中国は米国と貿易戦争を始めつつあり、ロシアは、ロシア元スパイの暗殺未遂事件を契機とした米国との外交官追放合戦を展開している。かつては犬猿の仲であった社会主義国家同士ではあるが、現在は共通の敵である米国と激しくつばぜり合いをしていることから、軍拡競争で米国と対峙すべく、中ロ双方は防衛協力を益々強化しようと企てている。中国の新任国防部長(大臣相当)が初外遊先をロシアとしたことで、その方針を際立たせようとしている。
4月3日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』(
『AP通信』配信):「中国の国防部長のロシア訪問は米国への警告を意図」
中国の新任国防部長の魏鳳和上将(ウェイ・フォンホー、63歳)は4月3日、自身のロシア訪問は中ロ間防衛強化が進捗していることを米国宛に警告する意味があるとの声明を公表した。
同部長は、今年3月の就任後初の外遊先をロシアとしたことが中ロ連携の強い意図を示すものだと強調した。...
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4月3日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』(
『AP通信』配信):「中国の国防部長のロシア訪問は米国への警告を意図」
中国の新任国防部長の魏鳳和上将(ウェイ・フォンホー、63歳)は4月3日、自身のロシア訪問は中ロ間防衛強化が進捗していることを米国宛に警告する意味があるとの声明を公表した。
同部長は、今年3月の就任後初の外遊先をロシアとしたことが中ロ連携の強い意図を示すものだと強調した。
同部長を歓待したセルゲイ・ショイグ国防相も、魏部長のロシア訪問によって、中ロ間軍事的連携が増々強まることになるとコメントした。
かつて反目し合っていた中ロ両国は、“戦略的パートナーシップ”を固めることで、米国“1強”の国際情勢を変革すべく協調していこうとしている。
具体的には、南シナ海での合同訓練や昨夏のバルト海における海上演習を実施している。特に、バルト海においては、北大西洋条約機構(NATO)との緊張が高まっていたロシアにとって、軍事力強化を果たした中国軍の初の海上演習参加を得た意義は大きい。
また、両国は昨年12月、ミサイル防衛合同演習も実施している。
同日付ロシア『イタル・タス通信』:「中国国防部長、モスクワ国際安全保障会議に出席」
中国の魏国防部長は4月3日、第7回モスクワ国際安全保障会議(MISC)出席のためモスクワ入りした。
そして同部長は、早速ショイグ国防相と会談し、中ロ両国の軍事協力を益々強化していくことで米国に対する強い警告とする意図である旨語った。
また、同部長は、習近平(シー・チンピン)国家主席の指示により、MISCに出席し、中国はロシア支援していくとの意思、そして、国際平和実現のために中ロ双方が一致協力していくことを内外に示す狙いがあるとも付言した。
なお、第7回MISCは4月4~5日に開催される。
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