ロイター通信と調査会社イプソスは13日、シンガポールで12日に行われた史上初の米朝首脳会談直後に実施した世論調査の結果を公表した。これによると、トランプ米大統領の北朝鮮問題への対応を支持する人は半数強の51%だったが、共同声明による合意が守られ、朝鮮半島の非核化に繋がると考えている人は、僅か26%に過ぎないことがわかった。
本調査は12~13日、米国内でインターネットを通じ英語で行われた。民主・共和両党の支持者それぞれ400人以上から回答があり、合計で1,000人以上の成人から回答を得た。
これによると、トランプ大統領の北朝鮮問題への対応について支持する人の割合は51%と半数を少し超えた。今回の首脳会談と共同声明で最も功績があったと評価すべき人物については、トランプ大統領と回答した人が40%、韓国の文在寅大統領とした人は11%、金正恩朝鮮労働党委員長とした人は7%だった。...
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本調査は12~13日、米国内でインターネットを通じ英語で行われた。民主・共和両党の支持者それぞれ400人以上から回答があり、合計で1,000人以上の成人から回答を得た。
これによると、トランプ大統領の北朝鮮問題への対応について支持する人の割合は51%と半数を少し超えた。今回の首脳会談と共同声明で最も功績があったと評価すべき人物については、トランプ大統領と回答した人が40%、韓国の文在寅大統領とした人は11%、金正恩朝鮮労働党委員長とした人は7%だった。
首脳会談後の共同声明では、金正恩委員長は、朝鮮半島の「完全な非核化」に取り組むこと、トランプ大統領は北朝鮮への安全保障の提供を確約した。但し、非核化の具体的な内容は、声明に盛り込まれなかった。
これに対し、合意事項が守られ非核化に繋がると回答した人は僅か26%だった。40%の人が両者は合意事項を守らない、34%は守るかどうかわからないと回答した。また、今回の首脳会談により、米朝間の核戦争の脅威が低下したと回答した人は39%で、状況は何ら変わらないと回答した人の37%を少しだけ上回った。
政党別に見ると、やはり共和党支持者は、民主党支持者より会談の成果について歓迎している。両国が合意を守ると回答した共和党支持者の数は民主党支持者の約3倍、会談により核戦争の脅威が低下したと回答した人は約2倍となった。民主党支持者は当然ながらトランプ大統領を支持する人は少なく、同大統領の政策全般に対する支持率は僅か12%だが、北朝鮮問題への対応に限っては、約30%が支持している。
トランプ大統領は、北朝鮮を交渉のテーブルに引きずり出した自らの役割を繰り返し自賛しているが、今回の外交の進展が、11月の中間選挙で共和党候補を利するかについて、現時点で判断するのは難しい。外交政策は中間選挙時の有権者の大きな関心事にならないことも多い。
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