【Globali】
米国、世界初、極小センサーを組み込んだデジタル医薬品を今年から販売(2018/05/08)
薬を処方した患者の50%は処方通りに服用していないと言われている中、大塚製薬が米医療機器プロテウス・デジタル・ヘルス社と共同で開発したデジタル医薬品が、今年から米国で販売されている。
医薬品は、統合失調症の治療などに使われる抗精神病薬の錠剤に、センサーを組み込んだ「エビリファイ マイサイト」という薬。この薬は、服用後センサーが胃酸に反応してシグナルを発し、患者の腹部に貼られたパッチが信号を受信し、スマートフォン用のアプリにデータを転送する仕組みだ。センサーはシリコンと微量の銅、マグネシウムでできており、利用後は排せつ時に体外へ排出される。
今回販売が認められたのは精神疾患の患者のための薬に限定されている。...
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医薬品は、統合失調症の治療などに使われる抗精神病薬の錠剤に、センサーを組み込んだ「エビリファイ マイサイト」という薬。この薬は、服用後センサーが胃酸に反応してシグナルを発し、患者の腹部に貼られたパッチが信号を受信し、スマートフォン用のアプリにデータを転送する仕組みだ。センサーはシリコンと微量の銅、マグネシウムでできており、利用後は排せつ時に体外へ排出される。
今回販売が認められたのは精神疾患の患者のための薬に限定されている。患者の同意があれば介護者や医師も情報を共有することができ、患者が実際にいつ、どのように服薬をしているのか、薬の量の調整や、薬を飲み忘れる傾向のある患者の把握に役立てる。
特に統合失調症の患者は、自分が病気だと認識ができていない、認識していても副作用を回避したい、などの理由で服薬不良に陥り、病状が悪化する場合や、入院に至るケースが出てくるという。医師などが薬の服用状況を把握し、治療へ介入することができれば、患者の入院リスクを低減でき、結果として医療費の削減にもつながる可能性があると言われている。
ただし、服薬の検出が遅れる可能性や、検出されない可能性もあるため、本当にセンサーを組み込むことで、患者が処方通りに薬を取るようになるのか、それによって治療成績が上がるかどうかは、まだ今後の報告を待つことになる。
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