめ、毎年の世界の気象状況を説明しており、2017年については、「異常な」という言葉が10回以上使われている。
これによると、先ず大気中に排出される温室効果ガスの内、最も温暖化に関係するCO2、メタンガス、亜酸化窒素の濃度が、いずれも過去最高水準に達した。CO2濃度の世界年間平均は、405PPMにまで上昇しているが、深刻な温暖化の影響を避けるには420PPM程度に抑えることが必要とされており、上限に近づいている。...
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同報告書は300頁以上にわたり、60以上の国や地域の450人超の科学者から提供されたデータなどをまとめ、毎年の世界の気象状況を説明しており、2017年については、「異常な」という言葉が10回以上使われている。
これによると、先ず大気中に排出される温室効果ガスの内、最も温暖化に関係するCO2、メタンガス、亜酸化窒素の濃度が、いずれも過去最高水準に達した。CO2濃度の世界年間平均は、405PPMにまで上昇しているが、深刻な温暖化の影響を避けるには420PPM程度に抑えることが必要とされており、上限に近づいている。世界のCO2の増加率は、1960年代初め以来ほぼ4倍増となっているという。
現代における最も暑かった年は2016年だが、2017年も使用データによるが、観測史上2~3番目に平均気温が高かった。報告書は世界の殆どの地域で、平年より相当程度暑かったとしており、アルゼンチン、ブルガリア、スペイン、ウルグアイなどで年間最高気温を記録し、メキシコでは4年連続で最高を更新した。2017年はまた、強力なエルニーニョ現象が起きていない年の中で、最も暑い年だった。
北極圏の気温は、1900年に統計を取り始めて以来、2016年に続いて2番目に高くなり、地表面温度は1981~2010年の平均より1.6度高かった。世界の氷河は、連続で38年間縮小を続けている。南極では、海氷量が一年中これまでの平均量を下回っており、特に2017年の1~4月は記録的に少なかった。こうして氷床が減少した結果、世界の平均海面は、6年連続で記録的な高さに達し、1993年から7.7センチも上昇している。
2017年には海水温の上昇が過去最高に近かったため、大気中の湿度が上昇し、多くの雨が降ったが、長引く干ばつに見舞われた地域もあり、各地の降水量には大きなバラツキがあった。また海水温の上昇で、広範囲のサンゴの白化が発生し、海洋の生態系に大きな影響が出ている。世界的なサンゴの白化は丸3年続いており、深刻な状況になっている。
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