2月16日付Globali「親中政権のフィリピン、同国排他的経済水域内と主張するルソン島北東側の大陸棚(ベンハム隆起)での中国側海洋調査を許可するも、同隆起内地形に中国名の命名には反発」で触れたとおり、ロドリゴ・ドゥテルテ政権は、総論で中国経済支援を受け入れ、各論ではフィリピン権益を何とか守ろうと模索している。そして今度は、中国最大の電子商取引企業アリババグループ(注後記)の幹部を招聘し、フィリピンIT産業支援を依頼しようとしている。
2月18日付UAE
『ザ・ナショナル』英字ニュース(
『ブルームバーグ』配信):「アリババの馬代表、フィリピンのドゥテルテ政権にIT支援」
フィリピンのカルロス・ドミンゲス財務相は2月18日、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領の政策実行に協力してもらうため、中国の馬雲(ジャック・マー)アリババグループ代表を招聘したと発表した。
同相によると、アリババグループに、フィリピンにおけるIT産業の育成及び中小企業を支援する金融システムの構築のための支援を依頼したという。...
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2月18日付UAE
『ザ・ナショナル』英字ニュース(
『ブルームバーグ』配信):「アリババの馬代表、フィリピンのドゥテルテ政権にIT支援」
フィリピンのカルロス・ドミンゲス財務相は2月18日、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領の政策実行に協力してもらうため、中国の馬雲(ジャック・マー)アリババグループ代表を招聘したと発表した。
同相によると、アリババグループに、フィリピンにおけるIT産業の育成及び中小企業を支援する金融システムの構築のための支援を依頼したという。
また、同相は、昨年11月に馬氏がマニラを訪問してドゥテルテ大統領と面談したが、同大統領は馬氏の考え方や流儀にいたく感動したと明かした。
なお、同相含めた数人のフィリピン政府高官が、1月31日~2月2日に杭州(ハンジョウ、浙江省々都)で開催されたアリババ・ビジネス・スクール/新経済研修会に出席した。
その際馬氏は、フィリピンこそ今後の経済発展のために電子商取引導入するのに適していると説明している。
2月19日付フィリピン『ザ・デイリィ・トリビューン』紙:「財務相、新経済発展の支援パートナーとしてアリババグループを招聘」
ドミンゲス財務相は、フィリピン政府とアリババグループの密接な連携によって、中比関係が更に盤石となっていくだろうと表明した。
なお、同グループの馬代表は2月1日、同相を含めた訪中団に対して、電子商取引は途上国にこそ相応しく、フィリピンはIT産業を発展させていく“大きな可能性”を秘めていると語っている。
(注)アリババグループ(阿里巴巴集団):1999年創立の企業間電子商取引会社。2016年3月期、米ウォルマート、米コストコ、仏カルフールを抑えて、世界最大の小売・流通企業となる。また、国際オリンピック委員会(IOC)と2018~2028年の10年間のワールドワイドパートナー契約を締結し、2018年平昌冬季大会、2020年東京夏季大会、2022年北京冬季大会等のスポンサーに決定。
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