2月5日、陸上自衛隊(陸自)の戦闘ヘリコプターが佐賀県内の民家に墜落した。幸い、住人に死傷者は出なかったが、陸自乗員2名が犠牲となった。
今年1月、沖縄県普天間基地所属の攻撃ヘリコプターが立て続けに3度不時着していたことから、誰しも災いが続かないことを願っていた矢先の不幸な事故が発生、それも陸自において起こったことで、世間の目はより厳しくなると思われる。
直近3年間の自衛隊機、在日米軍機の墜落・不時着事故をみてみると、2017年に自衛隊機の墜落事故が最多の5件も発生している(ヘリコプター・ジェット戦闘機・偵察機などで、①合計犠牲者11名、②負傷者4名)。...
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2月5日、陸上自衛隊(陸自)の戦闘ヘリコプターが佐賀県内の民家に墜落した。幸い、住人に死傷者は出なかったが、陸自乗員2名が犠牲となった。
今年1月、沖縄県普天間基地所属の攻撃ヘリコプターが立て続けに3度不時着していたことから、誰しも災いが続かないことを願っていた矢先の不幸な事故が発生、それも陸自において起こったことで、世間の目はより厳しくなると思われる。
直近3年間の自衛隊機、在日米軍機の墜落・不時着事故をみてみると、2017年に自衛隊機の墜落事故が最多の5件も発生している(ヘリコプター・ジェット戦闘機・偵察機などで、①合計犠牲者11名、②負傷者4名)。
2015年4件(①3、②5)、2016年1件(①6、②0)で推移していたこともあり、大いに懸念されていたことではあったと言えよう。
一方、在日米軍機の場合も、2015年1件(①0、②6)、2016年4件(①1、②2)、2017年3件(①3、②0)であったから、オスプレイ(垂直離着陸機)導入と相俟って、墜落・不時着事故が急増していることが懸念されている。
なお、世界における直近3年間の軍用機墜落事故をみてみると、戦争・紛争以外でも毎年20件前後発生しており、巻き添えになった民間人含めて多くが犠牲になっている。
●2015年:総事故件数 14件(①85、②51)
(1) 米軍機の事故件数が4件(①22、②31)と、自衛隊機(①3、②5)に同じく最多。
(2) 8月発生の英国空軍のジェット戦闘機墜落事故(①7、②15)は、航空ショー時に発生したもので、幹線道路を走行中の車に乗っていた民間人も犠牲。
(3) 10月発生の米空軍の輸送機墜落事故(①11、②0)は、アフガニスタン東部の空港に墜落したもので、民間人5名も巻き添え。
●2016年:総事故件数 24件(①339、②5)
(1) インドネシア軍機の事故件数が5件(①174、②3)と最多、続いて米軍機の4件(①2、②1)。
(2) 2月発生のインドネシア空軍のターボプロペラ戦闘機墜落事故(①3、②0)は、東ジャワ州の人口密集地に墜落したもので、住民2名が巻き添え。
(3) 6月発生のインドネシア空軍の輸送機墜落事故(①143、②0)は、近年最多の犠牲者。
(4) 12月発生のロシア国防省のジェット旅客機墜落事故(①92、②0)がこれに続く。
●2017年:総事故件数 28件(①206、②40)
(1) 米軍機の事故件数が8件(①28、②28)と最多、続いて自衛隊機の5件(①11、②4)。
(2) 6月発生のミャンマー空軍の輸送機墜落事故(①122、②0)は、首都ヤンゴン南沖のアンダマン海で発生。
●2018年:総事故件数 4件(①19、②0)
(1) 1月発生のコロンビア陸軍の輸送ヘリコプター墜落事故(①10、②0)は、同国北西部の住宅街に墜落したもので、住民2名が巻き添え。
(2) 2月発生のフランス陸軍の訓練用ヘリコプター墜落事故(①5、②0)は、訓練機2機が空中衝突したもの。
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