7月9日付英
『デイリー・エクスプレス』:「車が5千マイル先まで運ばれる”車両盗難大国”」:
カナダでは5分に一台が車両盗難に遭っており、カナダ保険協会は国際刑事警察機構(インターポール)が対応しているこの状況を「国家危機」と呼ぶ。
2022年には、各地で車両10万5千台以上が盗難されたとみられており、盗難車が数千キロ離れた他国で販売されていることもよくある。インターポールによると、カナダ国民から盗まれた1500台以上の車が、2024年2月から5月にかけ世界中で販売され、更に毎週約200台が世界の港で見つかっているという。...
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7月9日付英
『デイリー・エクスプレス』:「車が5千マイル先まで運ばれる”車両盗難大国”」:
カナダでは5分に一台が車両盗難に遭っており、カナダ保険協会は国際刑事警察機構(インターポール)が対応しているこの状況を「国家危機」と呼ぶ。
2022年には、各地で車両10万5千台以上が盗難されたとみられており、盗難車が数千キロ離れた他国で販売されていることもよくある。インターポールによると、カナダ国民から盗まれた1500台以上の車が、2024年2月から5月にかけ世界中で販売され、更に毎週約200台が世界の港で見つかっているという。
カナダは調査対象国137カ国中、盗難被害トップ10に位置づけられている。近年カナダが盗難車の主な輸出拠点として浮上した理由の一つとして、SUVやクロスオーバー車など、人気車種が多いことが挙げられ、その多くが中東や西アフリカへ輸送されるという。
昨年2023年だけでも、保険会社が負担した保険金総額は8億6千万ユーロ(1.5兆円)に上っており、問題が注目され始めた2018年の約3倍となる。
専門家によると、盗難車は通常、様々な犯罪に使用されたり、利益を上げるため売られる。一部が国内で売られる場合もあるが、大半は海外に運ばれるという。
今年4月、オンタリオ州警察とカナダ国境サービス庁による捜査で、海外に輸送される前に589台が押収されており、その大多数はオンタリオ州での盗難車で価格にして1970万ユーロ(約33億円)分となる。
しかし、警察の検挙は追いついておらず、2022年オンタリオ州での盗難犯罪は前年比で34%増加し、3万7千件だったが、同時期の容疑者検挙はわずか4%増の88件だった。
同日付英『BBC』:「カナダが車両盗難の中心地に」:
2022年カナダでは車両10.5万台以上が盗難被害にあった。その被害者の中にはカナダ司法大臣も含まれ、公用車のトヨタ・ハイランダーは2回も盗まれている。
今年、インターポールはカナダを車両盗難ワースト10カ国に指定。同国での調査は2月に開始されたばかりで、これは異例だという。この国家的危機に、警察は国内各地に「車を盗難から守る方法」を示す広告を掲示している。
盗難予防策として追跡装置を自分で装着したり、セキュリティ会社に登録する人、更には自宅の私道に銀行や大使館にあるような車止めポールを設置する人までいる。
最新統計によると、米国、カナダ、英国では、パンデミック以後の車両盗難が増加しているが、カナダでの盗難率(10万人あたり262.5人)は、英国(10万人あたり220人)より高く、10万人あたり約300台の米国に非常に近い。
「カナダ自動車協会」によると、近年の盗難増加は、パンデミックによる世界的な車不足による需要増や、世界的に一定の車種の需要が高まっていることが要因となっており、これが犯罪組織の主な収入源となりつつあるという。また、カナダの港の管理体制が緩く、入国審査にフォーカスするあまり出国審査が手薄なため、車両が輸送コンテナに入ってしまうと押収が難しい点が、他国に比べてこの種の犯罪に有利となっていると指摘されている。
今年4月の報告書によると、カナダ国境サービス庁は慢性的な人手不足に喘いでおり、また技術面での遅れも問題視されている。オンタリオ州ブランプトン市長は、米国ニュージャージー州のニューアーク港で高性能スキャナーを持つ米国との検査技術の違いを視察。今年5月、カナダ政府は荷物検査性能向上のための投資を提案。警察も各地での車両盗難対策への予算増加を予定している。
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