プーチン大統領の政策に対して抗議の声を上げることは、とても珍しいことであるが、昨日は共産党の呼びかけに呼応して、全国規模で数万人の人々が定年年齢の延長の法案に反対したデモに参加した。なお、議会に提出されている法案では、現状の定年年齢が男性の場合、60才から65才に、女性の場合、55才から63才に引き上げられる。
モスクワのデモ参加者たちは昨日のデモで、口々に「プーチンよ、我々の定年退職に手を付けるな」と唱え、「我々は、退職後の生活をエンジョイしたい。...
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プーチン大統領の政策に対して抗議の声を上げることは、とても珍しいことであるが、昨日は共産党の呼びかけに呼応して、全国規模で数万人の人々が定年年齢の延長の法案に反対したデモに参加した。なお、議会に提出されている法案では、現状の定年年齢が男性の場合、60才から65才に、女性の場合、55才から63才に引き上げられる。
モスクワのデモ参加者たちは昨日のデモで、口々に「プーチンよ、我々の定年退職に手を付けるな」と唱え、「我々は、退職後の生活をエンジョイしたい。死ぬまで働かされるのはごめんだ。」と書かれたプラカードを振りかざしで抗議の声を高くあげた。
定年年齢の延長の法案に対する反対運動では、これまでプーチン大統領の政策に好意的であった共産党までが反対支持をしており、インターネットを通じたオンラインでの法案反対署名者の数は290万名に及んでいる。
なお、メドべデフ首相を通じて公表されている定年延長改革案では、来年2019年からの段階的な延長を計画し、男性の場合、2028年までに10年かけて60才から最終的に65才に、女性の場合、2034年までに16年かけて55才から63才に延長される。
なお、統計によると、ロシア人の平均寿命が男性で67.5才、女性で77.7才となっているので、今回の定年退職延長案が適用されるとすると特に男性の場合、定年退職後の人生が2年余りの短い期間となり、労働者にとってはかなり厳しい改革といえる。
プーチン大統領が先週語ったところによると、大統領自身も定年延長は乗り気ではないが、(国家財政再建を考慮すると)勇断実行せざるを得ないとのことである。
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