金正恩、文在寅に親書(3月6日)
韓国の青瓦台は5日、北朝鮮の金正恩委員長から昨日(4日)韓国の文在寅大統領宛てに親書が届けられと発表した。親書は「韓国が必ずや新型コロナウィルスとの闘いに打ち勝つと信じている」との内容であった。
金正恩委員長は親書のなかで、新型コロナウィルスと闘っている韓国国民を慰問し、文在寅大統領への信頼を表明した。さらに金正恩委員長は、朝鮮半島情勢に対しては「誠実な考えと立場」を示したとのことであるが、青瓦台は具体的な内容には言及しなかった。...
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韓国の青瓦台は5日、北朝鮮の金正恩委員長から昨日(4日)韓国の文在寅大統領宛てに親書が届けられと発表した。親書は「韓国が必ずや新型コロナウィルスとの闘いに打ち勝つと信じている」との内容であった。
金正恩委員長は親書のなかで、新型コロナウィルスと闘っている韓国国民を慰問し、文在寅大統領への信頼を表明した。さらに金正恩委員長は、朝鮮半島情勢に対しては「誠実な考えと立場」を示したとのことであるが、青瓦台は具体的な内容には言及しなかった。文在寅大統領は5日に返信を出し、感謝の意を金正恩委員長に伝えた。
妹に韓国を非難させた直後に、金正恩委員長自らは親書を送って労わり、文在寅大統領の心をくすぐっている。昨年から飛翔体の発射を再開している北朝鮮に対し、コロナウィルス後もなお、韓国は融和政策をとり続けることになるのだろうか。
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託児所停止で女性親の在宅許可(3月5日)
日本でもコロナウィルス対策の一環で今週から小中高校の一斉休校が始まったが、北朝鮮でも同様に冬休みの延長が決定、託児所も休みとなり、共働き家庭では、子供の世話ができないという問題が起こった。このため女性労働者に出勤せずに在宅で子供の世話をすることが許可された。4日付の『朝鮮の今日』が伝えている。
報道によれば、学校のほかに、馬息嶺スキー場や陽徳温泉文化施設などのレジャー施設も閉鎖されている。
ここでも北朝鮮ではコロナウィルスの症例はでていない、と報道されているが、先日ロシアから検査キットを1500セット輸入したということは、7000人とも伝えられている隔離者への検査を行えないので、陽性反応もでていないということかもしれない。
金与正談話に韓国困惑(3月5日)
韓国が北朝鮮の火力打撃訓練を非難したことに対し、3日、金正恩委員長の妹の金与正党中央委員会第一副部長が、韓国を厳しく非難したことに対し、韓国では困惑が広がっている。
4日、韓国統一部の呂尚基報道官の発言は、金与正氏の非難に対し、「韓国政府は南北関係の発展と朝鮮半島の恒久的平和の実現させるためには、南北双方が互いに尊重し、共に努力していかなければならない、と考える」と原則的な立場を述べるにとどまった。...
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韓国が北朝鮮の火力打撃訓練を非難したことに対し、3日、金正恩委員長の妹の金与正党中央委員会第一副部長が、韓国を厳しく非難したことに対し、韓国では困惑が広がっている。
4日、韓国統一部の呂尚基報道官の発言は、金与正氏の非難に対し、「韓国政府は南北関係の発展と朝鮮半島の恒久的平和の実現させるためには、南北双方が互いに尊重し、共に努力していかなければならない、と考える」と原則的な立場を述べるにとどまった。金与正名義の談話の発表は初めてであった。韓国のなかでは、金与正氏が、2018年の平昌オリンピックの際に、北朝鮮の特使として「白頭の一族」として初めて韓国を訪問したことや、その後の南北首脳会談の場でも姿を見せていたことから、南北和解の象徴としてとらえることがあったことから、一層困惑が広がっている。
さらに韓国統一部はコロナウィルスが終息したならば、南国協力プロジェクトを推進する準備もしていたし、2日には非武装地帯を国際平和地帯にすることや北朝鮮への個人旅行の推進などを含む「2020年主要工作推進計画」を発表していたことから、とまどいを隠せないでいる。
このため青瓦台では、金与正談話が行われた背景について探っているところで、談話も発表できない状態にある。
一方韓国のなかでも、今回の談話は南北の対話を完全に遮断しようというものではなくて、北朝鮮のなかでコロナウィルスの問題が発生しているなかで、飛翔体を発射し、談話を発表することで、国内の団結を促すための措置ではないかという見方もある。
北朝鮮では金正恩委員長が発した言葉は必ず実行しなければならない。そのために観測気球的に、党や政府の高官になんらかの発言をさせ、相手の反応をみることをしてきた。今回金正恩委員長の妹が談話を発表したということは、不満の度合いが高まっている、ということを相手に知らしめようとしたとも思われる。
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金与正、火力訓練は自衛のため(3月4日)
北朝鮮の金正恩委員長の妹で、労働党中央第一副部長の金与正氏が、2日に行われた火力打撃訓練について、自衛のための行為であり、誰かに対する脅威ではない、と語った。3日の『朝鮮中央通信』が報じたもの。
金与正氏は、韓国の青瓦台が、北朝鮮の火力打撃訓練に対し、遺憾の意を述べ、停止を要求したことに対し、韓国を非難した。さらに3月に予定していた米韓合同演習を延期したのは、新型コロナウィルスが原因であり、朝鮮半島の平和や和解を望んだからではないとした。...
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北朝鮮の金正恩委員長の妹で、労働党中央第一副部長の金与正氏が、2日に行われた火力打撃訓練について、自衛のための行為であり、誰かに対する脅威ではない、と語った。3日の『朝鮮中央通信』が報じたもの。
金与正氏は、韓国の青瓦台が、北朝鮮の火力打撃訓練に対し、遺憾の意を述べ、停止を要求したことに対し、韓国を非難した。さらに3月に予定していた米韓合同演習を延期したのは、新型コロナウィルスが原因であり、朝鮮半島の平和や和解を望んだからではないとした。さらに朝鮮側が、平和のために軍事演習の中止を求めたのに対し、韓国側から回答がないとし、青瓦台のこのような態度は朝鮮の不信感を増幅するもので、憎悪と軽蔑を感じると述べた。ただし文在寅大統領自身がこのような言い方をしていないのは、幸いである、とも語っている。
金正恩委員長自身が飛翔体の発射訓練に立ち会っており、満足の意を述べたと伝えられているなかで、わざわざ金与正氏の談話が発表されるのは、金与正氏が国政にかかわるなんらかの地位を得たことを示すためだと思われる。
なお2日打ち上げられた飛翔体について、韓国は車上搭載型のロケット砲で、昨年10月31日と11月28日に打ち上げられた「超大型ロケット砲」と一致したと発表した。さらに韓国軍参謀本部によると、2発発射されたロケット砲の発射の間隔を20秒に短縮することに成功しているという。北朝鮮が昨年発射したロケット砲の間隔は、当初は19分であったものが、3分になり、さらに30秒であったことから、今回は10秒短縮されたことになる。
また3日の民間航空追跡サイト『エアクラフト・スポット』によると、米軍の偵察機RC-135Wが韓国上空飛行し、北朝鮮を監視しているという。北朝鮮の武力挑発行為に対する警告と見られる。
韓国軍の新型コロナウィルスの3日現在の罹患者数は31名と発表されている。
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北朝鮮、臨時便で外国人を国外へ(3月3日)
北朝鮮は、3月6日に高麗航空が、平壌からウラジオストックの臨時便を用意し、一部の外国人を国外に移動させることになった。
北朝鮮は新型コロナウイルスの予防のためとして、国境を閉鎖し、国際航空便や国際列車の運行を中止し、北朝鮮に滞在している外国人を30日間隔離していた。
今回の臨時便の乗客となるのは、北朝鮮から出国したいと希望している北朝鮮駐在の国際機関の駐在員や一部の欧州の国家の大使館員である。
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