トルコ・イスタンブールの新国際空港が本格運用開始、年間2億人利用の世界最大空港へ(2019/04/08)
トルコ最大の都市イスタンブールで7日、新たな国際空港の本格運用が開始した。6日に同国を代表する航空会社のトルコ航空が、アタチュルク国際空港から移転し、全ての便の発着が新空港で行われることとなった。全面的に完成すれば世界最大規模の空港になる。
地元メディア
『デイリー・サバー』や、
『ロイター通信』、英
『タイムズ』などの報道によれば、本格運用を開始した「イスタンブール国際空港」は、黒海に近い同市の北西部にあり、メインターミナルと2本の滑走路により年間9,000万人の旅客の利用に対応する。
今後、同国際空港は段階的に拡張され、最終的に4つのターミナルと滑走路6本を備え、年間2億人が利用する世界最大規模の空港になるという。トゥルハン運輸インフラ相は、「イスタンブール国際空港は、今後約5年で利用客数に関し世界第2位となる。...
全部読む
地元メディア
『デイリー・サバー』や、
『ロイター通信』、英
『タイムズ』などの報道によれば、本格運用を開始した「イスタンブール国際空港」は、黒海に近い同市の北西部にあり、メインターミナルと2本の滑走路により年間9,000万人の旅客の利用に対応する。
今後、同国際空港は段階的に拡張され、最終的に4つのターミナルと滑走路6本を備え、年間2億人が利用する世界最大規模の空港になるという。トゥルハン運輸インフラ相は、「イスタンブール国際空港は、今後約5年で利用客数に関し世界第2位となる。全ての工事が完了すれば、世界一となる。」と説明している。
世界の空港が加盟する国際空港評議会のデータによれば、昨年世界で最も利用客が多かった空港は、米アトランタ国際空港で利用者数は1億700万人、2位は中国・北京首都国際空港の1億100万人、3位はアラブ首長国連邦(UAE)・ドバイ国際空港の8,900万人で、以下米ロサンゼルス国際空港の8,800万人、羽田国際空港の8,700万人が続いた。
イスタンブール国際空港が目指す年間2億人は、アトランタのほぼ倍となる巨大な数字だ。実現のためには、国際線乗り継ぎ客の利便性を高めるなどの対策が求められる。同空港は、トルコと41カ国を3時間以内で結び、66カ国が5時間圏内となる。世界の約350都市への空の旅が可能となり、主要ハブ空港の1つとなることを目指している。
新空港建設プロジェクトは、エルドアン大統領が力を入れる巨大事業であり、これまでの費用は約110億ドル(約1兆2,250億円)。老朽化し、手狭になった既存のアタチュルク国際空港に代わる空港として建設された。1953年に開港したアタチュルク空港の敷地は、公園として利用することなどが検討されている。
トルコ航空の新空港移転は、昨年10月に部分開港された際に行われる予定だったが、建設作業員の死亡事故をめぐるデモなどで延期が繰り返されていた。前例のない大規模な移転作業は5日朝3時に始まり、6日午後にはトラブルなくほぼ終了した。7日に空港の本格運用が開始して順調な滑り出しとなったため、今後他の航空会社も順次移転する。
閉じる
米バイデン副大統領のトルコ訪問(2016/08/25)
先月の未遂に終わったクーデター事件以来、トルコ政府は事件の黒幕として米国に亡命中のギュレン師の送還を米政府に求めているが、米政府は関与を示す厳格な証拠を要求して時間を掛けているためトルコでは反米感情も生まれている。一方トルコによるロシア軍機撃墜で悪化していたロシアとトルコの関係は、プーチン大統領がクーデター発生後早々とエルドアン大統領支持を表明して以来急速に改善し、今月前半にはエルドアン大統領がロシアを訪問してプーチン大統領と会談し関係改善に合意した。
このような状況の下、米国はトルコが更にロシアに接近するのを見過ごせないと見たのかバイデン副大統領がトルコを訪問することとなり、8月24日トルコの首都アンカラでユルドゥルム首相と会談、その後エルドアン大統領とも会談した。ギュレン師送還の件は両国がお互いの主張を繰り返して終わったようであるが、今後米国がギュレン師の送還について否定的な結論を出した場合は、両国の関係が更に緊張に向かう可能性もある。
8月24日付
『ワシントンポスト』は、「バイデン副大統領、ギュレン師についてトルコに忍耐を求める」という見出しで、トルコ政府が先月のクーデター未遂事件の黒幕とされている聖職者の送還を要求する中、バイデン副大統領が米国の法制度に対する忍耐を要請したと報じた。副大統領はトルコ首相との会談後記者会見で、トルコ政府と国民のギュレン師に対する感情は理解出来るので、現在トルコ当局と協力して進めているが、米国の法制度では時間が掛かると語った。...
全部読む
8月24日付
『ワシントンポスト』は、「バイデン副大統領、ギュレン師についてトルコに忍耐を求める」という見出しで、トルコ政府が先月のクーデター未遂事件の黒幕とされている聖職者の送還を要求する中、バイデン副大統領が米国の法制度に対する忍耐を要請したと報じた。副大統領はトルコ首相との会談後記者会見で、トルコ政府と国民のギュレン師に対する感情は理解出来るので、現在トルコ当局と協力して進めているが、米国の法制度では時間が掛かると語った。また、ノーを4回繰り返し米国は同盟国に対して危害を加えた人物を保護するつもりは全くないと否定した。オバマ大統領が送還に介入する権限はなく、若し介入すれば大統領弾劾に当たる違反行為になると理解を求めた。
これに対しエルドアン大統領は副大統領との会談後の記者会見で、米トルコ間の送還協定によればこのような人物は最低でも拘留か、逮捕、監視下に置かれるべきであるが、未だに全世界の自分の組織に指示を出しており、メディアのインタビューも受けていると不満を表明した。米国はクーデターの事前の情報は持っていなかったと副大統領は否定した。また、現政権に対する米国の支持表明が遅れたことを詫びたと報じている。
8月24日付トルコの親与党公正発展党系の英字紙
『デイリー・サバ』は、「バイデン副大統領、クーデターの事前情報は無かったと重ねて主張」という見出しで、ギュレン師系テロリストグループによるクーデター未遂事件後初めて米国のバイデン副大統領がアンカラを訪問し、現政権への強い支持を表明、またトルコ国民の民主主義を守るための勇気と決意を賞
賛したと報じた。また、副大統領が送還決定までに時間が掛かると説明したのに対し、トルコの首相は、急いで結論を出してもらえればトルコ国民の米国に対する失望感は直ぐに消え去るだろうと応えたと報じている。
同日付「デイリー・サバ」は、「バイデン副大統領には無用の訪問、トルコには時間の浪費」という見出しの社説を掲載し、副大統領は送還に時間が掛かることを説明するためにはるばるトルコを訪問したが、両国間の送還協定によれば送還を求められれば、その人物は拘留されなければならない。法的な説明をするだけなら事務レベルでの連絡で済む筈であり、副大統領の訪問は無駄であると批判している。
閉じる
その他の最新記事