トランプ大統領が腐したボルティモアの球場で、“トランプ2020”の横断幕を掲げたファンを追放【米メディア】(2019/08/04)
ドナルド・トランプ大統領は、自分に刃向う政敵に対して、ツイッターで露骨に攻撃している。7月末にも、メキシコ国境の移民への入国管理に非難を浴びせた民主党議員に対して、出身地のボルティモア(メリーランド州)はネズミがはびこるひどい場所だと腐した。
この伏線があったためか、地元のメジャーリーグ(MLB)、ボルティモア・オリオールズ対トロント・ブルージェイズの試合が行われた球場で、「トランプ2020(再選キャンペーン・ロゴ)」の横断幕を掲げたファンが、同球場から退去させられている。
8月3日付
『ウェスターン・ジャーナル』保守系オンラインニュース:「“トランプ2020”の横断幕を掲げたファンが球場から退去させられる」
政治とスポーツは、誰にとっても共存させることはないとみられる。
例えば、全米プロフットボール・リーグ(NFL)のスターだったコリン・キャパニック選手(31歳、注後記)は、政治的抗議の一環で国歌斉唱の際に片膝をついただけで起立を拒んだことで知られるが、ここ数年どこのチームからも声がかからず、NFLでのプレーが不可能となっている。...
全部読む
8月3日付
『ウェスターン・ジャーナル』保守系オンラインニュース:「“トランプ2020”の横断幕を掲げたファンが球場から退去させられる」
政治とスポーツは、誰にとっても共存させることはないとみられる。
例えば、全米プロフットボール・リーグ(NFL)のスターだったコリン・キャパニック選手(31歳、注後記)は、政治的抗議の一環で国歌斉唱の際に片膝をついただけで起立を拒んだことで知られるが、ここ数年どこのチームからも声がかからず、NFLでのプレーが不可能となっている。
これは一般人にも当てはまる模様で、8月1日のボルティモア・オリオールズ対トロント・ブルージェイズの試合が行われた球場(オリオール・パーク・カムデン・ヤーズ)において、親トランプを示す横断幕を掲げたファンが、球場から退去させられた。
地元紙『ボルティモア・サン』紙のジョン・メオリ記者によると、8回の攻撃中に一部のファンが、“トランプ2020”の横断幕を掲げたところ、周りの他のファンから非難の声が上がったという。
そして、僅か10分後に、球場側からの制止で当該横断幕はすぐに降ろされた。
更に、ボルティモア警察と同球場責任者から、ファン同士の無用なトラブルを避けるため、当該ファンは球場を退去させられている。
ボルティモア・オリオールズ球団のオフィシャル・サイトでは、横断幕等を掲げるのは、他の観客の視界の邪魔となったりするので、原則禁止していると掲載した。
また、同サイトは、横断幕等が宣伝用、政治的アピール、あるいは同球団の方針にそぐわない悪質なものだった場合、没収するとも言及している。
なお、同球場内が不穏な空気となったのは、その伏線として、ドナルド・トランプ大統領が先日、ボルティモア出身のイライジャ・カミングス民主党下院議員に対して、出身地のボルティモアはネズミがはびこり、ものすごく汚い場所だとツイートで揶揄していたことが挙げられる。
一方、地元ボルティモア・オリオールズは8月1日の試合で、トロント・ブルージェイズに11:2で一方的に敗れている。
(注)コリン・キャパニック選手:NFL西地区のサンフランシスコ・フォーティナイナーズに2011~2016年に所属したクォーターバック。2016年8月のプレシーズンマッチで、トランプ大統領の人種差別に抗議して、国歌斉唱の際に起立を拒否。2016年末に同チームを去って以降、どのチームからも声が掛からず、失職状態。
閉じる
黒人議員を批判したトランプ大統領に人種差別だとの批判(2019/07/29)
トランプ米大統領を“監視”する立場にある監視・政府改革委員会のイライジャ・カミングス委員長とその選挙区メリーランド州バルティモアを批判している大統領に人種差別だとの批判が殺到している。
7月28日付米国
『CBS』は「ボルティモア・サンが論説でカミングス議員を擁護し、トランプを痛烈に批判」との見出しで以下のように報道している。
バルティモア・サン紙は、トランプ大統領を“ネズミ”に例え“執務室に付いた最も不正直な男”だと論説で辛らつに批判した。先週末トランプ大統領はツイッターで、メリーランド州代表の民主党議員イライジャ・カミングス氏とその選挙区を次々に批判。メリーランドで黒人が多数派のバルティモア都市部の一部を含み郊外にまたがる「彼の選挙区は、ネズミが住みついた米国で最も最悪な場所」などとツイッターに投稿した。...
全部読む
7月28日付米国
『CBS』は「ボルティモア・サンが論説でカミングス議員を擁護し、トランプを痛烈に批判」との見出しで以下のように報道している。
バルティモア・サン紙は、トランプ大統領を“ネズミ”に例え“執務室に付いた最も不正直な男”だと論説で辛らつに批判した。先週末トランプ大統領はツイッターで、メリーランド州代表の民主党議員イライジャ・カミングス氏とその選挙区を次々に批判。メリーランドで黒人が多数派のバルティモア都市部の一部を含み郊外にまたがる「彼の選挙区は、ネズミが住みついた米国で最も最悪な場所」などとツイッターに投稿した。
これにつき、米国でも歴史のある地元紙は見出しで「ここで起きていることを把握するのは難しくはない。自分がネズミになるよりも、周りに少しばかりネズミがいる状態の方がましだ。」と批判した。
論説は、「黒人議員を叩くのがよい政治手法だと考えた大統領に、カミングス議員は使われた。トランプを支持する白人至上主義者を喜ばせ、同時にそれ以外の多くのまともな人を紛糾させると考えたからだ。この地区はジョンホプキンス病院(全米3位)、 全米社会保障局の本部やインナーハーバー(観光地)があり、全国平均より平均収入が高い。バルティモアは大統領が統治するべき米国の一部であり、1人の議員よりホワイトハウスは良くも悪くも影響力を持って改革できるはずだ。ネズミなど問題があれば、最も権限のある彼の責任だ。」としている。大統領は感情的で偏屈な論法で、黒人優勢地域より、黒人議員を責める昔の手法に回帰している。ネズミになるより、近所にネズミが住んでいる方がましだ」と述べている。
監視・政府改革委員長として、カミングスはトランプ批判で有名で、政権やビジネスの流れを調査してきた。
同日付米国『FOXニュース』は「トランプがイライジャ・カミングスと舌戦、同議員を人種差別主義者と呼ぶ」との見出しで以下のように報道している。
トランプ氏が監視・政府改革委員長のカミングス議員を批判するツイートにより差別主義者と呼ばれた後に、トランプ氏もカミングス氏も差別主義者だと呼んでいる。
日曜午後、トランプ氏はツイッターで「人種差別主義者イライジャ・カミングスが、バルチモア地区の素晴らしい人々のためエネルギーを注ぐことに注力すれば、多分、無能な指導者により滅茶苦茶になったバルチモアを改善できるだろう。彼の過激な"監視"は笑い草だ!」と呟いた。
その前日、トランプは国境警備担当職員への物言いが、“野蛮ないじめ”だとし、国境よりもバルティモアがよっぽど酷い状況だと言った。
これにペロシ議長をはじめとする民主党は差別主義だと反発。バルティモア出身のペロシ氏がカミングス氏と同市を擁護し、トランプ氏を“差別主義”だとして批判した。これにトランプ氏は「イライジャ・カミングスがバルチモア地区で酷い仕事をしているという既知の事実を述べるのは人種差別とは言えない。民主党は事実で勝てない時には、いつも人種カードを持ち出す。恥を知れ!」と返した。
閉じる
その他の最新記事