7月15日付
『BBCニュース』、フィリピン
『ジ・インクワイアラー』紙は、フィリピンの現役市長に対して、中国のスパイ容疑で逮捕状が発行されたと報じている。
フィリピンは、フェルディナンド・マルコスJr.大統領(66歳、2022年就任)が前政権の親中政策を翻して以来、中国との間で南シナ海領有権争いのある諸島でしばしば小競り合いを起こしている。
そのフィリピンでこの程、ルソン島中部タルラック州南端の田舎町であるバンバン市(人口7万8千人)の市長に対して、中国のスパイ容疑で逮捕状が発行されている。...
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7月15日付
『BBCニュース』、フィリピン
『ジ・インクワイアラー』紙は、フィリピンの現役市長に対して、中国のスパイ容疑で逮捕状が発行されたと報じている。
フィリピンは、フェルディナンド・マルコスJr.大統領(66歳、2022年就任)が前政権の親中政策を翻して以来、中国との間で南シナ海領有権争いのある諸島でしばしば小競り合いを起こしている。
そのフィリピンでこの程、ルソン島中部タルラック州南端の田舎町であるバンバン市(人口7万8千人)の市長に対して、中国のスパイ容疑で逮捕状が発行されている。
容疑者は、2022年の市長選に無所属で出馬して初当選したアリス・グオ(33歳)で、オンラインカジノ会社「フィリピン・オフショア・ゲイミング・オペレイターズ(POGOs、中国資本)」の違法行為にも関与しているとの疑いもある。
POGOsは、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領(当時71歳)が2016年に就任して親中政策を取っていた間、業容を大規模に拡大していて中国とも密接な関係をいた会社だが、これまで度々オンライン詐欺、人身売買、その他違法行為の嫌疑が取り沙汰されてきていた。
しかし、マルコスJr.大統領政権下の現在は、特に厳しく監視されている。
グオ容疑者を告発しているシャーウィン・ガチャリアン上院議員(50歳、2016年初当選)は、“彼女の本名は郭華平(グオ・ホアピン)で、中国国籍を有しており、(フィリピン法では)市長等の役職に就けない”と糾弾している。
同議員が中心となって、グオ容疑者のスパイ嫌疑やPOGOsの違法行為関与の疑いを調査すべく、同容疑者を6月25日及び7月10日の上院公聴会に召還したが、いずれも欠席したことから、上院名で同容疑者及び家族を議会侮辱罪で告発し、7月12日に逮捕状が発行された。
これに先立つ7月11日、マネーロンダリング防止協議会(AMLC、2001年設立)が同容疑者をPOGOsの仮装通貨投資詐欺容疑に関与した嫌疑で告発し、同容疑者の資産凍結命令が裁判所から発行されている。
しかし、7月12日の逮捕状を持って警察がグオ容疑者確保に向かったが、住居や事務所等にはおらず、行方をくらましている。
同容疑者は当日、“(支持者の方々に)暫く会えない”とした上で、“自分は不法行為に関与していないし、また、中国のスパイでもないし、更にフィリピン人であるからフィリピンを、そしてバンバン市を愛している”と『フェイスブック』に投稿していた。
なお、同容疑者は上記とは別の汚職容疑で、今年6月初めに市長職の停止処分を受けている。
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