3月30日付
『ザ・スペクテイター』(1828年創刊の週刊誌)は、日本在住英国人ジャーナリストが、王子製紙を始めとする日本メーカーによる少子高齢化社会即応のビジネス戦略について称賛する投稿記事を掲載している。
同誌に投稿したのは、フィリップ・パトリック氏で、東京大学の講師も務めるフリージャーナリストである。
同氏は、王子製紙の少子高齢化社会即応のビジネス転換振りに触れた上で、他の日本メーカーによる類似戦略転換を紹介し、英国にはない日本独自の風土・文化の特徴に根付くものと称賛している。...
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3月30日付
『ザ・スペクテイター』(1828年創刊の週刊誌)は、日本在住英国人ジャーナリストが、王子製紙を始めとする日本メーカーによる少子高齢化社会即応のビジネス戦略について称賛する投稿記事を掲載している。
同誌に投稿したのは、フィリップ・パトリック氏で、東京大学の講師も務めるフリージャーナリストである。
同氏は、王子製紙の少子高齢化社会即応のビジネス転換振りに触れた上で、他の日本メーカーによる類似戦略転換を紹介し、英国にはない日本独自の風土・文化の特徴に根付くものと称賛している。
同氏が紹介したのは以下どおり;
● 少子高齢化の実態
・出生数大幅減少に対し、高齢者の総人口に占める割合が増加。具体的には、15歳以下が12%弱に対して、65歳以上が約30%。100歳以上も9万人余り。
・『日経アジア』英文ニュース報道によれば、高齢者による個人消費額は若者世代を上回り、消費全体の40%近くを占めていて、2002年時からほぼ倍増。
・かかる背景より、日本のビジネスでは、ヘルスケア・衛生及びライフスタイルが優先され、TVコマーシャルで、ビタミン剤・サプリメント・エナジードリンク・歯のホワイトニング・足温器具・女性用ヘアピース等の広告が増加。
● 王子製紙
・直近10年で、高齢者用オムツ等の売り上げが乳幼児用を上回っている事態に即応して、乳幼児用紙オムツ生産を止め、高齢者用に特化すると決定。
● 富士通
・ボタンが大きく機能がシンプルなスマートフォン「らくらく」・「あんしん」を2千万台販売。
・AI装備の車椅子や、徘徊する認知症患者に装着して位置情報が確認できる電子追跡装置アプリも開発。
● TOTO
・温水便座、便座自動昇降、セルフクリーニング等を標準装備化。
● 失敗例
・介護用ロボット開発。ジェームズ・ライト氏が、「ロボットは日本を救わない;高齢者介護オートメーションの民族誌」(2023年発刊)で触れているとおり、過去20年間で2億3,800万ポンド(約455億円)も投じたのに、現状は高齢者に金銭的負担増を強いる結果。
・そこで日本政府は止む無く、介護従事用の移民を受け入れるべく移民規制を緩和。
● 日本の特性
・数々の偶発的災害に見舞われてきている日本にとって、厳しい現実を受け入れた上で、新しい現実に対応するために「改善」し、開発していくことが重要。
・従って、日本のメーカーは、マーケティング戦略や生産戦略の大きな転換にもチャレンジしていくことに長けていると評価されるが、英国企業では中々難しいと判断。
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