6月8日付
『CNNニュース』は、今夏の長期休暇旅行先として欧州を選択する米国人にとって、三重苦に見舞われそうだと報じている。
米国人にとって、長期夏季休暇の際の欧州旅行は人気が高いが、今夏の場合は様々な困難に見舞われそうである。
(1)ドル安:よって、欧州旅行に際し、現地通貨使用に当たってより多くのドルが必要。
ユーロに対して、6月5日現在のレートは1ドル・0.91~92ユーロと、昨年9月時の最高値1.04ユーロより約9%下落。...
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6月8日付
『CNNニュース』は、今夏の長期休暇旅行先として欧州を選択する米国人にとって、三重苦に見舞われそうだと報じている。
米国人にとって、長期夏季休暇の際の欧州旅行は人気が高いが、今夏の場合は様々な困難に見舞われそうである。
(1)ドル安:よって、欧州旅行に際し、現地通貨使用に当たってより多くのドルが必要。
ユーロに対して、6月5日現在のレートは1ドル・0.91~92ユーロと、昨年9月時の最高値1.04ユーロより約9%下落。すなわち、例えば1室500ユーロ(約8万5千円)のホテル代は、昨年9月時480ドル(約7万5千円)で済んだものが、現在は543ドル(約8万5千円)に相当。
英ポンドに対しても、同日のレートは0.78ポンドと、昨年9月時の0.83ポンドより約6%下落。
その他、兌換マルク(ボスニアヘルツェゴビナ)、レフ(ブルガリア)、デンマーク・クローネ(デンマーク)、アイスランド・クローナ(アイスランド)、ズウォティ(ポーランド)、レウ(ルーマニア)、スウェーデン・クローナ(スウェーデン)、フラン(スイス)等、合計11の通貨に対しても昨年比ドル安。
(2)料金高騰:ホテル代はもとより、観光施設の入場料等全てが値上がり。
ホテル宿泊サイトHotelPlanner.comのティム・ヘンシェル最高経営責任者によると、昨年300ドルだった室料が今年は500ドルに高騰している例が顕著。
世界のホテル料金を毎年調査しているアメリカン・エキスプレス・グローバルビジネストラベルは、パリ・アムステルダム・ダブリン等の室料が10~11%、また、ベルリン・ストックホルム・バルセロナ・ロンドンでは9%余り上昇と分析。
エッフェル塔の入場料は6月17日以降20%値上げ。
トルコ・イスタンブールのハギア・ソフィア大聖堂(537年建造のモスク)の入場料は現在25ユーロ(約4,200円)。
イタリア・ベニスの日帰り旅行者から5ユーロ(約850円)徴収。
(3)混雑:
ドイツの欧州観光局のトム・ジェンキンス最高経営責任者によると、2023年の欧州への米国人旅行者数はコロナ禍前の2019年より増加していたが、2024年は更に急増と予想。
米旅行会社デスティネーション・ヨーロッパのカイラ・ジーグラー社長も、今年の欧州旅行者数は記録的な数になるとコメント。
よって、多くの観光地で困難に陥る程の混雑が発生する恐れ大。
特に、7月下旬にパリ・オリンピックを控えるフランスでの混雑は必須。
更に、地中海西部のスペイン・マヨルカ島の住民が、観光公害反対の大規模デモを展開したように、多くの観光地・避暑地において、受け入れ限度を超えた観光客の訪問を嫌がる気運が高まると、訪問観光客自身にとっても残念な想い出となる恐れ。
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