東北大の研究チームが4月1日、夫婦同姓義務の日本において、このまま進むと500年後に皆“佐藤姓”になるとの驚愕の試算結果を公表した。そこで欧米メディアも、夫婦別姓を認めない唯一の国にとっての皮肉な将来像だとの感触を以て報じている。
4月3日付英国
『ザ・テレグラフ』紙、4日付米
『CNNニュース』は、夫婦同姓義務が改定されない限り、500年先の日本では皆“佐藤姓”になってしまうとの皮肉な試算結果について大々的に報じている。
日本は、1898年に制定された民法に定められた夫婦同姓義務を依然堅持しており、2014年以降では国連加盟国の中で唯一の存在となっている。
その結果、全ての婚姻カップルが夫・妻どちらかの姓を選択せざるを得ず、データによると約95%が夫の姓を選択している。...
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4月3日付英国
『ザ・テレグラフ』紙、4日付米
『CNNニュース』は、夫婦同姓義務が改定されない限り、500年先の日本では皆“佐藤姓”になってしまうとの皮肉な試算結果について大々的に報じている。
日本は、1898年に制定された民法に定められた夫婦同姓義務を依然堅持しており、2014年以降では国連加盟国の中で唯一の存在となっている。
その結果、全ての婚姻カップルが夫・妻どちらかの姓を選択せざるを得ず、データによると約95%が夫の姓を選択している。
かかる状況下、このまま夫婦別姓が認められないまま推移した場合、日本人の姓は将来どうなるのか試算した結果が公表された。
東北大(1907年創設の国立大学)高齢経済社会研究センターの吉田浩教授(50代半ば)率いるチームが、4月1日に以下の研究成果を発表している。
●選択的夫婦別姓を推進するThink Name Project(注1後記)の依頼で、夫婦別姓が採用されないまま推移するとした場合、日本人の名字はどうなるかを試算。
●『名字由来ネット(注2後記)』によると、日本の姓は30万余りあるが、全国トップは“佐藤姓” で約180万人おり、全人口の約1.5%。次に“鈴木姓”、続いて“高橋姓”。
●夫婦同姓義務化の下で、全国トップの“佐藤姓”は年々増加してきており、2023年では前年比+0.8%増えたとのデータ。
●そこで、日本で最も多い“佐藤姓”でシミュレーションをした結果、2446年までに日本人の半分が“佐藤姓”になり、更に2531年までに全員が“佐藤姓”になるとの試算結果。
●一方、少子高齢化に加えて、日本の婚姻率が年々低下していて、2023年の成婚数は前年比▼6%減の50万組弱と直近90年間で最低。
●その結果、出生率も減少の一途を辿っており、今後1千年間で大きく人口減少になると予想され、最悪の場合、日本民族が絶滅してしまう可能性。
なお、東アジアの多くの地域では、西欧に比べて姓の種類が少ない。
例えば、中国政府公表の2020年統計によると、全人口の約30%が王(ワン)、李(リー)、張(チャン)、劉(リウ)、陳(チェン)であり、また、人口の大多数(約86%)は、僅か100の姓となっているという。
(注1)Think Name Project:選択的夫婦別姓について考えるきっかけをつくり、男女の平等な婚姻、平等なキャリアを応援するプロジェクト。主催者は一般社団法人あすには(前身は、2018年設立の「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」)。
(注2)名字由来ネット:日本の名字の99%以上を網羅すると謳うウェブサイト。2011年設立。日本で唯一、名字を専門的に調査している機関。
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