地政学的にみてインドは、アジアと中東、欧州を結ぶ中間に位置しているが、これまでは発展途上国のひとつであって、核保有の点では無視できないものの、国際社会においてさほど注目されてはこなかった。しかし、21世紀に入って15年間で、国内総生産(GDP)を4倍に拡大し、世界最大の兵器輸入国の座をサウジアラビアと争うほど兵器市場としての重要性が増すなど、その存在感を強く表してきた。そして、中国の対抗馬として、日米などが連携を模索する事態を自覚するに至り、この程15年振りにインド海軍が国際観艦式を開いたと各国メディアが伝えた。
2月6日付米
『NYSEポスト』オンラインニュースは、「ドーワン海軍司令官、国際観艦式の意義を強調」との見出しで、次のように報じた。
「・インド海軍は2月6日、日本や米国など約50ヵ国の海軍の参加を得て国際観艦式をビシャカパトナム(インド南東部)で開催。
・インド海軍からは100隻の艦船及び60機の戦闘機、また、海外からは99隻の船舶、24隻の艦船、4千人の海軍軍人が参加。
・モディ首相などの出席を得て、ドーワン海軍司令官は、国際観艦式はインド海軍の能力を示す機会で、インド洋における安全航行確保等に全力で当たると力説し、中国を牽制(編注;中国は、パキスタン、スリランカ、ミャンマー、バングラデシュなどインド洋沿岸で港湾を建設する“真珠の首飾り”と呼ばれる海洋戦略を展開)。...
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2月6日付米
『NYSEポスト』オンラインニュースは、「ドーワン海軍司令官、国際観艦式の意義を強調」との見出しで、次のように報じた。
「・インド海軍は2月6日、日本や米国など約50ヵ国の海軍の参加を得て国際観艦式をビシャカパトナム(インド南東部)で開催。
・インド海軍からは100隻の艦船及び60機の戦闘機、また、海外からは99隻の船舶、24隻の艦船、4千人の海軍軍人が参加。
・モディ首相などの出席を得て、ドーワン海軍司令官は、国際観艦式はインド海軍の能力を示す機会で、インド洋における安全航行確保等に全力で当たると力説し、中国を牽制(編注;中国は、パキスタン、スリランカ、ミャンマー、バングラデシュなどインド洋沿岸で港湾を建設する“真珠の首飾り”と呼ばれる海洋戦略を展開)。」
同日付中国
『チャイナ・ナショナル・ニュース』は、「インド海軍司令官、国際観艦式でイ
ンド洋の安全航行を確保と発言」との見出しで、以下のように伝えた。
「・ドーワン海軍司令官は2月5日の記者会見で、国際観艦式を機会に、国際海洋上の安全航行確保等のため、インド洋における各国の協調の必要性を表明。
・同記者会見には、日本、米国、中国などの海軍高官も同席。
・同司令官はまた、国際海洋上の平和と安全確保のためには、一国(の海軍)だけでは無理があると強調。」
一方、2月7日付フランス
『パリ・ガーディアン』紙は、「国際観艦式で女性軍人が存在感」
との見出しで、次ように報じた。
「・国際観艦式に、インド海軍の女性船員だけの小型艦船が参加。
・インド海軍において女性軍人の比率はかなり低いが、このことは他国軍に余り例がないこと。フランス海軍から同観艦式に参加した女性将校はこれを称賛。
・インド軍勢力は130万人で、うち将校は5万9,400人。うち空軍で女性将校が最も多く1,350人、陸軍が1,300人、そして海軍は僅か450人。」
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