英国では6日、一定量以上の砂糖を含有する飲料に対し、「砂糖税」が施行された。深刻な肥満などの健康被害を予防することが目的であり、年間2億4,000万ポンド(約360億円)の税収を見込んでいる。税収の一部については、学校の運動施設設置などのスポーツ関連プログラム他に用いられる。
砂糖税の施行は英国が初めてではなく、フランス、ノルウェー、メキシコなどの国々で既に導入されており、肥満対策や子供の歯の溶解防止のために、ソフトドリンクなどに対して課税している。
今回英国で導入された砂糖税の概要は次の通り。生産者および輸入販売業者に対して課され、対象の飲料は、砂糖などの糖を含む清涼飲料水や、アルコール度数1.2%以上のアルコール飲料の内、100ミリリットル当たり5グラム以上の砂糖を含有するもの。...
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砂糖税の施行は英国が初めてではなく、フランス、ノルウェー、メキシコなどの国々で既に導入されており、肥満対策や子供の歯の溶解防止のために、ソフトドリンクなどに対して課税している。
今回英国で導入された砂糖税の概要は次の通り。生産者および輸入販売業者に対して課され、対象の飲料は、砂糖などの糖を含む清涼飲料水や、アルコール度数1.2%以上のアルコール飲料の内、100ミリリットル当たり5グラム以上の砂糖を含有するもの。但し、加糖されていない100%果汁のジュースや、カルシウムの摂取に役立つ75%以上が牛乳の飲料については対象外としている。税額は100ミリリットル当たりの砂糖の含有量が8グラム未満の場合、1リットル当たり18ペンス(約27円)で、同8グラム以上の場合には、同24ペンス(約36円)となる。
最も売れている飲料ブランドである、ファンタ(Fanta)、ライビーナ(Ribena)、ルコゼード(Lucozade)などは、課税を避けるために、例えばファンタが30%など、既に製品の砂糖含有量を大幅に削減している。しかし、コカ・コーラ(Coca-Cola)(クラシック)やペプシ(Pepsi)などは、ともに従来の原材料の配合を維持しており、100ミリリットル当たり10グラム以上の砂糖が含まれている。英国のスーパーで1.75リットルのコーラのボトルを購入する場合、砂糖税の施行後、価格が約25%も上昇した例もあるという。
政府は特に若者の肥満を懸念しており、10代では標準量の3倍以上の砂糖を消費しているとされる。スティーブン・ブライン公衆衛生相は、「我が国の10代の若者は、毎年砂糖入りの飲料を平均バスタブ1杯近く消費しており、それが懸念される肥満の傾向を助長している。」と指摘し、「税金は砂糖の摂取の減少に役立つ革新的な政策だ。」と強調した。
在任中の2016年に同税の導入を明らかにしたジョージ・オズボーン前財務相は、次は多量の砂糖を含むミルク・シェイクなどが対象となると考えており、「砂糖税は、乳製品のようなものへと拡大されることになると思う。」と述べている。
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