中国で初となる「蚊の出没予報」が先週4日から始まった。9日付の中国メディアの報道などによれば、野外での活動の調整など、蚊の発生に備えた事前の対策が可能となるよう、地域毎の蚊の出没に関する情報が公開されている。
新サービス「全国蚊子出没予報」は、気温や湿度など、昆虫の生存や再生にとって非常に重要な天候要因を使用したアルゴリズムに基づいたシステムであり、中国気象局のモバイルサイトを通じてアクセス可能となっている。
当予報システムの開発などについて協力した江蘇省気象局によれば、データは1時間ごとに更新され、システムの利用者の位置情報に基づき、その所在地を中心に半径2.5キロ以内の地域における蚊の密集度合いを確認できる。...
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新サービス「全国蚊子出没予報」は、気温や湿度など、昆虫の生存や再生にとって非常に重要な天候要因を使用したアルゴリズムに基づいたシステムであり、中国気象局のモバイルサイトを通じてアクセス可能となっている。
当予報システムの開発などについて協力した江蘇省気象局によれば、データは1時間ごとに更新され、システムの利用者の位置情報に基づき、その所在地を中心に半径2.5キロ以内の地域における蚊の密集度合いを確認できる。また、今後72時間以内の状況を、3時間毎の気象条件が蚊の発生に及ぼす影響を考慮して作成されたグラフによって、参照することもできる。
蚊の出没状況は、「やや少ない(緑)」「正常(黄)」「やや多い(オレンジ)」「多い(赤)」の4段階に分けて表現され、全国的な状況を地域毎に色付けして表示した地図も掲載されている。利用者が「正確」「不正確」の2つのボタンを押して、データの正確性に関するフィードバックを送信する機能もあるという。
本予報によると、例えば7月4~5日には、重慶、陝西、安徽、江蘇などの地域では、気象条件が蚊の生育にとって適していたため蚊が多く、一方、内モンゴル、新疆、チベットなどについては、蚊が比較的少ないとされていた。
蚊の出没予報は、9月末まで提供される。蚊が最も増える気象条件は、気温が25~30℃で多湿の状況であり、中国では6月から9月にかけて毎年蚊が大量発生している。中国政府は、蚊が媒介するマラリア、フィラリア、日本脳炎、デング熱などの伝染病の予防のため、5月に蚊の撃退作戦を開始した。
専門家は、蚊の大量発生は、気温や湿度などの天候要因だけによるものではなく、地域によって大きく異なる衛生状況などにも影響されるため、狭い範囲での蚊の出没予報については、正確度が下がることもあり得ると指摘している。
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