6月11日付
『AP通信』:「大多数の黒人は米機関に不信感を持っている」:
陰謀説に関する世論調査によると、殆どの黒人は人種差別を定期的に、または時々受けており、これが黒人による警察や政治システム、メディア機関への不信感につながっているという。
10日発表されたピュー・リサーチ・センターによる全米の黒人及びヒスパニック系黒人等を対象とした2023年の調査で、同種の調査では2番目となる。...
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6月11日付
『AP通信』:「大多数の黒人は米機関に不信感を持っている」:
陰謀説に関する世論調査によると、殆どの黒人は人種差別を定期的に、または時々受けており、これが黒人による警察や政治システム、メディア機関への不信感につながっているという。
10日発表されたピュー・リサーチ・センターによる全米の黒人及びヒスパニック系黒人等を対象とした2023年の調査で、同種の調査では2番目となる。
「陰謀説」の定義は、「黒人が米機関の行動に対して抱くであろう考え」で機関の目標であるとは限らないもの。調査結果では、米国の人種差別政策の歴史が黒人コミュニティに広く影響していることが不信感に影響していると強調されている。
10人に8人は、「黒人が白人よりも刑務所に行くことが多いのは刑務所が黒人を利用して金儲けするため」だと回答。10人に6人は、「司法、経済、政治等の機関は黒人に不利なようにできている」と回答している。
このような感情が生まれる背景としては、司法統計局の統計によると、黒人は全米の12%であるにもかかわらず、2022年に連邦刑務所に収監されたのは32%だったという現実がある。比較して、白人は31%と少なく、ヒスパニック系は23%と人口より多くなっている。
ネットで誤情報やフェイクが蔓延る現代社会だが、米国人は、米国建国の観念に全く影響を受けていないわけではなく、奴隷制の名残のある米国で黒人は差別や政府陰謀説と独特な関係性を保ってきたのである。
過去数年は特に人種問題が目立って起きており、差別経験者の中で、4分の3は、制度全般が黒人に不利にできていると回答。政治に関しても黒人は人種的な不信感を持つ傾向にあり、4分の3は「黒人公務員は白人公務員よりも信頼されていない」に同意している。医療でも、55%が「黒人への医学検査は黒人の同意なしに行われている」とも回答している。
6月10日付米『Axios』:「世論調査:黒人の多くが警察や政府による陰謀肯定」:
10日発表されたピュー・リサーチ・センターの最新世論調査によると、大多数の黒人は政治、経済、司法システムにおいて、黒人が不利な状況にあると回答している。
この結果は、実際の差別に基づき、黒人が持つ様々な基本的信念や、各種機関で何世代にも渡ってはびこるトラウマを浮き彫りにするものである。
5千人の調査では、大多数が刑務所、政治、経済システムは、黒人の成功を阻害するようにできていると回答。また、米国機関で人種差別的イデオロギーがあると認識している。
「刑務所が儲かるため、白人より黒人が刑務所行きとなることが多い」は82%、「これが事実で現在も行われている」と回答したのが74%となっている。約3分の2(67%)は、「企業は黒人を破産させるために贅沢品を黒人に売り込む」とし、約半数(52%)は、「メディアは黒人を公平に扱っていない」としている。
一方、ドナルド・トランプ氏は、自身のビジネス詐欺訴訟での有罪判決を、このような黒人の司法システムへの不信感と結びつけ、黒人の支持者の拡大に利用しようとしているともみられる。
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