米メディア;ビザ免除渡航の厳格化法案下院可決(2015/12/09)
シリア難民法案に続いて、アメリカでビザが免除されていた国からの渡航の制限も厳しくしようという法案が下院で圧倒的多数で可決した。過去5年間にシリアやイラクへの渡航歴があるとスクリーニング要件を満たす等というものだ。共和党のトランプ氏がイスラム教徒への入国禁止を提案し騒然とする中、アメリカは警戒感を募らせている。各紙は以下の様に報道している。
12月9日付け
『REUTERS』
下院は火曜、ビザなし渡航を許可している38か国の国民の米国への入国制限を強化する法案を圧倒的多数で可決した。先月13日のパリでのテロ事件以来2件目となる国家安全保障法案で、407対19での可決となった。ビザを免除されている主に西欧諸国からの渡航者が米国への渡航ビザを取得するためには、過去5年間シリア、イラン、スーダンへの渡航履歴がない事などが条件となる予定だ。...
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12月9日付け
『REUTERS』
下院は火曜、ビザなし渡航を許可している38か国の国民の米国への入国制限を強化する法案を圧倒的多数で可決した。先月13日のパリでのテロ事件以来2件目となる国家安全保障法案で、407対19での可決となった。ビザを免除されている主に西欧諸国からの渡航者が米国への渡航ビザを取得するためには、過去5年間シリア、イラン、スーダンへの渡航履歴がない事などが条件となる予定だ。またその他の条件として、米国のテロ容疑者について当局と情報を共有するプログラムに加盟している国に限る。この法律はセキュリティの隙を埋め危険人物を阻止する水際対策として効果がある、と国土安全保障委員会会長で共和党のマイケル・マコール氏は述べている。1986年、観光客増加と同盟国との関係強化のため設けれらた当プログラムにより、年間約20万人が訪米、90日間の滞在が認められている。
他の安全保障法案は、シリアとイラクからの難民への更に厳しい身元調査要件を課す厳しいものだ。
242名の共和党議員に対し、民主党議員は僅か47名がこの法案に賛成、バラク・オバマ大統領は拒否権を行使した。
水際対策についての議論は、ISに傾倒したイスラム教徒の夫婦による銃乱射事件以来、より白熱している。共和党の大統領候補ドナルド・トランプ氏は、イスラム教徒の米国入国を禁止することを提案、この発言は国際的な非難を招いた。
上院はいずれかの措置にも評決を予定しておらず、今後数日中に両法案を議会が1兆ドル支出法案に含められる予定である。
政府はビザ免除プログラム厳格化を支持すると表明している、と報道している。
12月9日付け
『YAHOO NEWS』は次のように報道している。
ビザ免除渡航者は全員インターポールのデータベースと照合され、ビザ免除国からの渡航者には生体情報が搭載された「電子パスポート」の発行が義務付けられる。
「ビザ免除の西欧人のうち5000人以上が過去5年間にイラク、シリアへ渡航履歴が確認され、見直しが必要だ。」と多数党リーダーのケビン・マッカーティー氏は述べている。年間20万の渡航者は国土安全保障省のオンラインシステムを通して身元調査されており、政府は最近、プログラムの一部の改良を発表した。
しかし、2004年の国土安全保障監察官の報告書によると、過去のビザなし渡航者の中には、2001年12月にマイアミにパリからのフライトに搭乗し、爆弾を仕掛けようとした「靴の爆撃機」のリチャード・リードのようなテロリストも含まれている。また2001年2月、9月11日以来20人目のハイジャッカー、ザカリア・ムサウイもフランスのパスポートでロンドンからシカゴ行に搭乗している。
両党の議員らは、政府が認める法案に賛成している。パリのテロによるシリア難民対策で連邦議会が法案を可決して以来珍しく二党連携している。
シリア難民法案は上院で進展していないが、一方、ビザ免除法案は現在上院での最終調整を経て年末の予算法案に確実に加わる様相となっている。
これとは別に議員の間では、カリフォルニア州サンバーナディーノでの事件でマリク容疑者が許可された婚約者ビザのプログラムが議論されており、国土安全保障省はすでにそのプログラムの見直しを発表している。民主党議員の中には、法案が可決する前にビザ免除法案に反対していた声もあった。ミネソタ州民主党議員キース・エリソン氏は、ビザには例外を認め、例えば、ジャーナリストや研究者等の権利は守るべきであり、我々は焦点を国や国籍でなくテロに絞るべきだ、と述べたとされる。しかし、ほとんどの民主党議員は共和党と法案可決で一致した。「これは良い法案である、よいタイミングだ。」と、ミシシッピ州トップの民主党議員で国土安全保障委員会のベニー・トンプソン氏は述べている。
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コロンビア沖の海底で財宝を積んだサンホセ号発見(2015/12/07)
コロンビアのフアン・マヌエル・サントス大統領は、5日、カリブ海で約300年前に巨額の金貨や財宝を積んだまま沈没したスペイン海軍のガレオン船、サンホセ号が発見されたと発表した。同大統領は、「人類史上、最も価値ある発見」であると述べている。サンホセ号は世界中で注目を集めている沈没船の一つであり、過去数十年にわたりその沈没場所の探索がおこなわれてきた。
コロンビア政府と米国のサルベージ会社の間には、サンホセ号発見の権利を巡る訴訟が起きているほか、スペイン政府も所有権を主張している。莫大な財宝を積んだサンホセ号の引揚げとその帰属について、海外メディアが注目している。
12月5日付
『FOXニュース』によると、コロンビアのサントス大統領は、300年以上前に莫大な財宝を積んだまま南米沖で沈没したスペインのガレオン船サンホセ号を発見したと発表した。サンホセ号は、カルタヘナ市の南にあるバル半島沖のどこかに沈没したとされていたが、同大統領は同市でおこなった記者会見で、沈没した正確な場所やどのようにして発見したかについては、国家機密であると述べている。サンホセ号は1708年6月8日、英国戦艦の攻撃から逃れる途中で600人の乗組員と共に海中に沈んだ。...
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12月5日付
『FOXニュース』によると、コロンビアのサントス大統領は、300年以上前に莫大な財宝を積んだまま南米沖で沈没したスペインのガレオン船サンホセ号を発見したと発表した。サンホセ号は、カルタヘナ市の南にあるバル半島沖のどこかに沈没したとされていたが、同大統領は同市でおこなった記者会見で、沈没した正確な場所やどのようにして発見したかについては、国家機密であると述べている。サンホセ号は1708年6月8日、英国戦艦の攻撃から逃れる途中で600人の乗組員と共に海中に沈んだ。この船にはスペインの植民地で得た約1千百万個の金貨と宝石が積まれており、回収されれば数十億ドルの価値があるとされる。サントス大統領が歴史的発見と呼ぶ沈没船の引揚げには、あと数年かかる見込みである。
12月5日付
『ボイス・オブ・アメリカ』は、海底に眠るサンホセ号の財宝の所有権が誰にあるかを巡って米国、コロンビア、スペインの3国が裁判で争っていると報じている。
それによると、1982年に、シーサーチ・アメリカという米国のサルベージ会社が、サンホセ号の沈没場所を発見したと発表した。その2年後、コロンビア政府が難破船の発見者はその50%の権利を持つという確立した海洋法の原則を無視し、同社に5%の“発見料”を支払うと決定したことから訴訟となった。2011年、米国連邦裁判所はシーサーチ・アメリカ社の申立てを棄却した。しかし、最高裁判所は、裁判は沈没船が引き揚げられた後でおこなうとの裁定を下した。サントス大統領は発表の中で裁判については言及していないが、コロンビア政府は、最新の海面下探査技術を用いて従来言われたのとは違う場所で沈没船を発見したと述べている。
シーサーチ社のコロンビア代表であるダニーロ・デービス氏は、沈没した財宝が最終的に回収されることについて楽観的な見方を示している。同氏はその一方で、沈没場所はシーサーチ社が30年前に当局に提出した場所と違うとの主張に対しては怒りを露わに、「コロンビア政府が見付けたかもしれないが、1882年に我々が言ったことが再確認されたに過ぎない」と語った。
11月5日付
『YAHOOニュース』は、サンホセ号の発見について、300年のミステリーがついに解明されたと報じている。コロンビア人と外国人研究者チームは、1985年にタイタニック号を発見したベテランの参加を得て、307年前のカリブ海の風や海流の動きを研究し、スペインやコロンビアの文献を徹底的に調査した。その結果、サントス大統領は、専門家が11月27日にこれまで探索しなかった場所でサンホセ号を発見したと発表した。これまでの海底探索で少なくとも5隻の難破船が発見されているが、大砲に特徴のあるイルカの刻印があることが決め手となりサンホセ号であることが確認されたとしている。
難破船の大きさや形は紛れもなくサンホセ号と一致しているとコロンビア歴史人類学研究所長は語る。コロンビアのカリブ海沿岸には1000隻もの難波船が沈んでいると思われるが、そのうち6~10隻が財宝を積んだ大型船であると専門家は話している。
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