米アップルの株価は7日、過去最高を記録し、同社の時価総額は1兆ドル(約109兆円)に大きく近づいた。1兆ドルの大台に到達すれば、米企業としては史上初となる。ウォーレン・バフェット氏が4日、同社株の買い増しを公表したことも株高を後押しした。
アップルの株価は先週、この6年半で最大の週間上げ幅を記録した。著名資産家で世界最大の投資持株会社バークシャー・ハサウェイを率いるウォーレン・バフェット氏は4日、同社の年次株主総会で、アップルの株式を1~3月期に、7,500万株追加で取得したことを明らかにしている。
これによりバークシャー・ハサウェイは、保有してきた1億6,530万株に追加分を合わせ、アップルの発行済株式のおよそ5%に当たる2億4,000万株超を保有することとなった。...
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アップルの株価は先週、この6年半で最大の週間上げ幅を記録した。著名資産家で世界最大の投資持株会社バークシャー・ハサウェイを率いるウォーレン・バフェット氏は4日、同社の年次株主総会で、アップルの株式を1~3月期に、7,500万株追加で取得したことを明らかにしている。
これによりバークシャー・ハサウェイは、保有してきた1億6,530万株に追加分を合わせ、アップルの発行済株式のおよそ5%に当たる2億4,000万株超を保有することとなった。これが追い風となり、アップル株は7日に2%近く上昇し、同社の時価総額は9,400億ドルを超えて最高額を更新した。
アップルが5月1日に発表した2018年1~3月の業績は極めて順調だった。iPhoneの売り上げは米国で鈍化したものの、iPhoneXの販売が好調で全地域で増加し、中国や日本などでは20%以上の伸びを記録した。
同社は同時に大量の自社株買いの計画を発表している。1株当たりの利益を押し上げ、配当が増加するなどの効果があるが、これが好感を生み、株価は5月に入ってから13%も上昇した。バフェット氏はバークシャー・ハサウェイの総会で、自社株買いはアップルの莫大なキャッシュの使い方として、非常に優れている旨を投資家らに強調した。
アップル株は他のIT関連株の上昇をけん引している。同社は史上初の時価総額1兆ドル超えを近く達成する可能性があるが、他の3社も遠くない内に果たすかも知れない。マイクロソフトや、グーグルを傘下に持つアルファベットの時価総額は約7,500億ドルで、アマゾンはそれより若干高い。そしてフェイスブックは5,150億ドルで、今年初めの最高値より10%弱下落している。
これら巨大IT企業5社の時価総額の合計は、現在3兆7,000億ドルを超えており、昨年10月の3兆3,000億ドルから増加している。2016年の米大統領選や欧州の選挙を巡る各国政府の規制強化やメディアの厳しい報道などもあるが、投資家の期待は今なお大きい。
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